平成15年4月16日
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<問い合わせ先> |
自動車交通局技術安全部審査課 |
(内線42352)
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TEL:03-5253-8111(代表) |
国土交通省では、平成15年2月26日から平成15年3月24日までの期間において「後付装置のリコール制度に関する意見の募集」を行いました。
頂いた御意見の概要及び国土交通省の見解を別添のとおりとりまとめましたので、公表いたします。
なお、頂いた御意見は、後付装置リコール制度の実施要領等の策定に当たって参考にさせて頂きます。
別添
「後付装置のリコール制度に関する意見の募集」の結果について
.実施期間及び方法
(1)実施期間 平成15年2月26日(水)〜平成15年3月24日(月)
(2)実施方法 記者発表及び国土交通省ホームページへの掲載によって周知を図り、パブリックコメントを募集しました。
.意見募集の到着件数
57件
.意見募集結果の概要
「後付装置のリコール制度に関する意見の募集」に関して以下のような意見を頂きました。1つの意見が複数の事項に触れている場合には重複してカウントしているため到着件数の合計とは一致しません。
- 特定後付装置について
- 対象装置を「タイヤ」と「チャイルドシート」に限定したことを明示すべき(13件)
- 「タイヤ」の選定理由を明確にすべき(1件)
- 対象装置を「タイヤ」と「チャイルドシート」に限定せず、他の装置にも拡大することを検討すべき(7件)
[見解等]
後付装置リコール制度においては、自動車の装置のうち、自動車の購入後に主に一般ユーザーが自由に交換し又は取り付ける後付装置であり、その使用量が多いものと認められるものを対象として政令で定めることとしており、タイヤ及びチャイルドシートを対象にすることとします。
また、対象の見直しにあたっては、事前に学識経験者、関係業界等からなる検討会を開催し、必要性や問題点等について十分に検討することとします。
- 実施要領について
- 実施要領は関係者と協議して国土交通省として予め明らかにすべき(16件)
- 実施要領は「タイヤ」と「チャイルドシート」それぞれに作成すべき(20件)
[見解等]
タイヤとチャイルドシートそれぞれについて実施要領を作成し、公表します。
- リコールの判断について
- リコールの判断基準について、関係者と協議して、予め明らかにされるべき(18件)
- ガイドラインは関係者と協議して、国土交通省として予め明らかにすべき(21件)
- ガイドラインは、「タイヤ」と「チャイルドシート」それぞれに策定されるべき(19件)
- ガイドラインは策定された後もきめ細かな見直しが必要(2件)
- 製品の不良か取り付けのミスによるものか判断できるようなガイドラインの策定を願う(1件)
- 「通常想定される使用の限度」について具体的に数値を決めておく必要がある(1件)
- チャイルドシートと自動車の相性が悪く完全な装着が難しい場合にすぐにリコールの対象とするのは安易ではないか(1件)
- 自動車とのマッチングの問題があるので、リコールの判断者は自動車製作者又は装置製作者とすべき(1件)
[見解等]
リコールに該当するか否かは、道路運送車両の保安基準に適合するか否かで判断することとされています。なお、タイヤとチャイルドシートに係る規定を含む保安基準の改正については内容を公にして進められており、近々基準が確定する予定です。
また、リコール判断の支援となるガイドラインについて、国土交通省は、関係者と引き続き協議を続け、タイヤとチャイルドシートのそれぞれについて策定し、公表します。ガイドラインは、リコール制度施行後も、実態に合わせて適宜見直します。
なお、チャイルドシートに関して、装着を想定していない車両に装着したことによる基準不適合状態は、「誤った使用による基準不適合状態」に該当する場合が多いと考えられ、この場合は、リコールの対象とはなりません。
また、リコールの対象となるのは設計・製造に起因する基準不適合状態であるため、リコール判断は装置製作者が行うことが適切です。
- リコールの対象装置について
- 製作者が管理している未販売品について、明確に規定してもらいたい。(1件)
- リユース品は対象から外すべき(1件)
- メーカー保証の対象外となるものはリコールの対象ではないことを明記してもらいたい(1件)
- 施行前に生産中止した製品については、従来の自主回収制度で運用願いたい(1件)
[見解等]
製作者が管理している未販売品とは、製作者が出荷する前の製品や製作者の直接の管理が及ぶ販売ルートにある未販売品のことをいいます。
また、リユース品やメーカー保証の対象外となる製品、施行前に生産中止した製品であって市場に残存しているものも、安全性確保の観点からリコールの対象となります。
- リコールの届出について
- チャイルドシートのリコールの周知に分解整備事業者への周知は不要(16件)
- チャイルドシートユーザーは自動車ユーザーであるという視点から、車検場や整備工場といった、必ず自動車ユーザーが定期的にチェックを受けるところへ周知すると回収率があがるのではないか(2件)
[見解等]
後付装置は登録制度がないことから、幅広く周知を図ることが必要であり、チャイルドシートについても自動車ユーザーと関係の深い分解整備事業者への周知は有効であると考えています。
- リコールの周知について
- リコール情報の提供については、「タイヤ」と「チャイルドシート」で分けるべき(10件)
- 社告は費用対効果で期待できない。義務でないことを明示すべき(2件)
- 販売店の協力とはどの程度のものか。新たな費用の負担が生じるものか(1件)
- 販売店のユーザーへのリコール情報の周知の協力依頼については、国土交通省が販売店を啓発、指導することが必要(1件)
- リコールの周知先として、自動車製作者を含めるべき(1件)
- リコールの公表は専門知識がない者が見ても理解できる内容とすることが必要(1件)
- ユーザーカードへの登録についてユーザーの協力が得られるか疑問(2件)
- チャイルドシートについては、現在も識別記号・番号の表示を行っているので現行の方法を認めてもらいたい(5件)
- 識別記号・番号が装置本体に明示されることは必要(2件)
[見解等]
実施要領において、リコール情報の周知については、タイヤとチャイルドシートの違いが明確になるよう書き分けます。
社告は周知方法の例として示したものであり、義務付けではありません。
販売店を通じたリコール情報のユーザーへの周知も効果的であると考えられ、基本的には装置製作者等の依頼に基づき行われるものです。国土交通省としても、後付装置リコール制度の開始に当たって、販売店の協力について啓発を行うこととしています。
リコールの公表は専門知識がない人にもわかりやすいものとします。
チャイルドシートについてはユーザー登録カードの活用が効果的であると考えられることから、カードの回収率の向上等、カードの有効な活用方法について、今後、検討を行います。
識別記号・番号については、ユーザーがリコール対象製品を識別するために十分なものであれば、現行の方法でもかまいません。
- 改善措置の実施について
- 「チャイルドシート」について対策部品の送付による改善の実施は現実的で賛成(10件)
- 対策部品の送付による改善措置の実施の場合の判断基準を明確にしてもらいたい(7件)
- 販売店の回収責任はどこまであるのか(1件)
[見解等]
チャイルドシートについて、対策部品の送付による改善措置の実施はこれによっても確実に改善措置が実施されると認められる場合に限られますが、どのような場合が可能であるかについて判断の支援となる考え方をリコール判断のガイドラインの中で明らかにする予定です。
また、販売店は装置製作者等からの依頼により改善措置を実施する立場になるものであり、改善措置の実施の第一義的な責任は装置製作者等にあります。
- 改善までの暫定措置について
- 部品の準備等時間がかかることがあり、改善措置までの暫定措置を認めることに賛成(10件)
[見解等]
改善措置の実施に時間がかかる場合には、暫定措置を講じることにより事故の未然防止を図ることとしています。
- リコール実施状況報告について
- 報告期間3年間は長すぎて非現実的、1年〜1.5年程度でよい(21件)
(この内、報告期間は1.5年間とし、改善実施の向上が見込める場合などは1.5年延長(14件))
- 「タイヤ」と「チャイルドシート」で報告期間を分けて定めるべき(タイヤ:3年間、チャイルドシート:1.5年間)(2件)
- 「タイヤ」の報告期間の3年間が適当と思うが、報告の間隔は前半は四半期毎、後半は半年毎とする(2件)
- 報告期間は3年間で十分か。100%改善措置の終了するまでとすべき(4件)
- 報告期間は最低3年、もしくはそれ以上続けるべき(2件)
- 報告期間の長短ではなく、回収率を明確にすべき(3件)
- 「報告期間の終了が製作者による改善措置の終了を意味するものではない」を削除すべき。どのような状況になったら改善措置の終了というのか明記すべき(1件)
[見解等]
後付装置には登録制度がないことから、ユーザーに対してリコール情報を直接周知することが困難です。このため、「タイヤ」と「チャイルシート」の特性を勘案し、国としても改善措置の実施状況について装置製作者等から3年間、四半期ごとに報告を求め、後付装置リコール制度の適切な運用を図ることとしたものです。3年間という期間は、車検の期間やタイヤとチャイルドシートの通常の使用期間を考慮しても妥当なものであると考えています。
なお、報告期間が終了しても、ユーザーから未対策品を改善するよう申し出があることが考えられるため、装置製作者等の改善措置の実施が終了するものではない旨明記しました。
- サービスキャンペーンの通知について
- サービスキャンペーンは通知義務ではないことを明示すべき(22件)
[見解等]
サービスキャンペーンの国土交通省への通知は、義務付けではありません。リコールではないことを国民に説明し、リコール制度を円滑に運用するために、国土交通省への通知を求めるものです。
- 特定後付装置リコール実施のための体制整備について
- 流通業者が窓口となり、苦情等の受付を行う状況になることが予想される(1件)
- ユーザーからの指摘に対する対応について、製造業者が国土交通省へ届け出ることについても法律で規定したらどうか(1件)
[見解等]
リコール制度を適切に運用するために、装置製作者等や国土交通省において製品の不具合情報の収集を行い、リコールが必要であると判断される場合には、適切な措置をとることとしています。また、国土交通省は、必要に応じて、装置製作者等から報告を求めることとなります。
- その他
- 適正な使用方法の啓発が必要(4件)
- リコール制度についての正しい理解についての啓発活動が必要(1件)
- タイヤはカーショップなどに取り付けを任せる場合が多いので、販売店への指導を徹底してもらいたい(1件)
- 正規輸入品以外についてもリコールの対象とすべき(10件)
- 日本の製品の高品質を維持していくためには、規制緩和とはいいながらも、安全面ではより厳格に対応していくべき(1件)
- 経済の活性化のためにも、メーカー側を臆病にさせるような施策は見直すべき(1件)
- リコール隠しをどのようにして防ぐのか(1件)
- 製造業者や流通業者のコスト増を招き価格に跳ね返ることはないか(2件)
- パブコメの募集期間が4週間では短い(6件)
[見解等]
国土交通省では、関係団体とも協力の上、タイヤとチャイルドシートの適切な使用方法やリコール制度について、国民や関係者の理解を深めるための啓発を行うこととしています。
正規輸入業者以外の輸入業者が輸入した製品は、道路運送車両法の規定に基づくリコール制度の対象とはなりませんが、そのような輸入業者がリコールを実施する場合には、法に基づくリコールと同様に届出・報告ができることとするとともに、国土交通省においてもユーザーへの注意喚起のために必要な情報を公表します。
後付装置のリコール制度は、昨年、道路運送車両法の一部を改正する法律として国会で成立したものであり、安全性の確保等の観点から必要なものであると考えています。
なお、リコール制度の適切な運用によりリコール隠しは防止できると考えていますが、必要な場合には、装置製作者等からの報告徴収や立入検査を実施します。
また、パブリックコメントにかけた案は学識経験者や関係者からなる自動車等リコール検討会で十分に検討をいただいたものであり、他の事例と比べても4週間の期間は適当であると考えます。

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