国土交通省
 造船業に対する公的助成を巡るEUによる対韓国WTO紛争
 処理パネルへの我が国の第三国参加について

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平成15年6月25日
<問い合わせ先>
海事局造船課

(内線43756、43753)

TEL:03-5253-8111(代表)


 

 

  1. 概要
     6月24日、EUは、韓国の自国造船業に対する公的助成について、WTO紛争解決委員会(DSB)において紛争処理パネルの設置要請を行ったことから、同紛争に対して大きな関心を有している我が国は、同日のDSBにおいて、同パネルへ第三国参加する意思を表明した。

  2. 経緯
     EUは、韓国が自国造船業に対しWTO補助金及び相殺措置協定に違反する公的助成を行っているとして、1994年GATT第23条に基づき、平成14年10月21日に韓国に対して協議要請(WTO提訴)を行い、二国間協議を3回(同年11月22日、同年12月13日、平成15年5月7日)実施したが紛争解決の目処が立っていないことを受け、今回、WTOにおける紛争手続きを一歩進め、WTO紛争解決委員会(DSB)に対し紛争処理パネルの設置要請を行ったもの。

  3. EU・韓国造船摩擦で問題とされている韓国の助成措置
    • 韓国輸出入銀行を通じた造船会社への輸出促進金融制度(輸出前融資、前受け金返還保証。(注参照))
    • 政府系金融機関等を通じた経営破綻企業(大宇重工等)へのリストラ助成(債務免除、優遇税制等)

    注)輸出前融資:造船所に対して、輸出向け船舶の建造中資金の90%までを融資
      前受け金返還保証:引渡し前に船主が造船所に支払った建造資金について、引渡し不履行時の返還を保証

  4. 今後想定されるスケジュール
      2003年6月24日 紛争解決委員会(DSB)開催(パネルの設置要請及び我が国の第三国参加意志表明)
      2003年7月21日 紛争解決委員会(DSB)開催(パネル設置承認)
      2003年9月頃   紛争解決委員会(DSB)開催(我が国、第三国参加)
      2004年2月頃  上級委員会開催(我が国、第三国参加)
      2004年末頃   WTO紛争処理手続き終了

  5. 我が国の対応
    • 我が国はOECD造船部会、主要造船国との二国間定期協議を通じて、国際造船市場における公正な競争条件確立に努めてきており、問題とされた韓国の助成措置の市場歪曲性についても大きな関心を有している。
    • このため、我が国も、同日のDSBにおいて、同パネルへ第三国参加する意思を表明しており、韓国、EUと市場を分け合う主要造船国として、公正な競争条件確立の観点から我が国の意見を提出し、紛争処理結果への反映を図る。

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