国土交通省
 賃貸不動産管理業に関する研究会の報告について
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平成15年4月17日
<問い合わせ先>
総合政策不動産業課
不動産流通適正化推進室

(内線25123、25125)

TEL:03-5253-8111(代表)

 

1.趣旨

 住宅、事務所等賃貸不動産の仲介・斡旋等の取引及び管理については、昨今、その取り扱いを巡る紛争事案が数多く見受けられるが、賃貸不動産を取り巻く取引及び管理の形態等については、専門的な研究がなされていない実情にある。
 このため、賃貸不動産に関し、貸主と借地、借家人間の原状回復等を巡る紛争への対応、いわゆるサブリース方式による借家の管理、経営の事業のあり方、賃貸不動産管理を業として行う場合のその適正なあり方等、 様々な観点からの検討すべき課題が山積している状況にある。
 これらに鑑み、平成14年5月に、学識経験者、弁護士、関係業界団体、関係機関、国土交通省等からなる賃貸不動産管理業に関する研究会(座長:升田 純 聖心女子大学教授・弁護士)を設置し、平成15年3月までに6回の研究会を開催して、 賃貸不動産を巡る諸課題のうち、賃貸不動産管理業の適正なあり方等を明らかにすることを目的とした賃貸不動産の仲介・斡旋等の取引並びに管理の実態について調査・検討を行い、今般、その報告を取りまとめた。

.開催経緯

  第1回:平成14年5月13日
  (1) 賃貸不動産管理業の現状説明
  (2) 検討課題の整理検討

  第2回:平成14年6月24日
    管理業者からのヒアリング

  第3回:平成14年7月29日
  (1)管理業者からのヒアリング
  (2)民間賃貸住宅居住者へのアンケート結果について

  第4回:平成14年9月9日
    管理業者からのヒアリング

  第5回:平成14年12月16日
  (1)ワーキンググループ部会検討報告
  (2)管理業者登録制度の創設について
  (3)業界団体による協議会の創設について

  第6回:平成15年3月24日
  (1)ワーキンググループ部会検討報告
  (2)報告書の取りまとめについて

.報告書の骨子

  1. 賃貸不動産管理業の現状
    (1)賃貸不動産管理業の位置付け
    (2)ストック重視型社会における管理の重要性の増大
    (3)不動産証券化の促進に資する質の高い不動産管理の要請
    (4)事務所ビルの大量供給下での管理の質の確保
    (5)不動産管理業の業務の適正化に関する取り組み

  2. 賃貸不動産管理業の適正なあり方に関する検討課題

  3. 賃貸不動産管理業の適正なあり方等に関する検討結果
     (1)検討対象の整理
      契約管理業務を基幹業務として行う賃貸不動産(賃貸住宅及び賃貸ビル)管理業が検討対象

     (2)賃貸不動産管理業の社会的信頼性を確保するための取組み
      1関係業界団体等が参画する「協議会」の創設の必要性
      2協議会における検討事項

     *詳細は別紙参照

.委員等(敬称略・順不同)
研究会    
座長 升田  純 聖心女子大学教授・弁護士
  熊谷 則一 弁護士
  福井 慎治 社団法人全国宅地建物取引業協会連合会専務理事
  荒屋  茂 社団法人全国宅地建物取引業協会連合会賃貸管理委員長
  岡  宣也 社団法人不動産流通経営協会専務理事
  林  直清 社団法人全日本不動産協会不動産コンサルティング対策特別委員長
  須網  稔 財団法人日本賃貸住宅管理協会副会長
  田島 弘直 財団法人日本賃貸住宅管理協会総合研究所長
  坂本 恒男 東急リバブル株式会社賃貸事業本部開発営業統括部長
  飯星 俊也 藤和不動産流通サービス株式会社営業推進部長
  前川 雅之 財団法人日本ビルヂング経営センター事務局長
  巻島 一郎 社団法人不動産証券化協会専務理事兼事務局長
  神谷 正已 財団法人不動産適正取引推進機構研究理事兼調査研究部長
  中村 俊男 財団法人不動産流通近代化センター理事
  高山 和男 東京都住宅局民間住宅部指導課長
  飯島  正 国土交通省住宅局住宅総合整備課マンション管理対策室長
  長橋 和久 国土交通省住宅局住宅総合整備課長補佐
  福富 光彦 国土交通省総合政策局不動産業課長
  松戸 敏雄  国土交通省総合政策局不動産業課不動産流通適正化推進室長
事務局 総合政策局不動産業課不動産流通適正化推進室
  財団法人不動産流通近代化センター


(別紙)

賃貸不動産管理業に関する研究会報告(概要)

総合政策局不動産業課

  1. 賃貸不動産管理業を巡る現下の諸課題
    (1)ストック重視型社会を迎え、マンション、賃貸住宅、事務所ビル等の不動産管理の重要性が一層増大。
    (2)日本経済再生に寄与する不動産証券化の促進に資する質の高い不動産管理の要請
    (3)賃貸不動産に係わる杜撰な管理や媒介、代理業務と管理業務の区分の不明確等に起因するトラブルが発生し、業者としての信頼性の確保が課題。

  2. 「協議会」の必要性
    (1)自由競争という業形態を前提に、現下の諸課題に対処し、質の高い不動産管理及び事業者の社会的信頼性を確保するため、関係業界団体の自主的・ 横断的な連絡協議組織として「協議会」を設け、関係業界団体が一丸となる取組を期待。
    (2)「協議会」の運営は、財団法人不動産流通近代化センターが事務局として実施。

  3. 「協議会」の検討事項
     賃貸不動産管理業に関し、独立した業形態として賃貸不動産所有者等を始めとする国民に分かり易い業界として成長するため、「協議会」においては、 例えば、次のような事項についての検討を期待。

    (1)標準的な管理業務委託契約書の作成及び普及
     媒介、代理業務と管理業務の業務範囲及び執行方法等、基本的事項を明確化した標準的な管理委託契約書の自主的な作成及び普及

    (2)業界における倫理規程
     賃貸不動産管理業が国民から信頼される業界として認知されるよう、業界における倫理規程を検討及び整理

    (3)人材の育成
     管理業務に係わる様々な専門知識、能力を有する人材を育成するための講習、研修等

    (4)賃貸不動産管理業に関する情報開示
     賃貸不動産所有者等が業者選択する際の目安となり、各事業者の自主的な情報開示を促進するものとして、広く国民へのインターネット等を通じた情報提供システムの構築

    (5)良質な管理業務の評価等
     良質な賃貸不動産管理業務の発展に資するため、良質な管理業務の提供に必要な基準の作成等

    (6)今後の賃貸不動産管理業のあり方等に関する調査研究
     時代の要請に応えた業界として発展いくため、今後の賃貸不動産管理業のあり方等の調査研究

    (7)賃貸不動産管理業に関する広報及び宣伝
     賃貸不動産管理業を広く国民に認知してもらうための広報及び宣伝

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