国土交通省
 『観光カリスマ百選』選定結果について(第6回委員会の結果)
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平成16年6月25日
<問い合わせ先>
総合政策局観光部企画課

(内線27135)

内閣府
農林水産省

TEL:03-5253-8111(代表)


 

  1. 経緯
     経済活性化等に大きく貢献する観光立国の実現に向けた取り組みが政府において進められています。
     その中で、従来型の個性のない観光地が低迷する状況下において、各観光地の魅力を高めるためには、観光振興を成功に導いた人々の類まれな努力に学ぶことが極めて効果が高く、各地で観光振興にがんばる人を育てていくため、『観光カリスマ百選』選定委員会(別紙参照)では、その先達となる人々を観光カリスマとして選定し、選定結果等を国土交通省の観光政策のホームページにおいて公表しています(URLはhttp://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kanko/top.htm)。
     第6回委員会(平成16年5月19日)において、以下の11人の方が新たな観光カリスマとして選ばれましたので、これをお知らせ致します。

  2. 観光カリスマとして選定された方々(敬称略・50音順)

    1)井上 重義(いのうえ しげよし)    日本玩具博物館館長(兵庫県香寺町(こうでらちょう))

      郷土玩具や郷土人形といった子どもや女性の伝承・伝統文化の評価を高めるため、個人でユニークな玩具博物館を設立し、国内外から集客するとともに、日本の伝統的文化である凧あげ祭りや女性の伝統手芸である「ちりめん細工」の復興活動を通じて地域の産業振興にも尽力している。

    2)今井 輝光(いまい てるみつ)    「海の学校」代表(東京都新宿区(しんじゅくく))

      豊かな漁業資源と自然環境を活用して、これまで漁業と農業しかなかった村に、体験漁業や海洋スポーツと滞在を組み合わせた「海の学校」を開校し、マリンビジネスという新しいタイプの産業を創出、地域の人々が中心となった活動を展開することで、村づくりの道筋を付けるなど、離島地域の活性化に大きく貢献している。

    3)大M 長照(おおはま ながてる)    石垣市長(沖縄県石垣市(いしがきし))

      市長として、また観光協会長として、石垣島観光のあるべき姿をしっかりと打ち出したうえで、石垣島の豊富な自然や文化を守るとともに、自ら先頭に立ったトップセールス、様々なイベントの実施等により観光客の増加、市人口の増加両方を実現した、まさに、「住んでよし、訪れてよし」の地域づくりを実践している人物である。

    4)小川原 格(おがわら ただし)    (株)籔半 代表取締役社長(北海道小樽市(おたるし))

      観光まちづくりとイベントのリーダーとして小樽市を観光都市に育てるとともに、観光情報に特化したホームページを開設し、全国への情報発信に貢献した。また、広域エリアである後志(しりべし)地域においても、後志の旬の情報や道路情報など官民の情報を織り交ぜたホームページの立ち上げや、ネットによる情報交換などを通して官民様々な主体の団結を実現している。

    5)小野塚 喜明(おのづか よしあき)   農林漁業体験民宿「ホテル八紘閣」社長(新潟県塩沢町(しおざわまち))

      スキー観光客が大幅に減少する中で、地域に賦存する農産物、自然等の地域資源の再評価活動を行い、その地域資源を活用したグリーン・ツーリズムを進めるために「インストラクター等の人材育成、農林漁業体験民宿が連携したシステムづくり」に尽力し、「塩沢町グリーン・ツーリズム推進協議会」を設立するなど、地域活性化に貢献している。

    6)金井 啓修(かない ひろのぶ)     有馬温泉旅館「陶泉 御所坊」主人(兵庫県神戸市(こうべし))

      個人客をターゲットとした個性的な宿づくりに成功したばかりではなく、まちづくり全体を考えた集客の仕掛けづくりに取り組み、有馬の住民が温泉観光をまちづくりとあわせて考えようとする意識改革に大きく貢献した。

    7)河合 進((かわい すすむ)     新治村助役(群馬県新治村(にいはるむら))

     景観、歴史、文化など農村のもつ潜在的な観光魅力に着目し、都会からの観光客とのふれあい・交流に村民が積極的に参加することにより観光振興と地域活性化を促進するという独特の「たくみの里」構想などを推進することにより、村民も観光客も喜ぶ観光地づくりに成功した。

    8)吉川 真嗣(きっかわ しんじ)    村上町屋商人会会長(新潟県村上市(むらかみし))

     城下町・村上に残る昔ながらの町屋を舞台に、生活空間である「町屋の中の公開」をはじめ「町屋の人形さま巡り」「町屋の屏風まつり」の企画や、景観の再生に取り組み、町屋の歴史的価値と魅力を全国に広め、多くの観光客が訪れるなど村上の活性化に貢献した。

    9)高塚 猛((こうつか たけし)    (株)ホークスタウン代表取締役社長(福岡県福岡市(ふくおかし))

      一ヶ所を拠点に連泊しながら、周辺観光地への日帰り旅行を日替わりメニューで楽しむ「拠点型観光」を提案。岩手県の盛岡市や安比高原のホテルで成功を収める。現在も福岡県福岡市のリゾートホテルやドーム球場を舞台に「拠点型観光」を実践し成果をあげ続けている。

    10)長谷川 一彦(はせがわ かずひこ)  嵯峨野観光鉄道株式会社代表取締役社長(京都府京都市(きょうとし))

      歴史的美観が多く残る京都において、常に新鮮さを求める観光客の新しい「期待」に応えるべく、自ら駅業務から線路沿線の雑木整理、植樹という重労働をもこなし、地道な努力とユニークな発想で、「嵯峨野・トロッコ列車」という京都のひとつの魅力を創出し、地域の観光振興にも尽力している。

    11)松浦 宣秀(まつうら せんしゅう)    藻塩の会代表(広島県蒲刈町(かまがりちょう))

      古代の塩づくり方法を解明し再現することにより、人気商品「海人(あまびと)の藻塩」の誕生に貢献するとともに、塩づくり体験を島ぐるみの取組みに広げ、町の知名度向上、雇用の促進、地場産業の育成など、多様な効果を生み出し、古代の塩づくりを通した地域振興・観光振興の中心として活躍している。

     上記の観光カリスマに選定された方々の事績などにつきましては、国土交通省の観光政策のホームページ(http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kanko/top.htm)に掲載されます。取材等のお問い合わせ先につきましても、同ページに掲載しています。
     なお、観光カリスマに選定された方々は、第1回からの合計で74人となりました。

  3. 今後について
     観光振興を図るには、地域のオリジナリティが不可欠であり、そのためには観光カリスマの活動を形だけ模倣するのではなく、「考え方」を理解することが重要です。したがって、今後、観光に取り組もうという地域が、観光カリスマから直接話を聞くことなどにより、観光カリスマのノウハウを上手く活用して、人真似ではない、個性的な観光地づくりが進められていくことが大事であると考えています。
     本選定委員会は今後も適宜開催し、観光カリスマを順次選定していく予定です。


別紙

『観光カリスマ百選』選定委員会

委員長 島田 晴雄 内閣府 特命顧問
委員 古賀   学 社団法人日本観光協会 調査企画部長
  佐藤喜子光 立教大学観光学部 教授
  田川 博己 株式会社ジェイティービー 常務取締役東日本営業本部長
  細尾 勝博 兵庫県八千代町 産業課長(観光カリスマ)
  廻   洋子 淑徳大学国際コミュニケーション学部経営環境学科 講師
  藻谷 浩介 日本政策投資銀行地域企画部 参事役
     
事務局 平工 奉文 内閣府 参事官(産業・雇用担当)
  山根 隆行 内閣府 参事官(社会基盤担当)
  前田 隆平 国土交通省 総合政策局 観光部 企画課長
  永杉 伸彦 農林水産省 農村振興局 地域振興課長

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