国土交通省
 『観光カリスマ百選』選定結果について(第4回委員会の結果)
ラインBack to Home

平成15年10月3日
内閣府
農林水産省
<問い合わせ先>
総合政策局観光部企画課
(内線27135)
TEL 03-5253-8111(代表)

 

 

  1. 経緯
     経済活性化等に大きく貢献する観光の振興に向けた取り組みが政府において進められているところでありますが、従来型の個性のない観光地が低迷するなか、各観光地の魅力を高めるためには、観光振興を成功に導いた人々の類まれな努力に学ぶことが極めて効果が高く、各地で観光振興にがんばる人を育てていくため、 『観光カリスマ百選』選定委員会(別紙参照)では、その先達となる人々を観光カリスマとして選定し、選定結果等を国土交通省の観光政策のホームページにおいて公表しています(URLはhttp://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kanko/top.htm)。
     第4回委員会(平成15年8月21日)において、以下の11人の方が新たな観光カリスマとして選ばれましたので、これをお知らせ致します。

  2. 観光カリスマとして選定された方々(敬称略・50音順)

    1)伊藤 孝司(いとう たかし) (有)フラワーランドかみふらの 代表取締役社長(北海道上富良野町(かみふらの))
     花を中心とした大規模観光農場『フラワーランドかみふらの』を経営し、北海道ならではの広大な花畑で多くの観光客を集め、また農業体験や農産物加工販売・生産直売などの取り組みを通じて、大規模農業と観光を連動させた観光地づくりを推進している。

    2)岡田 春喜(おかだ はるき) (財)松野町観光公社 森の国ホテル・虹の森公園 支配人(愛媛県松野町(まつの))
     四国のメイン観光ルートから外れた地域において、公社という経営形態のイメージを超えた質の高いサービスや営業努力により、松野町の「森の国」ブランドを確立する一方で、県域を越えた観光施設間の広域連携の中心に立ち、互いの研鑽と営業力の強化を図り、集客に成功した。

    3)角田 周(かくた しゅう) 企画集団「ラブリー金木」代表(青森県金木町(かなぎ))
     冬季の観光資源に乏しい青森県において、厄介者である風雪と寒さを逆手にとった「地吹雪体験ツアー」などの人気を定着させ、雪とほとんど縁のない地域からの観光客を中心に数多くのファンを生み出した。また、夏の津軽の火祭りなど新たなイベントを次々と手がけ、さらに広域観光ネットワークづくりにも取り組んでいる。

    4)黒木 定藏(くろぎ さだぞう) 宮崎県西米良村長(宮崎県西米良村(にしめら))
     賃金を支払ってきちんと仕事をしてもらいながら休暇と交流を楽しんでもらうワーキングホリデー制度の導入などにより、人口1,500人の小さな過疎の村である西米良村を全国に知らしめ、交流人口を増加させるとともに、村民に自信と誇りを取り戻させることに成功し、村民の自主的な取り組みによる村の活性化にまで発展させた。

    5)渋谷 文枝(しぶや ふみえ) 農家レストラン経営(宮城県加美町(かみ))
     農村食文化の女性起業家として、自ら経営する農家レストランにおいて、アイガモ農法による有機米や自家野菜を使用した地域の伝統食を提供するなどスローフードを実践するとともに、農村発の食アメニティを県内外へ積極的に情報発信し、農村女性起業家のモデルとして都市農村交流を通じた地域の活性化に貢献している。

    6)中谷 信一(なかたに しんいち) 富山県利賀村総務企画課長(富山県利賀村(とが))
     観光資源の乏しかった過疎の村においていち早く都市農村交流に取り組み、「そば」によるむらおこしとそばの原産地であるネパール王国ツクチェ村との交流を通じて独創的な観光資源づくりを行い、自らも自宅の一部を改造した玩具博物館を開設するなど、村の活性化と観光振興に大きく貢献している。

    7)西村 肇(にしむら はじめ) 兵庫県城崎町長(兵庫県城崎町(きのさき))
     旅館経営者として、また町のリーダーとして、先人から受け継いだいで湯情緒あふれる町並みと共存共栄の精神を守りつつも、歴史と伝統に甘えることなく、イベント運営の改革、国際交流の促進、まちの改築、城崎ブランドの確立・発信などに積極的に取り組み、「元気な町―城崎」を常に維持している。

    8)福島 順二(ふくしま じゅんじ) 越中八尾観光協会会長(富山県八尾町(やつお))
     伝統芸能「越中おわら風の盆」の技能向上と保存育成を図りつつ、町民の意識改革を進めることとさまざまなイベントの設定などに取り組むことにより、これを本格的かつ通年的な観光資源として整備し、町の活性化と観光振興に大きく貢献している。

    9)宮田 静一(みやた せいいち) 大分県グリーンツーリズム研究会会長(大分県安心院町(あじむ))
     普通の農家に会員を泊め、農村の生活文化を体感してもらう会員制農村民泊の生みの親であり、景観や自然環境を考える「リバーサイドウォーク」や農村の伝統文化を見直す「全国藁(わら)こずみ大会」、グリーン・ツーリズム普及に向けた各種フォーラム開催などのイベントにも積極的に取り組み、行政との連携による様々な活動が独自の会員制農村民泊「安心院方式」を定着させ、都市住民と農村住民との交流を拡大させた。

    10)吉崎 博章(よしざき ひろあき) (株)吉崎工務店 代表取締役社長(島根県西郷町(さいごう))
     自然や伝統文化などの観光資源がありながら島民意識や遠隔地であることなど様々なネックのあった隠岐において、工務店の経営者という観光産業とは異業種の立場で、青年会議所の設立や交通機関の改善などに取り組んでいる。

    11)吉田 修(よしだ おさむ) 有限会社 農業法人モクモク 代表取締役専務(三重県阿山町(あやま))
     「おいしさと安心の両立」(自然・農業・手づくり)をテーマに、無添加のハム・ウィンナー等の地域ブランドを開発し、農畜産物の手づくり体験や情操教育の場の提供等に取り組み、地域農業と農村文化及び自然環境にとことんこだわることと消費者の組織化を図ることで、消費者と生産者との交流を通じた地域の活性化に貢献している。

     上記の観光カリスマに選定された方々の事績などにつきましては、国土交通省の観光政策のホームページ(http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kanko/top.htm)に掲載されます。

  3. 今後について
     観光振興を図るには、地域のオリジナリティが不可欠であり、そのためには観光カリスマの活動を形だけ模倣するのではなく、「考え方」を理解することが重要です。したがって、今後、観光に取り組もうという地域が、観光カリスマから直接話を聞くことなどにより、観光カリスマのノウハウを上手く活用して、人真似ではない、 個性的な観光地づくりが進められていくことが大事であると考えています。
     本選定委員会は今後も2〜3か月に1回を目途に開催し、観光カリスマを順次選定していく予定です。


別紙

『観光カリスマ百選』選定委員会

委員長 島田 晴雄 内閣府 特命顧問
委員 古賀  学 社団法人日本観光協会 調査企画部長
佐藤喜子光 立教大学観光学部 教授
田川 博己 株式会社ジェイティービー 常務取締役東日本営業本部長
細尾 勝博 兵庫県八千代町 産業課長(観光カリスマ)
廻  洋子 淑徳大学国際コミュニケーション学部経営環境学科 講師
藻谷 浩介 日本政策投資銀行地域企画部 参事役
 
事務局 平工 奉文 内閣府 参事官(産業・雇用担当)
山根 隆行 内閣府 参事官(社会基盤担当)
前田 隆平 国土交通省 総合政策局 観光部 企画課長
中尾 昭弘 農林水産省 農村振興局 地域振興課長


All Rights Reserved, Copyright (C) 2003, Ministry of Land, Infrastructure and Transport