平成14年11月21日 |
内閣府(防災担当) |
農林水産省農村振興局 |
水産庁 |
国土交通省 |
<問い合わせ先> |
港湾局海岸・防災課 |
(内線46735)
|
河川局砂防部海岸室 |
(内線36322)
|
TEL:03-5253-8111(代表) |
- 要旨
内閣府と海岸省庁(国土交通省河川局及び港湾局、農林水産省、水産庁)は11月22日、「高潮・津波ハザードマップ研究会(座長:河田 惠昭 京都大学防災研究所 巨大災害研究センター長)」を設置し、同日第一回会合を開催する。東海地震等の大規模地震発生とそれに伴う大津波の襲来の切迫性が指摘されるなど、海岸防災への対応は依然として喫緊の課題である。高潮・津波被害を軽減するためには、従来からの海岸保全施設の整備とあわせ、危険度情報の住民への提供等ソフト施策による災害に対する自衛力を高めることが必要である。その一つとしてハザードマップの作成・公表が有効であるが、高潮・津波ハザードマップは普及していない状況にある。本研究会において高潮・津波ハザードマップの普及のための課題を検討し、地方自治体によるハザードマップの作成を支援するための技術的検討や高潮・津波ハザードマップ作成要領の策定を行う。
- 設置の背景及び趣旨
平成14年4月の中央防災会議において東海地震に関する地震防災対策強化地域が拡大され、さらに7月には「東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」が制定されるなど、大規模地震への対策は喫緊の課題となっている。また、平成11年の西日本における高潮被害に見られるように、高潮被害の危険性も依然として高い。
高潮・津波被害を軽減するためには、適切なハード投資により災害危険度を低減しつつ、危険度情報の提供等のソフト施策による住民の自衛を通じて、被害の最小化を図ることが重要である。特に、ソフト面の対策としては、高潮・津波による浸水予測、避難情報等を提供する「高潮ハザードマップ」「津波ハザードマップ」の作成・公表が有効である。
しかしながら、高潮・津波ハザードマップに関しては、まだまだ普及していないのが現状であり、また作成に関しての技術的な課題(外力条件、浸水条件、施設危険度の評価方法等)も存在している。
このような認識から、内閣府、海岸省庁の連携の元で「高潮・津波ハザードマップ研究会」を設置し、地方自治体による高潮・津波ハザードマップの作成を支援するための技術的検討や高潮・津波ハザードマップ作成要領の策定を行う。なお、ハザードマップ作成の効率化や海岸に関する諸情報の蓄積・活用のための海岸保全施設のデータベースの構築方策について、海岸データベース部会を設け検討する。
- 研究会の構成および概要
「高潮・津波ハザードマップ研究会(座長:河田 惠昭 京都大学防災研究所 巨大災害研究センター長)」を設置する。
これらの研究会の概要及び委員について(別紙)に示す。
- スケジュール
- 11月22日(金)13:00〜 第1回「高潮・津波ハザードマップ研究会」(於:国土交通省11F特別会議室)の開催(当研究会は報道関係者に公開する。)
- 研究会の資料及び議事概要等は後日内閣府、農林水産省及び国土交通省のホームページに公開する。
- 計3回程度開催する予定。
(別紙)
「高潮・津波ハザードマップ研究会」の概要
- 検討内容
1)ハザードマップの防災対策における役割、求められる内容
2)海岸保全施設等の効果を考慮した精度の高い浸水予測手法の開発
3)モデル地区におけるケーススタデイ(ハザードマップの試作)
4)ハザードマップによる各種情報の住民への公開方法についての検討
5)地方自治体がハザードマップを作成する際の指針となる要領の策定
6)その他
- ハード対策とソフト対策を有機的に組み合わせた効率的な防災対策のあり方
- 委員
- 座長 河田 惠昭 京都大学防災研究所 巨大災害研究センター長
- 委員 磯部 雅彦 東京大学大学院教授
- 委員 今村 文彦 東北大学工学部 災害防御研究センター教授
- 委員 片田 敏孝 群馬大学助教授
- 委員 中野 晋 徳島大学助教授
- 委員 廣井 脩 東京大学 社会情報研究所 所長
- 委員 藤吉洋一郎 NHK解説委員・大妻女子大学教授
- 委員 山田 正 中央大学教授
- その他、行政関係者(消防庁、気象庁、海上保安庁、地方自治体)が関係者として参画。
(別紙)
「海岸データベース部会」の概要
11月22日、「海岸データベース研究会(座長:今村 文彦 東北大学工学部 災害防御研究センター教授)」を「高潮・津波ハザードマップ研究会」の下に設置し、同日第一回会合を開催する。海岸保全施設等に係わる基礎的情報については統一的な管理がなされておらず、施設に関する情報管理や実態把握等のデータの利活用が行いづらい状況にある。また高潮・津波被害を軽減するため、従来からの海岸保全施設の整備等のハード対策とあわせ、ハザードマップの作成・公表等、危険度情報の住民への提供等ソフト面の対策が一層重要となっているが、これを容易とする観点からデータベースの構築が望まれている。さらに、海岸保全施設の老朽化が進展し、ライフサイクルマネジメントによる効率的な維持管理が望まれているが、データベースはその際の基礎的情報となるものである。以上を踏まえ本研究会は、ハザードマップ作成の効率化や海岸に関する諸情報の蓄積・活用、住民への情報提供のための海岸保全施設データベース構築方策について検討を行うものである。
- 検討内容
1)海岸データベースの概念設計
2)システムのスペック等
- DBを構成する検索エンジンやGISエンジン等の必要スペック
- 他DBシステムとの連携方策 等
3)システムの運用方法
- データベース運用管理手法のあり方、サーバーメンテナンスのあり方等
- 委員
- 座長 今村 文彦 東北大学工学部 災害防御研究センター 教授
- 委員 片田 敏孝 群馬大学助教授
- 委員 柴崎 亮介 東京大学空間情報科学研究センター教授
- 委員 鳥居 謙一 国土技術政策総合研究所河川研究部 海岸研究室長
- 委員 諸星 一信 国土技術政策総合研究所沿岸海洋研究部沿岸防災研究室長
- 委員 富田 孝史 独立行政法人港湾空港技術研究所高潮・津波研究室長
- 委員 丹治 肇 独立行政法人農業工学研究所 河海工水理研究室長
- 委員 中山 哲嚴 独立行政法人水産総合研究センター 水産工学研究所水理研究室長
- 今後の予定:部会を3回開催。

All Rights Reserved, Copyright (C) 2002, Ministry of Land, Infrastructure and Transport