平成15年11月12日 |
<問い合わせ先> |
航空局管制保安部保安企画課 |
(内線51135) |
TEL:03-5253-8111(代表) |
平成13年1月31日に発生したJAL907便による異常接近事故の再発防止安全対策として、SSRモードSのデータ通信機能を利用して航空機側のTCAS(航空機衝突防止装置)からのRA(回避指示)を地上の管制卓レーダー画面上に表示することにより、機上のRA発生状況を航空管制官に提供する計画とした。
この度、上記SSRモードS局の運用開始に伴い、実際の航空機運航時におけるTCAS RA情報を管制卓に表示するのは世界で初めてであることから、管制卓に表示するために必要なデータ評価を開始する。
SSRモードSのデータ通信機能は、TCAS RA情報の伝達のみならず、航空機のFMS(飛行管理システム)が有する航空機の速度、針路、昇降率等の動態情報を伝達することが可能である。このため、欧州では本データ通信機能を積極的に利用し、地上のRDP(航空路レーダー情報処理システム)においてレーダー情報とこれらの動態情報を併せて処理することにより、航空機の異常接近警報等の管制支援機能の精度を向上させようという計画が進みつつある。我が国においても、SSRモードSデータ通信機能の利用の可能性について、独立行政法人 電子航法研究所における研究を含め、積極的に検討していく予定である。
参考:
SSR(Secondary Surveillance Radar:二次監視レーダー)
地上のレーダー表示画面上に航空機の識別、高度並びに緊急事態の発生等を表示するレーダー。
SSRモードS
SSRの監視機能を改善するとともに、地上と機上間でデータ通信を行うための機能を有するレーダー。
TCAS(Traffic Alert and Collision Avoidance System:航空機搭載用衝突防止装置)
周囲を航行する航空機の位置及び必要な回避操作をパイロットに示すことにより航空機の衝突を防止する機上装置。
RA(Resolution Advisory:レゾリューションアドバイザリー)
TCASによる回避指示。
FMS(Flight Management System:飛行管理装置)
離陸から着陸までの全飛行領域にわたって飛行管理(航法、操縦、推力調整、誘導など)を自動的に行うシステム。
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