国土交通省
 ノンステップバスの標準仕様について
 
〜ノンステップバス標準仕様策定検討会の報告書がまとまりました〜
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平成15年4月28日

<問い合わせ先>
自動車交通局技術安全部
 技術企画課

(内線42257)

 旅客課

(内線41233)

TEL:03-5253-8111(代表)

 

 国土交通省では、「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」(平成12年法律第68号。いわゆる交通バリアフリー法)に基づいて、バスのバリアフリー化に努めております。
 具体的には、ノンステップバスの普及が中心施策でありますが、これまでのノンステップバスは、バス事業者ごと、バスメーカーごとに仕様が異なっており、製造コストが高く、かつ、バス利用者の意見を反映したユニバーサルデザインの一層の導入等が望まれていました。
このため、平成13年度にバスメーカー、バス事業者のみならず、有識者、行政、バス利用者をメンバーとしたノンステップバス標準仕様策定検討会を設置しました。

 本検討会において、平成13、14年度の2年度にわたり、ノンステップバスの製造コストの低減とともに、ユニバーサルデザインによる高齢者、身体障害者、健常者がともに利用でき、安全性及び利便性の高いノンステップバスの普及を目指して、「次世代普及型ノンステップバスの標準仕様」の検討を行ってまいりました。この度、その報告書がまとまりましたので公表します。

 今後、国土交通省としては、バスメーカー及びバス事業者等の関係者において、この標準仕様が広く採用され、ノンステップバスの一層の普及が進むよう、関係者の理解を促す等具体的施策の検討を行うこととします。


別紙

次世代普及型ノンステップバスの標準仕様策定報告書(概要)

  1. 標準仕様の策定の意義
     標準仕様は、仕様の標準化による大量定型生産を通じたバス製造コストの低減を図るとともに、高齢者、障害者、健常者がともに利用できるユニバーサルデザインの考え方を取り入れ、利便性向上や安全性確保について一層配慮した今後のノンステップバスの姿を示し、ノンステップバスの一層の普及を図ることを目標として策定するものである。

  2. 標準仕様の対象及び性格
     標準仕様は、基本的に、バリアフリー及びユニバーサルデザインに関連する項目を中心に策定したものであり、かつ、関係者に対し採用を強制する意味合いを持たないガイドライン的な性格のものである。

  3. 標準仕様導入の効果
     今回策定された標準仕様をバス事業者とバスメーカーが広くかつ効果的に採用することにより、高齢者、障害者を含むバス利用者にとってはユニバーサルデザインによる高い利便性を享受でき、また、バス事業者にとってはバス利用者のニーズの反映とコスト低減の両立が図られ、さらに、バスメーカーにとっては開発期間の短縮および製造コストの低減への一助とし、将来の車両構造全体の標準化及びこれを契機としたさらなる製造コストの低減を期待することが可能となり、ノンステップバスの普及が促進されると考えている。

    標準仕様の効果

  4. 標準仕様で定めた項目及びその内容の具体例としては、以下のとおり。
     標準仕様の中でユニバーサルデザインを考慮した箇所

    標準仕様の中でユニバーサルデザインを考慮した箇所

    1. 乗降口
      (1)乗降口の幅
       車椅子の乗降を考慮して段階的に設定
      (2)ステップ高さ
       高齢者や下肢障害者の身体機能及び車椅子の乗降の両面から設定
      (3)手すり
       乗降口付近の両側に手すりを設置
      (4)ステップ段差部の明示
       路面と明確に識別できるように配慮

    2. 通路・後部段差とスロープ
      (1)通路幅
       車椅子が通過できる幅を確保
      (2)段差
       低床部と後部段差を明確に識別できることとする

    3. 車椅子スペース、固定装置
      (1)スロープ板
       幅800mm以上
      (2)スペースの数
       2脚分以上を基本とする
      (3)車椅子固定装置
       後ろ向き背もたれ板式、前向き3点ベルト固定式(安全性・迅速性)
      (4)スペースの広さ
       1300mm×750mmを確保

    4. 握り棒、手すり
      (1)間隔
       両手を広げて届く間隔に配置
      (2)太さ
       直径30mm程度

    5. 降車ボタン
       押し間違いをしにくくする配慮

    6. 優先席
       立ちやすさに配慮

    7. 車内・外表記、案内
      (1)ピクトグラムによる表記
       ピクトグラム(絵文字)を採用
      (2)行先等表示機
       現行の幕式またはLED式を採用
      (3)次停留所名表示機
       車両前部以外の場所にも段階的に設置
      (4)車内、車外放送設備
       現行の設備による音声案内

    8. 室内配色
      握り棒・手すりを朱または黄赤とし視覚障害者に配慮


別添

ノンステップバス標準仕様策定検討会名簿

(敬称略) 2003.3

座長 秋山 哲男 東京都立大学 大学院都市科学研究科 教授
検討員 鎌田 実 東京大学 大学院工学系研究科産業機械工学専攻 教授
  藤井 直人 神奈川県総合リハビリテーションセンター 研究部リハビリ工学研究室 室長
  川内 美彦 一級建築士事務所アクセスプロジェクト主宰
  増田 時枝 東京都老人クラブ連合会 理事 副会長
  鷲田 能敬 東京都交通局 自動車部長
  竹内 善一郎 遠州鉄道株式会社 専務取締役
  岡野 俊豪 社団法人 日本自動車工業会 大型車部会 バス分科会長
(日野自動車株式会社 総合企画部 チーフエンジニア)
  長埜 学 社団法人 日本自動車工業会 大型車部会 バス分科会委員
(株式会社日産ディーゼル技術研究所 第一設計部 バス担当課長)
  佐々木 均 社団法人 日本自動車工業会 大型車部会 部会長
(日野自動車株式会社 バス営業部 計画グループGL)
  長瀬 博和 社団法人 日本自動車車体工業会 バス部会 技術委員長
(三菱自動車エンジニアリング株式会社 トラック・バス開発事業部バス設計部 チーフエンジニア)
  大類 博明 社団法人 日本自動車車体工業会 バス部会 技術副委員長
(日野車体工業株式会社 バス設計部課長)
  立岡 恒良 経済産業省 製造産業局 自動車課長
  羽尾 一郎 国土交通省 自動車交通局 総務課 企画室長
  松本 和良 国土交通省 自動車交通局 技術安全部 技術企画課長
  山口 一朗 国土交通省 自動車交通局 旅客課 生活交通対策室長
  宮田 年耕 国土交通省 道路局 企画課長
  廣谷 干城 社団法人 日本バス協会 常務理事

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