国土交通省
 地域からの日本再生シナリオ(試論)〜市民自治を基礎に
 置く戦略的地域経営の確立に向けて〜(「多様な主体による
 地域づくり戦略研究会」報告書)

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平成16年5月27日
<問い合わせ先>
国土計画局総合計画課

(内線29316)

電話:03-5253-8111(代表)


 

  1. 本研究会の趣旨
      住民、自治組織、事業者、事業者団体、NPO、行政など、地域で暮らし活動している多種多様な人々が、価値観の違いを踏まえながらも合意形成を図りつつ、地域の課題とビジョンを共有し、地域づくりを実践していく形態が、最近では「地域経営」と呼ばれ、市民自治のあり方として注目されている。国土計画上も、各地での多様な主体による地域づくりを基盤として、国土が総合的に利用、開発、保全されていくことが不可欠であり、新たな国土計画体系の構築においても、そうした地域づくりの現場を踏まえて対話を重ねていく必要となっている。
      本調査は、「多様な主体による地域づくり戦略研究会」が、上記の観点から地域自立のための具体的な枠組みのあり方について、委員の自由な議論を踏まえ、その課題、論点を「試論」として取りまとめたものである。
      今後、国土審議会などでの検討における参考とされるとともに、市町村などとの間で積極的な意見交換がされていくことを期待する。

    研究会委員名簿  
    座長 高   巌 麗澤大学国際経済学部教授
      内海 麻利 駒澤大学法学部専任講師
      岡部 明子 建築家
      木佐 茂男 九州大学大学院法学研究院教授
      河内山哲朗 山口県柳井市長
      近藤正純ロバート 潟激]ナンス代表取締役社長
      福田 志乃 地域政策プランニング代表
        兼 日本工営樺n域政策開発グループ・チーフ(技術嘱託)
      細内 信孝 コミュニティ・ビジネス・ネットワーク理事長
        コミュニティビジネス総合研究所所長
      松本 美穂 特定非営利活動法人市民フォーラム21・NPOセンター主査
        特定非営利活動法人コミュニティ・シンクタンク
       

    「評価みえ」常務理事

      保井 美樹 法政大学現代福祉学部専任講師
      渡部 幹 京都大学大学院人間・環境学研究科助手

  2. 報告書ポイント
     戦後、経済成長を続ける中で、ほぼ一貫して行政の業務は拡大してきた。これは行政による「公共独占」と市民の「お任せ民主主義」を生んだ。しかし、地域を取り巻く環境は、行政または一部の関係者のみではとても解決しえない課題が山積。こうした中、市町村の多くも多様な主体による地域づくりの重要性は強く認識しており、その担い手として特に「住民一人一人」、「NPO」に大きな期待。

     しかし、住民の行政依存体質、行政の協働能力不足、縦割り意識、事業者の関心の薄さなどが課題として浮き上がっており、またヒアリングでも行政とNPO、NPOと企業のパートナーシップのあり方、そして市民参画社会における議会の役割などが問題視されており、地域づくりに関する課題は実に広範かつ複雑化。

     既に多様な主体が一緒になって地域づくりを積極的に進めている地域を見ると、物事を考える座標軸そのものが以下のような観点で大きく変わりつつある。

    • 経済活性化から住民の誇り、愛着を重視した地域づくりへ
    • 自治体経営から主体間の役割分担と協働による地域経営へ
    • ないものねだりからあるもの探しへ
    • やりっぱなしから評価・継続的見直しへ
    • 短期的視点から長期の100年先を見据えた視点へ

     今後、地域づくりには戦略的に地域経営が行える経営組織へと地域が変革する必要があり、そのためには以下の要素が地域には不可欠である。
    1 自立した市民層の確立、
    2 実行と責任を明確化した協働の場(プラットフォーム)の設置、
    3 そうしたプラットフォームを舞台に様々な利害関係者のアイデアを吸い上げ、地域の様々な主体のやる気とエネルギーを引き出し、そこに一つの運動を巻き起こすために効果的な連携を実現するコーディネーター役としてのキーパーソン、
    4 様々な主体の関係を「信頼」で繋ぐための情報共有、
    5 地域づくりの主役から一歩下がった黒子として様々な関係者に支援を惜しまない行政

     そうした地域になるためには、何よりも行政が変わらなければならない。市民の目線から課題を考え、市町村職員も一人の市民として市民とともに歩む心構えが重要である。アンチ役所、サイレントマジョリティ等、住民の「思い」を表明してもらえる仕組みを作り、地域づくりの楽しさを多様な人々に広げていくこと(「共鳴」)こそが重要である。

     また、国と地方の関係においては、今後、真の市民自治の確立のため、市町村は、国に対して縦の関係を強要するようなことがあれば、これを指摘し、生活実感から発した課題へ対応できる制度への変更を迫る新たなチャレンジが求められている。現場からの改革こそが、国、国土の在り方を根本から変えていく推進力となろう。その結果、始めて国土計画も多様な主体の思いを反映した国土経営ビジョンへと変革していく。


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