国土交通省
 第1回「海辺の自然学校研究会」の開催結果について
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平成14年7月15日
<問い合わせ先>
港湾局環境技術課
  環境整備計画室

(内線46652、46685、46684)

TEL:03-5253-8111(代表)

 

  1. 研究会の目的
     貴重な海辺の空間を良好な状態で次世代に継承していくため、「人と海辺の関わり方を再検討」し、「人と自然が共生した新たな海辺の文化を創造」し、「多様な主体の協働による海辺づくり」を進めていくことを目的として平成14年6月25日に設置・開催(第1回)した「新たな海辺の文化の創造研究会」の下に三つの研究会を設置することとしており、その一つの『海辺の自然学校研究会』が去る平成14年7月12日(金)に開催されました。
     当研究会は、潜在的ニーズが大きい海辺における自然体験活動や環境教育活動の拠点となる自然学校について、自然学校づくり、運営システム、指導者養成システム等に関する総合的な研究を行う目的で設置したもので、千葉県館山市及び茨城県大洗町をケーススタディとして検討することとしています。

  2. 研究会メンバー

    (敬称略)

    座長   岡島 成行   大妻女子大学教授(家政学部ライフデザイン学科)
    副座長   近藤 健雄   日本大学教授(理工学部海洋建築工学科)
    委員   小谷 隆亮   大洗町長
      勝海 務   館山市助役
    浅井 信 館山市観光協会 観光プロデューサー
    辰野 正弘 NPO法人 たてやま・海辺のまちづくり塾 理事長
    三瓶 雅延 沖ノ島サンゴを見守る会 代表
    ジャックT・
    モイヤー
    海洋生態学者、
    NPO法人 ジャック・モイヤーズ オーシャンアカデミー(申請中) 代表
    川嶋 直 社団法人日本環境教育フォーラム 理事
    佐藤 初雄 NPO法人 自然体験活動推進協議会 副代表理事
    中根 裕 (株)ツーリズム・マーケティング研究所 主席研究員
    関係行政機関 岩瀧 清治 国土交通省港湾局環境整備計画室長
    難波 喬司 国土交通省港湾局海岸・防災課海岸企画官
    坂巻 健太 国土交通省総合政策局観光部旅行振興課総括課長補佐
    小池 剛 国土交通省河川局砂防部保全課海岸室海洋開発官
    下村 善量 文部科学省スポーツ・青少年局青少年課青少年体験活動推進専門官
    後藤 乙夫 環境省自然環境局総務課自然ふれあい推進室室長補佐

  3. 研究内容
    1海辺の自然学校づくり
     子供たちの自然体験・自然学習活動の推進、健康の増進、レジャーやスポーツ振興等海辺で行われる自然体験等の活動に関する拠点として、「海辺の自然学校」づくりを地方公共団体、港湾管理者、海岸管理者、地域住民、NPO等と協力して進める。
     その第1段階として、海辺の自然学校づくりを支援するため、平成14年度に「海辺の自然学校づくりモデル地区」を選定し、海辺の自然学校づくりに関するコンセプトの構築、学習プログラム等について検討を行う。
    • 自然学校の実態把握
    • 自然学校の標準的な学習プログラムの検討
    • 海辺の自然学校に特有の視点の整理
    • コンセプトの整理
    • 海辺の自然学校の学習プログラムの提案
    • 経営安定化方策の検討(観光業界との連携)   等

    2海辺の自然学校ネットワーク
     「海辺の自然学校」づくりを進めようとするNPO等を支援するため、「海辺の自然学校ネットワーク」を立ち上げ、NPO間の情報交換や子供達等の「海辺の自然学校」のイベントや体験プログラムへの参加者への情報提供についての検討を行う。

    • 自然学校への参加者の実態把握
    • ネットワークのコンセプト
    • ネットワークの構築    等

    3指導者養成等
     海辺の自然体験や環境学習の指導者の養成を行う。このため、自然体験活動推進協議会等の指導者養成プログラムをベースとし、さらに、海辺の遊びや自然体験、環境学習といった海固有の視点での特別養成プログラム開発について検討する。
     また、「海辺の自然学校」のマーケットを拡大し経営の安定を図ることは、自然学校の整備に不可欠の要素であることから、教育委員会や小中学校と連携し「総合学習」の一環としての自然体験や環境学習の場としての「海の自然学校」の利用の拡大を図るための具体的な連携方策や学習プログラム案の検討を行う。
     さらに、自然学校経営者セミナーの開催等の経営者サポートシステムづくりについても併せて検討する。

    • 指導者養成の実態把握
    • 海の視点の整理
    • 海の自然学校指導者養成標準プログラムの検討
    • 指導者養成機関のあり方
    • 教育委員会や小中学校との連携のための学習プログラムの提案
    • 安全対策    等

  4. 第1回研究会の開催結果
    (1)開催日時
     平成14年7月12日 10:30〜13:00

    (2)開催場所
     東京都千代田区霞ヶ関 「霞山会館」

    (3)検討テーマ
     1研究会の構成と進め方
     2自然学校及び自然体験活動指導者養成の実態
     3海の視点からみた自然学校及び指導者養成の課題
     4館山での試行計画の提案

    (4)議事概要
     各委員の主な発言内容及び決定事項は次のとおり。

    1. 各委員の主な発言
      •  自然体験活動への参加者は子どもと大人が多くて、中高生が少ないため、中高生が興味を持てるプログラムが必要。
      •  海での自然体験活動を検討する場合でも、山での活動など他との連携を考えることが重要。
      •  欧米諸国での自然体験活動プログラムや受入施設は、我が国より数段レベルが高い。したがって、国内の事例だけではなく、海外の事例も参考とすべき。
      •  自然体験活動リーダー及びボランティアスタッフの養成が課題。これら人材の不足により、活動が単発的であったり、内容を多様化できない状況にある。
      •  夏期以外の海の利用者は極めて少なく、通年利用の形成が課題。
      •  海での活動が陸での活動と違う点は、特に安全管理が重要ということ。したがって、綿密なプログラムと安全管理体制に基づく活動が重要。
      •  海の生態への興味や理解について、自然体験活動への参加希望者だけではなく社会全体として意識のボトムアップが必要。そのことが自然学校づくりに対する地域社会の理解と協力につながる。 等

    2. 館山市での試行について
      •  平成14年8月10日から12日までの3日間、館山市の坂田海岸及び沖ノ島等において、海洋生態学者ジャックT・モイヤー氏(本研究会委員)の協力により、地元の自然体験活動リーダーを目指す方々を対象とした自然体験活動指導者養成セミナー(10名程度)と、東京都内及び地元小学生(合計20名程度)を対象とした自然学校を試行的に実施する。

  5. 今後のスケジュール
    平成14年 8月10〜12日 館山市において海辺の自然学校の試行
            8月頃 第2回研究会
            9月頃 第3回研究会
           11月頃 第4回研究会

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