平成15年11月7日 |
<問い合わせ先> |
河川局河川環境課 |
(内線35452、35483) |
TEL:03-5253-8111(代表) |
河川水の再利用の度合いを表す「フレッシュ度」を新たに定義し、いくつかの仮定のもとに全国の15の河川における代表地点において試算しました。その結果、都市化の進んだ関東の各河川や淀川において、指数が低くなる傾向となりました。 |
国土交通大臣が直轄管理する河川のうち、流域に比較的大きな都市を抱える河川について、代表地点における「フレッシュ度」を算出しました。「フレッシュ度」が高いほど、上流において利用された水量が少ないことを表します。また、各河川における上流と下流の「フレッシュ度」を比較するため、複数の地点において試算した河川もあります。
「フレッシュ度」:(1−上流での既使用水量/河川流量)×100%
※既使用水量とは、生活排水、下水処理場等排水、工場排水及び畜産排水の量とした。農業用水に由来する排水については、河川に対する負荷の程度が現段階では不明であるため、今回は算入していない。
この定義式からも分かるように、「フレッシュ度」は上流において使用された水量のみをもとに算出するもので、上流域における水質浄化の取組が必ずしも反映されるものではありません。しかし、「フレッシュ度」が高いほど水質事故等のリスクは一般的には低くなるものと考えられ、河川水のリスク管理の観点から、有効な指標となり得るものであるということができます。今回の「フレッシュ度」の算出は、この点に主眼を置いたものです。
全国の代表河川における「フレッシュ度」を 表 に示します。特に都市化の進んだ関東の各河川や京都・大阪を流域に抱える淀川において、指数が低くなる傾向にあります。なお、多摩川の調布取水堰では、水質が悪化しているため、東京都水道局が取水を停止している状況です。
今回の調査は、様々な仮定をもとに試算したものであり、今後は流域に関するさらに詳細な調査を実施し精度をより高めていくとともに、結果に対して寄せられたご意見等を踏まえ、「フレッシュ度」の算出方法、活用方法等について、名称も含めてさらなる検討を行うこととしています。
そして、今年度中には、国土交通大臣が直轄管理するすべての水系において調査を実施し、その結果を公表する予定です。しかし、この指標のみをもって流域の水循環の良し悪しを評価するものではなく、あくまで国民の意識の高まりに応えるための一つの指標の候補であるということに留意する必要があります。
今後とも、河川環境課は、流域住民の水循環に対する意識の高まりに応えるとともに、国土交通省土地・水資源局水資源部や厚生労働省健康局水道課等関係機関とも連携して、流域対策や取排水系統、望ましい水循環系の在り方等について検討を行い、よりよい水循環のためのソフト・ハード施策を進めてまいります。
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