国土交通省
 航空法施行規則の一部を改正する省令
 (平成15年国土交通省令第88号)の公布について

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平成15年8月29日
<問い合わせ先>
1.航空機内における安全阻害行為等関係
航空局監理部総務課危機管理室

(内線48161、48163)

2.飛行計画の事前通報義務の緩和関係
 管制保安部運用課

(内線51322、51323)

TEL:03-5253-8111(代表)


 

 航空機内における安全阻害行為等のうち処罰の対象となる具体的行為等を定めた、航空法施行規則(昭和27年運輸省令第56号)の一部を改正する省令が本日公布されましたので、お知らせします。

  1. 航空機内における安全阻害行為等関係

    (1)背景
    1 近年、航空機利用の大衆化が急速に進み、利用客層も多様化する中で、乗降口・非常口の扉の開閉装置を正当な理由なく操作する行為、航空機内の便所において喫煙する行為などの安全阻害行為等(いわゆる機内迷惑行為)が急増しており、 緊急事態発生時等万が一の場合には、航空の安全を害することにつながりかねない状況にある。2001年10月の国際民間航空機関(ICAO)総会において安全阻害行為等を犯罪とする立法モデルが承認され、既に立法化がなされている国も存在するなど、 国際的にも予防・抑止の必要性への認識が急速に高まってきている。
    2 このような状況を踏まえ、航空機内における安全阻害行為等の禁止・処罰規定を定めること等を内容とする航空法の一部を改正する法律が第156回国会において成立し、公布された(平成15年7月18日)ところである。

    (2)改正法の概要
     安全阻害行為等の禁止規定を創設するとともに、便所における喫煙など国土交通省令で定める安全阻害行為をした者に対し、機長が当該行為を反復・継続してはならない旨の命令をすることができることとし、命令に違反した者は50万円以下の罰金とする。

    (3)改正省令の概要
    1 安全阻害行為等のうち、機長の禁止命令及び処罰の対象となる行為として、
     イ 乗降口又は非常口の扉の開閉装置を正当な理由なく操作する行為
     ロ 便所において喫煙する行為
     ハ 航空機に乗り組んでその職務を行う者の職務の執行を妨げる行為であって、当該航空機の安全の保持、当該航空機内にあるその者以外の者若しくは財産の保護又は当該航空機内の秩序若しくは規律の維持に支障を及ぼすおそれのあるもの
     二 航空機の運航の安全に支障を及ぼすおそれがある携帯電話その他の電子機器であって国土交通大臣が告示で定めるものを正当な理由なく作動させる行為
     ホ 離着陸時その他機長が安全バンドの装着を指示した場合において、安全バンドを正当な理由なく装着しない行為
     ヘ 離着陸時において、座席の背当、テーブル、又はフットレストを正当な理由なく所定の位置に戻さない行為
     ト 手荷物を通路その他非常時における脱出の妨げとなるおそれがある場所に正当な理由なく置く行為
     チ 非常用の装置又は器具であって国土交通大臣が告示で定めるものを正当な理由なく操作し、若しくは移動させ、又はその機能を損なう行為を定める。

    2 機長が禁止命令をするときは、行為者に対して命令書を公布しなければならないこととする。

  2. 飛行計画の事前通報義務の緩和関係

    (1)背景
    1 近年、救急ヘリの活用が進んでいる。事故現場等においては負傷者の救助等を優先する必要があるため出発前に飛行計画を通報する時間的余裕がない場合も想定される。そのため、救急ヘリのように社会的使命を有する航空機については、離陸後の飛行計画の通報に係る要請がある。
    2 また、地上において通信手段がなく、電波状況の悪い山岳地帯等の場外離着陸場を起点とする飛行については、携帯電話の届く地点まで地上を移動し、飛行計画の通報を行ってから場外離着陸場へ戻る等、時間と労力を要する方法をとらざるをえない状況にあり、 関係団体から通報手段のない場所から飛行する場合には、飛行開始後に飛行計画の通報を行うことができるようにするための規制緩和が求められている。
    3 このような状況を踏まえ、航空法の一部を改正する法律が第156回国会において成立し、公布(平成15年7月18日)されたところである。

    (2)改正法の概要(飛行計画事前通報義務の緩和)
     有視界飛行方式で飛行する際に必要な飛行計画の通報について、あらかじめ飛行計画を通報することが困難な場合として国土交通省令で定める場合には、飛行を開始した後でも国土交通省令で定めるところにより通報することができるとこととした。(第97条第2項関係)

    (3)改正省令の概要
    1 「あらかじめ飛行計画を通報することが困難な場合」として
     イ 航空法施行規則第百七十六条に規定する航空機が、飛行を開始する前に飛行計画を通報するいとまのない場合
     ロ 場外離着陸場を離陸しようとする航空機が、飛行計画を通報する手段のない場合

    2 「国土交通省令で定めるところにより」として
       出発地を中心として半径9キロメートル以内の範囲において速やかに国土交通大臣に飛行計画を通報することを定めた。

  3. スケジュール

     公布:平成15年8月29日(金)
     施行:平成16年1月15日(木)

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