国土交通大臣 扇 千景
第2回国土交通Dayに当たりまして、一言ご挨拶申し上げます。
昨年1月に国土交通省が発足して以来、統合のメリットを活かし、無駄なくスピーディーに、また、コストダウンを図りつつ、質の高い施策を展開し、この改革が国民のためによかったといえるよう努めてまいりました。現在、小泉内閣の下で「聖域なき構造改革」が進められており、国土交通省としても、公共事業改革として、事業評価の厳格な実施、コスト改革の推進、公共工事入札適正化法の厳正な運用、一般競争入札の拡大等による競争性の向上、既存ストックの有効活用など、精一杯取り組んでおります。
少子高齢化が一層進展するなど、今後の経済社会情勢に大きな変化が見込まれますが、このようなときこそ「百年の大計」が必要と考え、去る5月「国づくりの百年デザイン」策定のため、大臣直属のタスクフォースを発足させました。4つの検討テーマごとにワーキンググループを設置して検討を進め、年度内を目途に最終報告を行う予定で、作業を進めているところです。
国土交通省は、国民の生活、国の経済社会に直結した広範な行政を担当していますが、最近では次のような問題に取り組んでおります。
経済再生のため、民間主導により緊急に都市再生を図ることが喫緊の課題となっております。このため、民間事業者を中心として迅速かつ円滑に事業を推進するための仕組みの積極的活用、マンション建替え等を強力に推進するとともに、都市再生プロジェクトの実施など、都市の魅力と国際競争力の向上に取り組んでおります。
環境対策として、地球温暖化防止に向けたCO2削減のため、低公害車の開発・普及、モーダルシフトの促進や渋滞の解消などを図るとともに、自然共生型事業への転換やシックハウス対策の強化など自然と共生する国土、快適・安全な居住空間の構築、「ゴミゼロ社会」の構築を目指した建設・自動車リサイクルの促進、静脈物流体系の構築等を図っております。
本年5月・6月に日韓共催で行われましたワールドカップサッカー大会では多数の外国人が来日しましたが、その機会に、我が国の安全ですぐれた観光の魅力を訴え、外国人旅行者の増大とこれを通じた地域の活性化を図るとともに、旅行者の円滑な受入体制の整備に努めております。
また、本年7月1日には、陸運、海運、観光その他の交通ソフト行政の総合的展開を図るため、組織や業務の見直しなど、地方運輸局の改革を行ったところです。
この国土交通Dayを機に、国土交通行政への国民の皆様のより一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
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