国土交通省
 「インターネットアクセスの円滑化に向けた新築共同住宅情
 報化標準」の策定について
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平成14年3月15日
<問い合わせ先>

住宅局住宅生産課

(内線39428)
TEL:03-5253-8111(代表)

 

  1. 背景
    ○情報通信技術の活用を通じて進む急激かつ大幅な社会経済構造の変化に的確に対応するために、高度情報通信ネットワーク社会の形成に向けた取り組みが政府を挙げて進められている。

    ○このような状況の下で、住宅整備の観点からは、特に都市部を中心として居住者が増加している共同住宅における高速・超高速インターネットアクセスの円滑化を図ることが重要な課題となっているところ。

    ○共同住宅の情報化に際しては、多様な主体が様々な局面で関わることから、共同住宅の建設・供給に関わる関係者が共通に配慮すべき事項を明確にすることが必要。

    ○このため、国土交通省として、情報化社会に対応した住宅政策を推進する観点から、共同住宅における高速・超高速インターネットアクセスの円滑化を目的として、総務省及び経済産業省の協力の下に、新築共同住宅の情報化に際しての基本的な考え方を、「インターネットアクセスの円滑化に向けた新築共同住宅情報化標準」として別紙のとおり策定。

    ○策定にあたっては、委託に基づき(財)ベターリビングに設置した住宅IT化標準策定調査委員会(委員長:松下温慶応大学教授)における検討を踏まえた。

    ○本日付けで都道府県、政令市、都市基盤整備公団、住宅金融公庫、その他関連団体等あてに本標準の策定について通知。

  2. 内容
    ○目的
     情報化社会の基盤整備に資するため、インターネットによる新築共同住宅の情報化に際しての基本的考え方を示すことにより、共同住宅における高速・超高速インターネットアクセスの円滑化を図ることを目的とし、「共同住宅の特性を踏まえた対応」「技術進歩への追随性」「計画・整備・管理を通じて一貫した考え方」「最終ユーザーの理解のための情報開示」の観点から、共同住宅の建設・供給に関わる関係者が情報化に際して共通に配慮すべき事項を提示。

    ○適用範囲
     分譲及び賃貸の新築共同住宅において、常時接続による高速・超高速インターネットアクセス環境を享受できるよう、住棟内ネットワーク配線を通じた接続環境を住棟あるいは団地単位で整備する場合を対象。
     なお、この標準は、新築共同住宅の情報化に際しての基本的な考え方等を示すものであり、建築主、居住者等に対し、何らかの義務を負わせ、又は規制を課すものではない。

    ○標準
    (1)電気通信設備の仕様
     団地敷地内へのアクセスライン、住棟内ネットワーク、住戸内ネットワークを構成する機器、配線及び附属設備からなる電気通信設備は、共同住宅の建設地の情報通信基盤の整備状況を踏まえつつ、定額での常時接続の確保など利用のしやすさに配慮されたものであること。また、住棟内及び住戸内ネットワークを構成する機器等については、将来における機能更新への対応が容易なものであること。

    (2)サポート体制等
     居住者が円滑にインターネットを利用できるよう、必要なインターネット接続サービスや適切なサポート体制等が整えられたサービスが選択されていること。

    (3)管理
     安定したインターネット接続環境が維持され、さらに将来の更新が円滑に実施されるよう、日常の維持管理、セキュリティ対策、分譲住宅における適切な規約の整備、電気通信設備の仕様情報の保管に十分配慮されていること。

    (4)情報提供
     分譲住宅や賃貸住宅の契約にあたり、入居予定者が電気通信設備や提供されるサービス内容の検討ができ、また入居後のインターネット利用が円滑に進むよう、広告、契約から引渡しまでの各段階での必要な情報が提供されること。

  3. 今後の予定
    ○公団住宅等及び市街地住宅の整備に係る諸事業において本標準を活用。

    ○平成14年度においては、既存集合住宅を含めたインターネットアクセスの円滑化に向けた共同住宅情報化標準として拡充するとともに、改修のための合意形成マニュアル等を作成。

    【参考資料】

〈この件に関する問合せ先〉


【別紙】

ンターネットアクセスの円滑化に向けた新築共同住宅情報化標準

 

  1. 目的
     この標準は、情報化社会の基盤整備に資するため、インターネットによる新築共同住宅の情報化に際しての基本的考え方を示すことにより、共同住宅における高速・超高速インターネットアクセスの円滑化を図ることを目的としたものである。
     情報化関連技術の進歩は急速であり、また、共同住宅の情報化については多様な主体が様々な局面で関わることから、本標準は、情報化に関し固定的な仕様、規格等を示すのではなく、「共同住宅の特性を踏まえた対応」「技術進歩への追随性」「計画・整備・管理を通じて一貫した考え方」「最終ユーザーの理解のための情報開示」の観点から、共同住宅の建設・供給に関わる関係者が情報化に際して共通に配慮すべき事項を示したものである。
  2. 適用範囲
    (1)この標準は、分譲及び賃貸の新築共同住宅を対象とする。

    (2)この標準は、常時接続による高速・超高速インターネットアクセス環境を享受できるよう、住棟内ネットワーク配線を通じた接続環境を住棟あるいは団地単位で整備する場合を対象とする。

    (3)この標準は、新築共同住宅の情報化に際しての基本的な考え方等を示すものであり、建築主、居住者等に対し、何らかの義務を負わせ、又は規制を課すものではない。

    (4)この標準は、情報化技術の進歩に合わせ随時見直すものとする。

  3. 標準
    (1)電気通信設備の仕様
     団地敷地内へのアクセスライン、住棟内ネットワーク、住戸内ネットワークを構成する機器、配線及び附属設備からなる電気通信設備は、共同住宅の建設地の情報通信基盤の整備状況を踏まえつつ、定額での常時接続の確保など利用のしやすさに配慮されたものであること。また、住棟内及び住戸内ネットワークを構成する機器等については、将来における機能更新への対応が容易なものであること。
    1アクセスライン
     アクセスラインは、常時接続を定額で可能とするものであること。また、住戸数に応じ、一住戸あたりの帯域が十分に確保されるよう配慮されていること。
    2住棟内ネットワーク機器
     住棟内ネットワークは、将来における超高速・大容量化に備えて、余裕を持った方式、機器が選択されるとともに、設置スペースは機器の更新が可能であるよう配慮されていること。
    3住棟内ネットワーク配線等
     住棟内ネットワークを構成する共用配線等は、将来における超高速・大容量化に備えて、余裕を持ったものが選択されるとともに、より高度なシステムへの更新が可能であるよう配慮されていること。
    4住戸内ネットワーク
     住戸内ネットワークは、住戸タイプに応じて想定される世帯構成を踏まえ、一人一台のコンピュータ利用に配慮して、ネットワーク接続端子が主な居室全てに設置されていること。

    (2)サポート体制等
     居住者が円滑にインターネットを利用できるよう、必要なインターネット接続サービスや適切なサポート体制等が整えられたサービスが選択されていること。

    1インターネット接続サービス
     定額料金の中でのサービスをできる限り充実させるとともに、居住者の要望に応じてサービス内容を追加するオプションサービスが用意され、その料金体系が明確にされていること。
    2ヘルプデスク(問合せ窓口)
     インターネットサービスに関して、居住者が相談しやすいようヘルプデスク(問合せ窓口)が設置されていること。この場合、夜間利用・休日利用が多いこと等に配慮した十分な体制を整備することが望ましい。

    (3)管理
     安定したインターネット接続環境が維持され、さらに将来の更新が円滑に実施されるよう、日常の維持管理、セキュリティ対策、分譲住宅における適切な規約の整備、電気通信設備の仕様情報の保管に十分配慮されていること。

    1ネットワーク機器の設置環境
     ネットワーク機器は、安定して稼動できる環境に設置されていること。また、管理者以外の者によって安易に触れられることがないよう配慮されていること。
    2システムの保守管理
     ネットワークが正常に稼動し、インターネット接続環境が保持されるよう、ネットワーク機器をはじめネットワーク全体の定期的な保守管理が行われる体制が整備されていること。
    3情報のセキュリティ
     ユーザー情報の漏洩や破壊、外部からの不正侵入によるネットワークの機能不全等の被害を防止するため、十分なセキュリティ対策が施されていること。
    4分譲住宅の規約
     分譲住宅においては、電気通信設備が共用部分に設置されること、あるいは共用部分となることを踏まえ、規約の内容は、日常の維持管理や、将来の電気通信事業者の変更等に配慮されていること。
    5電気通信設備の仕様情報の保管
    将来における機能更新に備え、配線系統図等の電気通信設備の仕様情報が適切に保管されるよう配慮されていること。

    (4)情報提供
     分譲住宅や賃貸住宅の契約にあたり、入居予定者が電気通信設備や提供されるサービス内容の検討ができ、また入居後のインターネット利用が円滑に進むよう、広告、契約から引渡しまでの各段階での必要な情報が提供されること。

    1 基本的な情報の提示
     住宅供給の各段階において、必要な情報が提供されること。その際、情報内容については初心者等にわかり易いよう配慮されていること。

    広告段階
    a.  アクセスラインの帯域保証の有無、最大伝送速度(アクセスラインの帯域を居住者で分け合う場合、世帯数等の使用条件があわせて明示されること。)
    b.  住棟内ネットワーク方式及び最大伝送速度
    c.  料金体系(定額料金の中でのサービス内容、追加料金により利用できるオプションサービスの内容等を明示すること)と料金の徴収方法

    契約段階
     a から c に加え
    d.  アクセスラインの種類及び電気通信事業者名、インターネット接続サービスを行う電気通信事業者名
    e.  住棟内及び住戸内ネットワークに係る電気通信設備の拡張性について配慮した事項(分譲住宅の場合)
    f.  電気通信設備のセキュリティ対策の内容

    入居説明、引渡し段階
     a から f に加え
    g.  インターネット接続サービスを利用するまでの手続き
    h.  ヘルプデスク(問合せ窓口)の連絡先等
    i.  ネットワーク機器の仕様

    2その他
     契約から引渡しまでに、技術の進歩等により電気通信設備の仕様等が変更される可能性がある場合、契約段階で変更の可能性のある旨が可能な限り明示されていること。また、変更された場合は入居説明、引渡し段階において、変更箇所とその内容についての情報が提供されること。

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