法令名
 

船員職業安定法及び船舶職員法の一部を改正する法律[平成10年法律第69号、公布:5月27日]

制度の現状
 従来、我が国においては、STCW条約締約国の資格受有者を部員として乗り組ませることを条件として船舶職員の乗組み省略を特例として許可する制度(船舶職員法第20条)により外国人船員の受入れを図ってきたが、知識・能力について我が国政府の確認を受けていない資格受有者をもって船舶職員に代える制度であることから、減員できる船舶職員には自ずと限度があり、資格受有者を全面的に受け入れることは困難となっている。
法令の改正の趣旨
 今回の法律改正は、海上企業における人材の的確な確保を図っていきたいとのニーズに対応するため、条約締約国の資格受有者については、必要な経験、知識及び能力を有することを確認した上で、日本の免許を受けた者に代えて日本船舶に船舶職員として乗り組ませることができる途を開くことにより、その受入れを拡大し、一層の活用を図ることを目的とするものである。
法令の改正の概要
 条約締約国の資格受有者であって運輸大臣の承認を受けた者は、海技従事者の免許を有しなくても船舶職員になることができることとし、承認の際に指定された就業範囲の範囲内において船舶に乗り組むことができるものとする。承認は、職務を行うのに必要な経験、知識及び能力を有すると認められた者について行うものとする。
許認可等の内容
  (1) 許認可等の新設の必要性
 条約締約国の資格受有者が、我が国の免許を有しなくても船舶職員になることができるようにするため、運輸大臣による承認を新設する必要がある。
 (2) 規制の対象
 条約締約国の資格受有者
 (3) 規制の態様
 条約締約国の資格受有者であって我が国の免許を有しない者が、船舶職員になるためには、運輸大臣による承認を受けた者である必要がある。
 (4) 規制の効果
 条約締約国の資格受有者であって運輸大臣の承認を受けた者は、我が国の免許を有しなくても船舶職員になることができることとなる。
 (5) 申請者等の負担
 承認を申請するに当たり、職務を行うのに必要な経験、知識及び能力を有することの確認を受ける必要がある。
 (6) 他法令との整合性
 船舶職員法における海技従事者の免許制度の特例となる。
法令の改正に伴う許認可等の増減
(行政監察局の統一的把握の基準による)
    1 件
(内訳) 承認 1件 (改正後の船舶職員法第23条の2第1項)



法令名
 

道路運送車両法の一部を改正する法律[平成10年法律第74号、公布:5月27日]

制度の現状
 運輸大臣は、自動車の安全性の増進及び公害防止の観点から申請により自動車の型式について指定することとしており(第75条)、型式指定を受けた自動車であって有効な完成検査終了証の提出があったものについては、新規検査の際に現車提示を省略することができることとなっている(第59条第4項で準用する第7条第3項第2号)。
法令の制定(改正)の趣旨
 自動車装置の共通化の進展等にかんがみ、より合理的な自動車の型式指定の審査を行えるようにするとともに、国際的な取決に基づく外国の認証との相互承認を行うことにより、申請者の負担軽減を図るものとする。
法令の制定(改正)の内容
1.任意の申請により自動車装置の型式について指定する制度を創設し、自動車の型式指定の際に当該指定を受けた装置の審査を省略するものとする。

2.国連相互承認協定(仮称)に基づき外国の型式指定を受けた装置について、運輸大臣の指定を受けたものとみなす。

許認可等の内容
  (1) 許認可等の新設(改正)の必要性
 自動車の装置の共通化及び国際的な流通に対応するために必要な制度であること。
 (2) 規制の対象
 装置製作者、装置の輸入業者
 (3) 規制の態様
 装置の型式毎に運輸大臣が申請に基づいて指定する。
 (4) 規制の効果
 指定を受けた装置については、自動車の型式指定の際の審査が省略されることとなるため、装置の共通化が進んでいる現状に対応した合理的な認証制度とすることができる。
 (5) 申請者の負担
 より合理的な申請が可能となり、自動車の認証全体としてみた場合の認証コストが大幅に削減される。
 (6) 他法令との整合性
 特になし。
法令の制定(改正)に伴う許認可等の増減(行政監察局の統一的把握の基準による)
     1件
(内訳)
 ・装置の型式指定



法令名
 

中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律
[平成10年法律第92号、公布:6月3日]
 

法令の制定の趣旨
 都市の中心の市街地が地域の経済及び社会の発展に果たす役割の重要性にかんがみ、都市機能の増進及び経済活力の向上を図ることが必要であると認められる中心市街地について、地域における創意工夫を生かしつつ、市街地の整備改善及び商業等の活性化を一体的に推進するための措置を講ずることにより、地域の振興及び秩序ある整備を図り、もって国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
法令の制定の内容
 市町村が、一定の要件を備える中心市街地について、主務大臣の定める基本方針に即して基本計画を作成することとし、また、基本計画を達成するための措置として、認定特定事業者が認定特定事業計画に従って実施する事業についての特例等を定める。
許認可等の内容
(1〜3については、農水省、通産省、運輸省、郵政省共管)
1.特定事業計画の認定(第16条第4項)
  (1) 許認可等の新設の必要性
 本法案においては、特定事業計画に位置づけられた事業について、課税の特例等の支援がなされることとなっている。すなわち、政策の一部として特典を付与するための資格審査として、特定事業計画の認定を行う必要がある。
  (2) 規制の対象
 基本計画に定められた特定事業を実施しようとする者(当該特定事業を実施する法人を設立しようとする者を含む。)。
  (3) 規制の態様
 (2)の者の申請に基づき、主務大臣が認定。
  (4) 規制の効果
 (2)の者は、認定特定事業計画に従って特定事業を実施しようとする場合等に、税制上の特例措置を受けることができるほか、道路運送法、貨物運送取扱事業法等の特例を受けることができる。
 (2)の者は、このような支援措置を受けて、より円滑に中心市街地の活性化のための事業を行うことが可能となる。
  (5) 申請者等の負担
 特定事業計画の認定を受けるための申請書等の提出。
  (6) 他法令との整合性
 特になし。
2.特定事業計画の変更の認定(第17条第1項)
  (1) 許認可等の新設の必要性
 1.のとおり、認定を受けた特定事業計画に従って特定事業を実施しようとする者には、公的な支援がなされるため、特定事業計画の変更に当たっては、当該変更の認定を受ける必要がある。
  (2) 規制の対象
 1.の認定を受けた特定事業計画を変更しようとする者。
  (3) 規制の態様
 (2)の者に対する、主務大臣の認定の義務づけ。
  (4) 規制の効果
 1.(4)に同じ。
  (5) 申請者等の負担
 特定事業計画の変更の認定を受けるための書類の提出。
  (6) 他法令との整合性
 特になし。
3.報告の徴収(第36条)
  (1) 許認可等の新設の必要性
 1.のとおり、認定を受けた特定事業計画に従って特定事業を実施しようとする者には、公的な支援がなされるため、主務大臣としては、特定事業計画が適切に実施されているかどうか把握する必要がある。
  (2) 規制の対象
 1.の認定を受けた認定特定事業者。
  (3) 規制の態様
 主務大臣は、(2)の者から特定事業の実施状況について報告を求めることができる。
  (4) 規制の効果
 認定特定事業者が認定特定事業計画に従って適切に特定事業を実施することが促進される。
  (5) 申請者等の負担
 報告書の提出等。
  (6) 他法令との整合性
 特になし。
4.一般乗合旅客自動車運送事業者の事業計画の変更の届出(第29条)
  (1) 許認可等の新設の必要性
 中心市街地の活性化を図るためには、中心市街地へのアクセス利便性及び中心市街地内における移動利便性の向上が不可欠であることから、公共交通機関の利便性を向上することが必要である。
 特に、中心市街地内外の移動手段としての身近かつ一般的な公共交通機関として大きな役割を果たしているバスのフリークエンシーの改善等バスサービスの向上は、中心市街地へのアクセス利便性、市街地内の移動利便性の向上を通じて、中心市街地のにぎわいの創出、活性化に大きく資するものと考える。このため、当該事業について特定事業として位置づけ、運輸大臣の認定を受けた場合には、道路運送法の特例措置(第29条)を講じることにより、その推進を図ることとするものである。
  (2) 規制の対象
 第4条第4項第4号に掲げる事業(バス事業者が行う中心市街地に存する路線に係るバスサービスの向上のための事業〔当面はバスの運行回数の増加〕)に関する認定特定事業計画に従って当該事業を行うに当たり道路運送法第15条第1項の認可を受けなければならない者。
  (3) 規制の態様
 道路運送法第15条第1項の規定にかかわらず、届出をもって足りることとする特例措置。
  (4) 規制の効果
 現在、バスの運行回数の増加を図る場合には、道路運送法上の事業計画の変更認可を要し、その際には道路運送法第6条の免許基準が準用され、需給調整の観点からの審査を行うこととされている。
 中心市街地に存する路線に係るバスサービスの向上を図ることを目的として行う運行回数の増加については、
      関係省庁の連携のもと、各種の支援施策をセットで集中的に行うこととしており、この結果、一定の需要の増加が期待できること
      本来需給調整の観点から行う審査において担保している利用者利便の確保、増進については、特定事業計画の内容について、基本方針への適合性、事業遂行の確実性の確認の過程において担保されることから、当該事項が記載された特定事業計画が認定された際には、需給適合性に係る個別の審査は行わないこととすることが可能となるものである。
 これにより、事業者の手続が簡素化され、より地域のニーズに対応したきめ細かなサービスの提供が促進される。
  (5) 申請者等の負担
 届出書の提出。
  (6) 他法令との整合性
 道路運送法第15条第1項
法令の制定に伴う許認可等の増減
(行政監察局の統一的把握の基準による)
     4件(運輸省専管事項は1件)
(内訳)
 −農水省、通産省、運輸省、郵政省共管−
  ・特定事業計画の認定(第16条第4項)
  ・特定事業計画の変更の認定(第17条第1項)
  ・報告の徴収(第36条)
 −運輸省専管−
  ・一般乗合旅客自動車運送事業者の事業計画の変更の届出(第29条)


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