国土交通省
 「一般家庭・教育分野におけるGISアプリケーション開発
 事業」開発テーマの採択結果の発表について

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平成14年11月14日

(平成14年12月27日変更)

<問い合わせ先>

国土計画局総務課国土情報整備室

(内線29222)

電話:03-5253-8111(代表)


 

 国土交通省国土計画局において、地理情報システム(以下、GIS)の普及と利活用推進を目的として広く一般に無償提供するGISアプリケーション開発を行うための企画提案の募集を行ったところ、65件の応募がありました。
 この中から学識経験者等で構成される「審査委員会(委員長:高阪宏行 日本大学文理学部教授)」における厳正な審査の結果、以下の10件(※)の企画が開発テーマとして採択されましたので、公表致します。
 今後は、各提案企業等による開発を進め、完成したアプリケーションについては国土交通省のホームページより無償配付する予定です。

  1. 採択結果(受付順)
    (1)一般家庭分野【採択理由は別紙1参照
    提案企画名 提案者(代表)
    地図連動型電子日記システム「e-日記」 株式会社ジャスミンソフト
    ウォーキング・ジョギングの友 朝日航洋株式会社
    自分の足跡記録マップ(自分旅行史) 東亜コンサルタント株式会社
    立体模型用型紙作成アプリケーション NECソフト株式会社
    道路情報による地域コミュニケーション・システム 社団法人日本リサーチ総合研究所
    母と子のためのお野菜どこどこマップ 株式会社 パスコ
    デジタルアルバム(整理箱) 沖電気工業株式会社

    (2)教育分野【採択理由は別紙1参照】
    提案企画名 提案者(代表)
    地理から眺める歴史−邪馬台国の所在地はなぜ特定出来ないのか 株式会社エヌ・シー・エム
    GISアドベンチャー ESRIジャパン株式会社
    小学生向け地域密着型コンテンツ開発 株式会社リョーイン

    ※1社採択辞退の申し出(教育部門)により、採択件数を変更(平成14年12月27日)。

  2. 委員長講評【別紙2参照

  3. 委員名簿【別紙3参照

    以上


(別紙1)

採択理由

(1)一般家庭分野(受付順)
提案企画名 提案者(代表) 主な選考理由
地図連動型電子日記システム「e-日記」 株式会社ジャスミンソフト 「電子日記」として日常的な利用を想定しており、誰でも手軽に利用できるGPS携帯電話を利用することで拡張性が大きい。
ウォーキング・ジョギングの友 朝日航洋株式会社 GISの機能である経路探索機能を活用し、単なる距離計測に留まらずカロリー計算なども付加することで、GISの日常での新しい利用シーンを提案している。
自分の足跡記録マップ(自分旅行史) 東亜コンサルタント株式会社 「自分史」という今注目の分かり易いテーマを対象としている。カード型データベースにGISを組み合わせることで、GISのもつ空間的な記録の有効性を発揮できる提案である。
立体模型用型紙作成アプリケーション NECソフト株式会社 立体を平面に描いた地図から簡易に立体模型(の型紙)を作り出すことができる、趣味的利用に留まらず教育的効果も期待できる提案である。模型地図という実体のあるモノを作るのがユニークな提案である。
道路情報による地域コミュニケーション・システム 社団法人日本リサーチ総合研究所 GPS携帯電話を利用して道路情報を交換する地域コミュニケーションの構築方法においてユニークな提案である。道路情報のみならず、様々な情報に応用が可能であり、拡張性が極めて大きい提案である。
母と子のためのお野菜どこどこマップ 株式会社パスコ 地図上に「野菜のお買い物」という日常的な生活シーンを簡易に表示することで、産地、健康をキーワードにGISを介したコミュニケーションの有効性を示唆する提案である。教育的利用も見込まれる。
デジタルアルバム(整理箱) 沖電気工業 株式会社 一般家庭への普及が著しいデジタルカメラを対象に、静止画、動画の空間的な整理というGISの利用シーンを提案している。さらに時間的な整理も可能で、一般家庭の日常でのGISの有効性を示している。

(2)教育分野(受付順)
提案企画名 提案者(代表) 主な選考理由
地理から眺める歴史−邪馬台国の所在地はなぜ特定出来ないのか 株式会社エヌ・シー・エム 「邪馬台国」という一般国民への話題性のあるテーマを取り上げている。また、自分の推論を検証するという機能が優れており、GISによる空間的な検証の有効性を提案している。
GISアドベンチャー ESRIジャパン株式会社 アプリケーション開発に加えて、教室現場での利用を想定したワークブックやマニュアル等の作成が充実している。教材として優れているとともに、ゲームとクイズによってGISの可能性を示唆する提案である。
小学生向け地域密着型コンテンツ開発 株式会社リョーイン 時間の概念を扱える時系列GISにより、環境、生物といった地域情報を蓄積し、生徒間交流など高い教育的効果が発揮可能な提案である。


(別紙2)

委員長講評 (高阪宏行 日本大学文理学部教授)

 本公募事業に対して、65件にも及ぶ多数の企画が提案されました。提案された企画は、多種多様なテーマに及び、審査委員会でも甲乙付け難いものが多く、審査は難航しました。
 全体を通して特徴的であったのは、地図上に様々な情報を書き込むGIS機能を活用した提案が多かった点です。人々が様々な情報を整理・認識するにあたって、地図という空間的な整理体系を用いることが極めて有効であることが再認識されました。一方、GISの普及のハードルとして「GISでは地図データが高額である」と言われてきましたが、今回、国や自治体等が整備した無償又は安価な地図データをもとにした提案が多く集まったことから、今後こうしたアプリケーションが多数開発され、普及のきっかけとなることが期待されます。
 今回、審査にあたっては「普及の促進、ニーズの適合度」、「提案力、創意工夫」、「操作性」、「データ入手の容易性」等の審査ポイントをもとに、各審査委員が総合的に判断して結果を持ち寄り、審査委員会の場で合議によって上記11提案が採択されました。採択された企画は、新しいGISの利用シーンを提案していたり、話題性のあるテーマを選択していたり、現場のニーズに合致していたりといった点が、他の企画より優れていました。
 今回は「一般家庭や教育の場面でのGISの普及」が目的となっているので、GISの技術水準が高度であるか否かは審査ポイントとしてはあまり考慮していません。技術的に優れている提案は多々ありましたが、「一般家庭や普通の学校での利用シーンが想定できるか」を基準に審査しました。
 また、Web−GISの提案も多数含まれていましたが、運用環境構築の簡便性という観点から、全てをパソコンのローカル環境で利用できるという点を重視して審査を行いました。
 今回の採択企画が、今後GISの一層の普及が期待される一般家庭分野、教育分野におけるGISの利活用推進に向けて、夢があって、親しみやすいアプリケーションとして完成し、開発されたアプリケーションが広く一般の方々に利用されることを期待しております。


(別紙3)

委員名簿

委員長 高阪 宏行 日本大学文理学部地理学科教授
委員 伊藤 公紘 財団法人コンピュータ教育開発センター(CEC)常務理事
  今井 修 国土空間データ基盤推進協議会(NSDIPA)事務局長
  大澤 裕 埼玉大学工学部情報システム工学科教授
  福井 弘枝 日経BP社 日経ネットナビ副編集長
  松浦 隆康 国土交通省大臣官房審議官(国土計画局担当)
   

(敬称略、50音順)

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