平成16年6月9日 |
<問い合わせ先> |
河川局治水課 |
(内線35514、35612) |
TEL:03-5253-8111(代表) |
国土交通省は、平成15年度に設置した「堤防の質的整備に関する技術検討委員会(委員長:宇野尚雄 広島工業大学教授)」における検討結果を踏まえ、このほど、河川堤防の質的整備の推進に資するため「河川堤防質的整備技術ガイドライン(案)」及び「河川堤防モニタリング技術ガイドライン(案)」を策定しましたのでお知らせします。
平成16年度より、これに基づき、既設堤防の質的整備に関するモニタリングの試行に着手します。
河川堤防質的整備技術ガイドライン(案)および河川堤防モニタリング技術ガイドライン(案)の策定について
(1)河川堤防質的整備技術ガイドライン(案)(参考資料1)
計画高水位以下の水位時における耐浸透機能及び耐侵食機能に関する河川堤防の所要の安全性を確保するため、河川堤防の質的整備における堤防強化工法選定の考え方等についてとりまとめたもの
(2)河川堤防モニタリング技術ガイドライン(案)(参考資料2)
計画高水位以下の水位時における河川堤防の浸透作用及び侵食作用に対する安全性・信頼性を維持し高めていくために必要となるモニタリングの標準的な内容についてとりまとめたもの
平成8年度より直轄河川堤防において概略点検を実施し、相対的に安全性が低いと評価された区間を中心に、現在詳細点検を実施しているところ。これまで約2,000kmの区間を調査し、そのうちの約4割の区間で計画の水位に達する規模の洪水が発生した場合、浸透破壊に対する堤防の安全性が確保されていないことが確認された。また、未調査区間約8,000kmを含め約3割の区間で安全性が確保されない可能性があると推定しているところ(参考資料3)。
今後は、未調査区間の調査を進めるとともに、現時点で安全性の不足が確認された区間については、堤防強化を計画的に実施する。
具体的には、平成16年度より、以下の施策を講じるとともに、モニタリングで得られた情報を利用した堤防の管理技術の高度化について検討を行うこととしている。
(1)質的整備に関するモニタリングの試行(表−1)
(2)要注意箇所の把握に関する取り組みの推進
代表的な河川で、河川巡視等の結果を体系的に整理し、堤防強化を実施する箇所を的確に把握するための取り組みを推進する。
(3)モニタリング委員会(仮称)の設立
モニタリングを実施するにあたり、これまでの調査結果について精査するとともに、今後モニタリングで得られたデータの具体的な集積・分析方法について、検討を行うためモニタリング委員会(仮称)を設立する。
表−1 モニタリング実施箇所
No | 開発局 ・地整 |
河川名 | 箇所 | 備考 |
1 | 北海道 | 網走川 | 住吉・本郷地区 | 浸透対策 |
2 | 東北 | 阿武隈川 | 角田左岸 | 浸透・侵食対策 |
3 | 鳴瀬川 | 鹿島台、南郷 | 浸透対策 | |
4 | 最上川 | 臼ヶ沢 | 浸透対策 | |
5 | 関東 | 利根川 | 大利根地区 | 浸透対策 |
6 | 江戸川 | 吉川、西関宿 | 浸透対策 | |
7 | 多摩川 | 西六郷 | 浸透・侵食対策 | |
8 | 北陸 | 常願寺川 | 上滝 | 侵食対策 |
9 | 手取川 | 辰口 | 侵食対策 | |
10 | 中部 | 安倍川 | 秋山 | 浸透・侵食対策 |
11 | 庄内川 | 岩塚〜上条 | 浸透対策 | |
12 | 牧田川 | 根固地 | 浸透対策 | |
13 | 近畿 | 木津川 | 下津屋 | 浸透対策 |
14 | 中国 | 高梁川 | 酒津 | 浸透対策 |
15 | 天神川 | 上井 | 浸透対策 | |
16 | 高津川 | 金地 | 浸透対策 | |
17 | 四国 | 吉野川 | 鴨島 | 浸透対策 |
18 | 九州 | 嘉瀬川 | 佐賀市街部 | 浸透対策 |
19 | 川内川 | 中郷 | 浸透対策 |
PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Acrobat Readerが必要です。右のアイコンをクリックしてAcrobat Readerをダウンロードしてください(無償)。 Acrobat Readerをダウンロードしても、PDFファイルが正常に表示されない場合はこちらをご参照下さい。 |
All Rights Reserved, Copyright (C) 2004, Ministry of Land, Infrastructure and Transport