平成14年8月30日 |
<問い合わせ先> |
自動車交通局旅客課 |
(内線41232)
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TEL:03-5253-8111(代表) |
平成13年度は、輸送人員及び収入について引き続き減少傾向にあるものの、その減少率は前年度と比べ緩やかなものとなり、さらに、人件費をはじめとする費用の抑制が寄与したことにより、全体の赤字額が54億円改善され、経常収支率が0.2ポイント改善した。 |
- 収支状況について
平成13年度の調査対象事業者全体の経常収支は、収入面で、収入全体の減少率が対前年度2.7%(前年度減少率3.5%)と緩やかなものとなり、さらに、支出面で、原価の約7割を占める人件費が、分社等による合理化・効率化などに伴う従業員数の減少及び平均給与の抑制により前年度と比べ4.7%減少(前年度減少率6.5%)したことが大きく寄与し、支出全体で前年度と比べ 3.0%の減少(前年度減少率4.2%)となった。
また、調査対象事業者全体における黒字事業者が60者(前年度47者)、黒字事業者率が24.6%(前年度20.6%)と増加。黒字事業者の黒字総額は前年度より26億円減少し95億円となったものの、赤字事業者の赤字総額は、80億円減少し1,076億円となった。
この結果、全体の赤字額が54億円改善され981億円(1,000億円未満となったのは平成5年度以来8年ぶり)となり、経常収支率も89.7%(前年度89.5%)と前年度より 0.2ポイント改善した。
- 民営バスの経常収支について
- 収入額 6,377億円〜対前年度減少率1.8%(12年度:6,496億円〜対11年度減少率3.8%)
- 支出額 6,759億円〜対前年度減少率2.0%(12年度:6,894億円〜対11年度減少率4.9%)
- 黒字事業者 民営事業者212者中60者
- 全体の赤字額 382億円〜前年度と比べ16億円改善(12年度:398億円〜11年度と比べ98億円改善)
- 経常収支率 94.4%〜前年度と比べ0.2ポイント改善(12年度:94.2%〜11年度と比べ1.0ポイント改善)
- 公営バスの経常収支について
- 収入額 2,184億円〜対前年度減少率5.2%(12年度:2,304億円〜対11年度減少率2.7%)
- 支出額 2,783億円〜対前年度減少率5.4%(12年度:2,941億円〜対11年度減少率2.6%)
- 黒字事業者 なし
- 全体の赤字額 599億円〜前年度と比べ38億円改善(12年度:637億円〜11年度と比べ13億円改善)
- 経常収支率 78.5%〜前年度と比べ0.2ポイント改善(12年度:78.3%〜11年度と比べ0.2ポイント悪化)
- 輸送人員について
平成13年度の輸送人員は、民営バスで対前年度比 1.7%の減少(前年度2.7%減)、公営バスで対前年度比 5.0%の減少(前年度3.3%減)、乗合バス全体として、対前年度比2.6%の減少(前年度2.9%減)と前年度と比べ緩やかなものとなっている。
これは、景気低迷の影響による企業の雇用調整と週休2日制の普及による通勤定期利用者の減少、学生数の減少による通学定期利用者の減少、買物利用客等の減少等の傾向の中、各バス事業者において、100円運賃の設定、高齢者向け定期券、環境定期券の実施等、バスをより便利にし、少しでも利用客を増やそうと様々な創意工夫のサービスを提供していることが主な要因であると考えられる。
(参考)
[都市バスの活性化対策]
- (1)
- 都市部における乗合バスは、モータリゼーションの著しい進展とともに慢性化する道路混雑等による走行環境の悪化に伴い、定時運行の確保が難しくなっていることもあり、輸送人員は減少を続けている。しかし、バス交通は国民にとって最も身近な交通手段であり、また、環境保全、省エネルギー、交通混雑の緩和等を推進していくうえで有効なものであるため、その復権を図っていく必要がある。
- (2)
- このため、バスレーンの拡充、交差点での優先信号の改善、バスベイの設置、バス停の改善、バスレーンのカラー舗装化、バスロケーションシステムの導入等について、都道府県警察、道路管理者、地方公共団体等関係者と連携をとりながらその設置を働きかけ、走行環境の改善を進めることが重要であり、平成4年からこれらの関係者と定期的に協議を行う場として都道府県単位にバス活性化委員会を設置し、地域ごとに具体的な走行環境の改善方策について検討が行われている。
- (3)
- また、平成13年度から「快適で環境にやさしい都市交通」の実現を目指し、関係機関とともにTDM(交通需要マネジメント)実証実験を行って自動車交通を調整する都市で、公共交通のサービス水準向上、環境自動車の計画的導入、都市内物流の効率化等の実験事業に助成(平成14年度予算額6億80百万円)を行っている。
- (4)
- バス利用促進等のための財政支援としては、バスを活用した総合的なまちづくり構想であるオムニバスタウン整備総合対策事業、
パークアンドバスライドシステム、コミュニティーバス等の交通システム対策事業、ノンステップバス、カードシステムの導入等の個別対策事業等について、バス利用促進等総合対策補助制度(平成14年度予算額17億40百万円)により、関係地方公共団体と協調してバス事業者等の取り組みに対して所要の助成を行っているところである。
- (5)
- この他、平成14年度においては、国内外のバス活性化事例について分析・評価を加えデータベース化し、事業者・地方公共団体等に広く情報を提供することとしているところである(平成14年度予算額35百万円)。
[低公害バスの普及促進]
- (1)
- 改正自動車NOx法が成立するなど、自動車に起因する環境問題に対する取組みは着実に進められているところであるが、大都市部における大気汚染問題は依然として厳しい状況にあり、その解決を図る必要がある。
- (2)
- 国土交通省では、自動車NOx・PM法の対策地域におけるバス事業者等を対象として、関係地方公共団体と協調して、低公害車両(CNGバス、ハイブリッドバス)の購入費の一部補助並びにディーゼル微粒子除去装置(DPF)等の装着に係る経費の一部補助を実施(低公害車普及促進対策費補助金:平成14年度予算額27億1百万円の内数)し、低公害バスの普及の促進を図っているところである。
[バリアフリー対策]
- (1)
- 本格的な高齢者社会の到来等に対応し、高齢者、身体障害者等が公共交通機関を円滑に利用できるようにするためには、バス利用の容易化、バスと鉄道の乗継抵抗の軽減等、バス事業のバリアフリー化を図る必要がある。
- (2)
- 国土交通省では、平成12年度に創設した公共交通移動円滑化事業により、鉄道駅のバリアフリー化と一体的に行われるノンステップバスの導入や乗継等情報提供システムの整備等について、経費の一部を助成するほか、車両価格の低減による普及の促進を図るため、次世代普及型ノンステップバス等福祉車両の標準仕様を策定しているところである(公共交通移動円滑化事業等平成14年度予算額15億38百万円)。
[地方バス路線の維持対策]
- 地方バスについては、過疎化の進行、マイカーの大幅な普及等により利用者の減少が続いているが、地元住民の生活にとって不可欠な公共交通機関であることから、乗合バス事業者に対し、フリー乗降制の導入やサービスの多様化による利用者の確保等自主的な経営努力を指導するとともに、都道府県が事業者に対して補助を行った場合に、国は都道府県に対し所要の補助を行うこととしている。
なお、平成13年度から国と地方の適切な役割分担のもとに、生活交通の確保を図る新しい補助制度を創設したところであり、当該制度のもとで、都道府県、市町村との密接な連携を図ることにより、地域が必要とする生活交通の確保に努めていくこととしており、平成14年度予算においては、73億18百万円の国庫補助金が計上されている。
[100円運賃の設定](通称 ワンコインバス)
- 鉄道駅から1qなどの近距離区間で運賃を100円に引き下げ、割安感とワンコインの便利さによりバスの利便性と利用者増を図ろうとするもので、平成14年4月1日現在、全国213の地域で190事業者(うち公営事業者11者)が実施している。
[高齢者向け定期券の実施](通称 シルバー定期券)
- 65歳又は70歳以上の高齢者を対象として発行される低廉な全線定期券で、小銭の心配をせずに自由に乗り降りでき高齢者のバス利用促進を図るもので、平成14年4月1日現在、105事業者(うち公営事業者2者)が実施している。
[環境定期券の実施](通称 エコ定期券)
- 通勤定期券の持参人と共に乗車する同居家族について、土日祝日に大人100円、小人50円といった格安な運賃とすることにより、マイカーからバスへの転換を図り、環境保全に寄与するもので、平成14年4月1日現在、166事業者(うち公営事業者19者)が実施している。
(参考)平成13年度の一般乗合バス事業(保有車両数30両以上)の収支状況について
- 収支状況の推移
- 輸送人員の推移
- 人件費及び諸経費の収入に対する割合及び原価に占める割合の推移
- ブロック別収支状況
- 実車走行キロ当り収入・原価の推移
- ブロック別実車走行キロ当たりの収入・原価
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