国土交通省
 土地投資動向調査(平成16年9月調査)の結果について
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平成16年11月2日
<問い合わせ先>
土地・水資源局土地情報課

(内線30232、30233)

TEL:03-5253-8111(代表)


 

  1. 調査目的
     土地取引などに関する短期的な意向を把握・整理し、簡潔で分かりやすい「先行指標」の作成・提供を目的として、平成13年度より(財)土地総合研究所に委託し、土地投資に関する動向調査を年2回(3月、9月)行っている。
     調査対象は、上場企業(店頭公開を含む)及び資本金10億円以上の非上場企業である。
     当該調査は平成13年9月より継続的に実施されており、調査結果の一部は「土地の動向に関する年次報告」(土地白書)において利用されてきたが、これまでのデータの蓄積状況等を踏まえ、本年度から、調査終了後速やかに調査結果の公表を行なうこととする。

  2. 調査結果概要
    (1)回答企業の本社所在地の現在の土地取引に対する判断は、東京、大阪とも「活発である」が増加している。また、今後の見通しについても「活発である」が増えている。
    (2)本社所在地の地価水準の今後の見通しについては、東京、大阪とも「横ばい」と予想する企業が多いものの、上昇を見込む企業が増加し、下落を見込む企業が減少している。東京ではDI(上昇−下落)が初めてプラスに転じた。
    (3)今後の物件所在地別土地の購入意向については、前回調査に引き続き、業種、所在地を問わず、売却意向を下回っている。
    (4)今後の物件所在地別の自社利用の土地・建物については、製造業において、増加意向が減少意向を下回っている。一方、非製造業では、前回調査に引き続き東京の物件に対しては増加意向が減少意向を上回っている。

  3. 調査結果
     ※コメント及び表中の「東京」は東京都23区内を、「大阪」は大阪府内を、「その他」はその他の地域を意味する。

    (1)土地取引に対する判断
     本社所在地における「現在の土地取引の状況」は、「活発である」との回答が東京で14.2%、大阪では8.5%であった。これまで、「不活発である」との回答が東京で6割前後、大阪で7割前後を占めていたが、平成15年9月調査以降、「不活発である」が減少し、一方で「活発である」が増加している。
     今後(1年後)については、「活発である」との回答が東京で20.3%、大阪では16.4%であった。現在に比べると「活発である」との判断が高くなる傾向にある。また、これまで、「不活発である」との回答が東京で5割超、大阪では6割超を占めていたが、平成15年3月調査以降、「不活発である」が著しく減少し、「活発である」が増加している。

     1現在の土地取引の状況に対する判断(本社所在地別)   単位:%

    現在の土地取引の状況に対する判断(本社所在地別)

     2今後の土地取引の状況に対する判断(本社所在地別)   単位:%

    今後の土地取引の状況に対する判断(本社所在地別)

    (2)地価水準に対する判断
     本社所在地における「現在の地価の水準」については、「適正である」との回答が東京で42.0%、大阪で34.7%であった。東京では「高い」とする回答が4割を超え最も多いが、平成15年9月調査以降、「適正である」との回答が増加している。一方、大阪では「低い」とする回答が4割前後と最も多くなっている。
     今後(1年後)の見通しについては、「横ばい」との回答が東京で67.0%、大阪では70.1%であった。しかしながら、東京、大阪とも平成15年9月調査以降「上昇が見込まれる」が増え、「下落が見込まれる」が大きく減少している。東京ではDI(上昇−下落)が初めてプラスに転じた。

     1現在の地価水準に対する判断(本社所在地別)   単位:%

    現在の地価水準に対する判断(本社所在地別)

     2今後の地価水準に対する判断(本社所在地別)   単位:%

    今後の地価水準に対する判断(本社所在地別)

    (3)土地の購入・売却の意向
     今後1年間における、物件所在地別の土地の購入・売却意向の有無については、東京では製造業において購入が1.3%、売却が5.1%、非製造業において購入が6.3%、売却が8.2%であった。同様に、大阪では製造業において購入が1.1%、売却が3.4%、非製造業の購入が3.2%、減少が5.1%であった。
     土地の購入意向については、業種、所在地を問わず、購入意向が売却意向を下回っている。

     1土地の購入意向(業種2分類・該当物件所在地別)*1   単位:%

    土地の購入意向(業種2分類・該当物件所在地別)

     2土地の売却意向(業種2分類・該当物件所在地別)*2   単位:%

    土地の売却意向(業種2分類・該当物件所在地別)

    *1 今後1年間に物件の地域区分毎に土地の購入意向が「ある」か「ない」かを聞いた。数値は土地の購入意向が「ある」と回答した企業の各業種の全有効回答数に対する割合。なお、地域区分の「その他」とは東京、大阪以外の地域を指す。
    *2 今後1年間に物件の地域区分毎に土地の売却意向が「ある」か「ない」かを聞いた。数値は土地の売却意向が「ある」と回答した企業の各業種の全有効回答数に対する割合。

    (4)自社利用物件(土地・建物)の増加・減少意向*3
     今後1年間における、物件所在地別の自社で利用する土地・建物の増加・減少意向の有無について、物件の地域区分ごとにみると、東京においては、製造業は増加が4.5%、減少が7.2%、非製造業は増加が9.9%、減少が8.0%であり、大阪においては、製造業は増加が2.0%、減少が3.2%、非製造業は増加が5.7%、減少が5.8%であった。
     回答企業を業種別にみると、いずれの地域の物件においても、製造業において増加意向が減少意向を下回っている。一方、非製造業では、前回調査に引き続き東京の物件に対しては増加意向が減少意向を上回った。

     1土地・建物の増加意向(業種2分類・該当物件所在地別)*4   単位:%

    土地・建物の増加意向(業種2分類・該当物件所在地別)

     2土地・建物の減少意向(業種2分類・該当物件所在地別)*5   単位:%

    土地・建物の減少意向(業種2分類・該当物件所在地別)

    *3 他社への販売・賃貸目的や投資目的は除く。建物のみの利用も含む(テナント等)。購入・売却に限らず賃貸も含む。賃借から所有への切り替えなど利用面積の増減がないものは除く。利用していない土地・建物の処分は除く。
    *4 土地・建物利用の増加意向が「ある」か「ない」かを聞いた。数値は、利用増加意向が「ある」と回答した企業の各業種の全有効回答数に対する割合。
    *5 土地・建物利用の減少意向が「ある」か「ない」かを聞いた。数値は、利用減少意向が「ある」と回答した企業の各業種の全有効回答数に対する割合。

  4. 調査実施状況
     調査対象は、上場企業(店頭公開含む)及び資本金10億円以上の非上場企業であり、地価動向や、主たる関連指標である設備投資動向調査が年2回行われていることを踏まえ、半期(各年3月、9月時点)ごとに調査を行なっている。直近(平成16年9月時点)の調査対象企業は、7,134社である。

    アンケート調査票の構成
    Q1.最近の土地を取り巻く状況の判断
     (1)現在の土地取引の状況(活発・不活発・どちらでもない)
     (2)今後(1年度)の土地取引の状況(活発・不活発・どちらでもない)
     (3)現在の本社所在地の地価水準(高い・低い・適正)
     (4)今後(1年後)の本社所在地の地価動向(上昇・下落・横ばい)
    Q2.現在の土地所有の状況(ある・ない)
    Q3.土地の購入・売却の意向(地域別の意向・用途)および土地の購入・売却の実績(地域別の意向・用途)
    Q4.土地・建物の利用の意向(地域別の意向・用途)および土地・建物の利用の実績(地域別の意向・用途)

    有効回答数・有効回答率

      配布数 有効回答数 有効回答率
    上場企業 3,654社 1,118社 30.6%
    非上場企業 3,480社 1,388社 39.9%
    合計 7,134社 2,506社 35.1%

  5. 備考
     これまでの調査結果の概要については、(財)土地総合研究所のホームページ
     (http://www.lij.jp/cgi-bin/sdoc.cgi?page=research/research) にアクセスしてください。なお、これまでの調査の報告書については、国土交通省土地・水資源局土地情報課までご連絡して下さい。

     

    本調査についてのお問い合わせ
     【調査企画】国土交通省土地・水資源局土地情報課調査班 峯村・田中
                               TEL:03−5253−8375(直通)
     【調査委託先】(財)土地総合研究所調査部 小松
                               TEL:03−3509−6973

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