国土交通省
 スケルトン・インフィル住宅(SI住宅)の
 普及促進に向けた環境整備
 
−SI住宅に係る登記上の取扱いを明確化−
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平成14年12月20日
<問い合わせ先>

(制度関係)

住宅局住宅生産課

(内線39414)

TEL:03-5253-8111(代表)

(SI住宅一般関係)

国土技術政策総合研究所
住宅研究部住宅計画研究室
TEL:0298-64-4228

 

 国土交通省では、世代を超え利用可能な「100年住宅」の普及を主要施策と位置付け、その主要方策の一つとしてのSI住宅の開発・普及に取り組んでいるところであり、国土技術政策総合研究所・独立行政法人建築研究所の研究の成果をふまえ、今般、法務省の協力を得て、下記のとおり取り扱うことが可能となりましたので、お知らせします。

※SI住宅
 建物のスケルトン(柱・梁・床等の構造くたい躯体)とインフィル(住戸内の内装・設備等)とを分離した工法による共同住宅。スケルトンは長期間の耐久性を重視し、インフィル部分は住まい手の多様なニーズに応えて自由に変えられる可変性を重視して造られるもの。

SI住宅のイメージ

【措置の内容】

  1. スケルトン状態の住戸(インフィルが未完成の住戸)を含む共同住宅について
     SI住宅に係る環境整備の一方策として、建築基準法上の仮使用承認制度の適切な活用及び消防法の運用の弾力化等を従来より図ってきたところであり、これにより、内装・設備が完成した住戸から順次建築基準法・消防法の検査等を経て使用することができることとなり、建物としての使用が可能となった。これにより、登記手続き上も、スケルトン状態の住戸を含む共同住宅全体について建物性の認定が可能な状態となった。

  2. スケルトン状態の住戸について
     スケルトン状態の住戸の用途性の確認ができないため、建物の種類を認定することが困難であったことから、今般、登記申請書の添付資料としてその認定資料(下記参照)を整備するとともに、その場合の登記の取扱いを措置した。

    (今回の措置)

    • スケルトン+インフィル完成の住戸は「居宅」として登記
    • スケルトン状態の住戸は「居宅(未内装)」として登記可能

     スケルトン状態の住戸を含む共同住宅の一棟の建物について建物表示登記の申請ができることとし、その場合、インフィルが未完成の住戸については、建物自体の構造、他の住戸部分等を含む建物全体の現況及び添付書類等により、スケルトン状態の住戸であることが認定できれば、「居宅(未内装)」として表示登記できることとする。

    (認定資料)

    • 建築確認申請書・同通知書(スケルトン状態を含む区分建物の用途の記載があるもの)
    • 仮使用承認申請書(インフィルが完了した住戸についてのものであるが、スケルトン状態の住戸についてもその用途の記載があるもの)
    • 仮使用承認通知書(スケルトン状態以外の住戸について、仮使用することを承認した旨の記載があるもの)
    • 工事完了引渡証明書(スケルトン状態の住戸(専用部分)の記載があるもの)

【参考】
 SI住宅に係る環境整備の一方策として、建築基準法上の仮使用承認制度の適切な活用及び消防法の運用の弾力化等を従来より図ってきたところであり、これにより、内装設備が完成した住戸から順次建築基準法・消防法の検査等を経て使用することができることとなり、建物としての使用が可能となったことから、登記手続き上も、スケルトン状態の住戸を含む共同住宅全体について建物性の認定が可能な状態となった。
 しかし、スケルトン状態の住戸部分については、その外形上、用途を「住宅」(登記上は「居宅」)と客観的に確認するのが困難であり、建物の種類(居宅)が認定できないことから、その住戸部分の表示登記ができず、また、登記法上、区分建物の表示登記は一棟全体の住戸について同時に行うこととされているため、一棟の中にスケルトン状態の住戸を含む共同住宅については、事実上、一棟全体の表示登記が行えないこととなっていた。

注: 表示登記が行えなければ、保存登記・移転登記・抵当権設定登記等も行えず、したがって所有権等の権利を保護することも、建物を担保として融資をうけることも不可能。

 このため、

 といった問題により、SI住宅のメリットが発揮できない可能性があったところ。

 しかしながら、以上の措置により、スケルトン状態の住戸についてもインフィル工事を急がず完成時期をずらすことが可能となり、住まい手のニーズに応じた間取り・内装の自由な設計を実現しやすくなるといった、SI住宅のメリットが十分発揮されることが期待される。

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