国土交通省
 旅客運送サービスに係る内外価格差調査結果(概要)
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平成14年7月30日
<問い合わせ先>
総合政策局交通消費者行政課
(内線25522、25516)
TEL:03-5253-8111(代表)

 

  1. 調査の目的
    (1)目的
    •  我が国の物価水準が欧米諸国と比較して割高感があるとの指摘を受け、消費者が豊かさをより実感できる社会環境を実現していくことが求められている。
    •  そのような中、国民の日常生活に密接に関連している旅客運送サービスの内外価格差を把握し、今後の交通施策に反映させていくための基礎資料とする。
    •  平成6年度から実施している。

    (2)対象国(都市)及び対象モード

    •  日本(東京)、米国(ニューヨーク)、英国(ロンドン)、独国(フランクフルト)、仏国(パリ)
    •  航空、都市間鉄道、地下鉄、バス、タクシー

    (3)調査時点及び比較方法

    •  平成14年1月
    •  為替レート換算と購買力平価換算
       「為替レート換算」(平成14年1月の平均)
      1米ドル=132.66円  1英ポンド=190.02円
      1ユーロ(独・仏)=117.15円

      「購買力平価換算」(OECDによる2001年時点の購買力平価推定値)
      1米ドル=150.00円  1英ポンド=231.12円
      1ユーロ(独)=158.56円  1ユーロ(仏)=156.90円

      ※購買力平価換算とは

       日本の通貨と外国の通貨について、それぞれの通貨の購買力(購入できる商品やサービスの量)を等しくさせるレートのこと。
       例:ある商品を、日本で30,000円、米国で200ドルで購入した場合
       購買力平価は 30,000円÷200ドル=150円/ドル
       →つまり、アメリカにおいて1ドルで購入できるものを日本で購入するといくらになるのかを指している。

  2. 調査結果
    (1)為替レート比較総括表
      距離帯 日本 米国 英国 独国 仏国
    航空 普通運賃(400〜800km) 100 252 164 195 112
    最低運賃(400〜800km) 36 41 28 37 26
    都市間
    鉄道
    300〜400km 新幹線 100 130 71 56
    (混雑時)
    特急 100 184
    地下鉄 8q 100 105 190 117 80
    バス 10km 100 99 95 112 76
    タクシー 昼間 2km 100 88 101 99 98
    5km 100 64 87 77 42

    (2)購買力平価比較総括表
      距離帯 日本 米国 英国 独国 仏国
    航空 普通運賃(400〜800km) 100 285 199 264 150
    最低運賃(400〜800km) 36 46 34 50 35
    都市間
    鉄道
    300〜400km 新幹線 100 158 96 75
    (混雑時)
    特急 100 208
    地下鉄 8q 100 118 231 159 107
    バス 10km 100 113 116 151 102
    タクシー 昼間 2km 100 99 123 133 131
    5km 100 73 106 105 56

  3. コメント
    (1)モード毎の価格差の状況

    ≪為替レート≫

    【航空】  
    • 普通運賃では諸外国に比べ割安。特に米、独に対し大幅に割安。
    • 最低運賃では米に比べやや割安。英、仏に比べやや割高。独とは同水準。

    【都市間鉄道】
    • 新幹線では英(インターシティー)に比べ割安。独(ICE)、仏(TGV)に比べ割高。   
    • 在来特急では米に比べ割安。

    【地下鉄】
    • 米とは同水準。英に比べ割安。仏に比べ割高。

    【バス】  
    • 米、英とは同水準。独に比べ割安。仏に比べ割高。

    【タクシー】  
    • 2qでは米に比べ割高。英、独、仏とは同水準。
    • 5qでは諸外国に比べ割高。

    ≪購買力平価≫

    【航空】  
    • 普通運賃では諸外国に比べ大幅に割安。
    • 最低運賃では米、独に比べ割安。英、仏とは同水準。

    【都市間鉄道】  
    • 新幹線では英(インターシティー)に比べ割安。独(ICE)とは同水準、仏(TGV)に比べ割高。
    • 在来特急では米に比べ大幅に割安。

    【地下鉄】  
    • 諸外国に比べ割安。特に英に対して大幅に割安。

    【バス】  
    • 米、英、独に比べ割安。仏とは同水準。

    【タクシー】  
    • 2qでは米と同水準。英、独、仏に比べ割安。
    • 5qでは米、仏に比べ割高。英、独とは同水準。

    (2)経年変化の状況

    〜「為替レート」、「購買力平価」の経年変化は別添(3)のグラフのとおり〜 

    【航空】  
    • 米の割高の程度は縮小傾向。

    【都市間鉄道】  
    • 米、英とは割高の格差は拡大傾向。

    【地下鉄】  
    • 英の割高の程度は拡大傾向。

    【バス、タクシー】  
    • 各国との格差は縮小傾向。

    (3)経年変化グラフ(日本を100とし、100未満の場合日本が割高、100超の場合日本が割安)

    航空運賃経年変化(為替レート)
    ※米国の普通運賃は、一般にビジネスなどで使われる、エコノミー(Y以外)を対象。

    都市間鉄道運賃経年変化(為替レート)
    ※英国は特急の高速化により、新幹線運賃との比較に変更。(従来は普通特急と比較)

    地下鉄運賃経年変化(為替レート)

    バス運賃経年変化(為替レート)

    タクシー運賃:2q経年変化(為替レート)
    ※仏国は、運賃制度が変更(最低運賃制度:概ね5qまで一律運賃)。

    タクシー運賃:5q経年変化(為替レート)

    航空運賃経年変化(購買力平価)

    都市間鉄道運賃経年変化(購買力平価)

    地下鉄運賃経年変化(購買力平価)

    バス運賃経年変化(購買力平価)

    タクシー運賃:2q経年変化(購買力平価)

    タクシー運賃:5q経年変化(購買力平価)


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