国土交通省
 「第一回海岸侵食対策と利水ダムの機能の維持・回復の
 ための土砂管理対策検討委員会」議事概要について
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平成14年3月29日

農林水産省
経済産業省
国土交通省

<問い合わせ先>

河川局海岸室 

(内線36322)

港湾局海岸・防災課

(内線46735)

TEL:03-5253-8111(代表)


 

  1. 概要
     平成14年3月26日(火)10:00〜12:00に、虎ノ門パストラル5階「マグノリア」において、「第一回海岸侵食対策と利水ダムの機能の維持・回復のための土砂管理対策検討委員会(委員長:辻本 哲郎 名古屋大学教授)」が開催されたので、その概要を報告する。

    出席者:辻本委員、佐藤委員、角委員、藤田委員、関係省庁他

  2. 議題
     1)委員会の設立について
     2)土砂問題の現状と土砂管理の取り組みについて
     3)土砂管理対策の検討の内容と進め方について

  3. 議事概要
     各議題の説明内容と委員の主な意見は以下のとおり。

    1)研究会の設置目的について
     本研究会の設立趣意について説明を行い、了承された。

    2)土砂問題の現状と土砂管理の取り組みについて
     土砂問題の現状と土砂管理の取り組みを、関係するデータを示しながら説明した。委員の主な意見は以下のとおり。

    • 本調査の実施にあたっては、広域的・長期的視点に立つことが重要であり関係する行政が連携していくことが必要。
        
    • 漂砂の予測技術等の精度はまだ低いが、海岸の砂浜をどの程度確保するかといった目標を明確化し、施策のシナリオを立て、モニタリングを行い、問題があれば施策にフィードバックをかける等、試行錯誤を繰り返しながら進めて行くことが必要。
        
    • 利水ダムの一つである発電ダムに土砂が堆積することにより、揚水発電所において、下池の堆砂により取放水口が将来的に埋没することが懸念されているところがある。また、貯水池式、調整池式の発電所では、有効容量の減少による発電電力量に影響が生じる場合がある。
        
    • 本調査を効果的に進めるためには、海岸にとって必要な土砂の量、質を明確にすることが必要。
        
    • 土砂の流れをできるだけ自然の流れに近づけるという点について、タイムスパンをどのくらいで設定するのかが重要。

    3)土砂管理対策の検討の内容と進め方について
     本委員会における、土砂管理対策の検討の内容と進め方について、事務局から提案を行った。また、モデル流域・海岸を『天竜川とその河口周辺』とすることで了承された。委員の主な意見は以下のとおり。
    • 河川、海岸において目標とする姿を明確にし、これらを達成するために必要な土砂移動に関する予測手法の精度の向上について検討が必要。
        
    • モデル流域・海岸における最適な土砂管理対策を選定するよりも、全国的にも活用可能となるような、様々な土砂管理対策の中からベターなものを拾い上げていくための評価方法、評価手法について検討すべき。
        
    • 利水ダムにおける問題点、河道における問題点、海岸における問題点をそれぞれ整理し、それらを総合的に議論していくことが重要。
        
    • 海岸侵食の要因は様々なものが考えられ、その全体像やそれぞれの要因の影響度合をつかむことは難しい課題であるものの、土砂問題を検討する上で非常に重要。
        
    • 同じ掃流力でも土砂の粒径により挙動が異なる。土砂収支の現状について、量だけでなくどのような粒径分布なのかといった質を含めた整理が必要。
        
    • 土砂問題については、数百年の長いタームでも検討が必要。
        
    • ダムからの土砂供給方法も、浚渫土砂をダムの直下に置く方法や下流の河口に置く方法等、様々なシナリオについて検討が必要。
        
    • 利水ダムの堆砂により貯水容量が減りダムの機能が損なわれるという問題についても掘り下げて検討すべき。

  4. 今後のスケジュール
     平成14年6月〜7月を目途に第2回委員会を開催する予定。

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