平成16年2月13日 |
<問い合わせ先> |
道路局国道・防災課 |
(内線37852) |
電話:03-5253-8111(代表) |
世界銀行 東京事務所 |
電話:03-3597-6650(代表)
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国際協力銀行 総務部広報室報道班 |
電話:03-5218-3100(代表)
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- 世界銀行(総裁:ジェームズ D. ウォルフェンソン)、国際協力銀行(総裁:篠沢恭助)、及
び国土交通省は、「道の駅」のノウハウを日本独自の地域活性化事例として開発途上国
に紹介するため、2月17日から20日にかけて、東京都と愛媛県で「MICHINO EKI(道の 駅)セミナーを開催する(詳細は、別添プログラム参照)。
- 開発途上国では都市と地方の格差是正のため地方開発が課題になっており、物流促進 の観点から道路整備が重視されてきたが、貧困撲滅が国際的な援助の潮流となって貧 困層への直接的な裨益効果を一層高めるために、道路整備というハード面のみならず、 その道路を活用した地域振興策の検討・提案といったソフト面の支援が求められている。
- 「道の駅」は地域の創意工夫により道路利用者に快適な休憩と多様で質の高いサービ スを提供する施設として、1993年度の第1回登録から現在まで743駅が登録されてい る。「道の駅」の整備や「道の駅」を通じた社会・経済活動は地域住民の参画が可能な開 発手法の1事例と考えられ、地元産業の振興、計画運営への住民参加によって、地域経 済を活性化させる効果も期待されるなど、日本の「道の駅」が注目を集めている。
- 国際協力銀行では、日本の国土交通省が制度化、地方自治体が中心となって運営して いる「道の駅」に着目し、地域住民主体の地域振興モデルとして、タイの地方開発事業向 け円借款にそのノウハウ導入を図っている。世界銀行は日本における数多くの「道の駅」 の成功事例や国際協力銀行によるタイでの取り組みに注目し、発展途上国の開発協力 に日本の「道の駅」のノウハウを役立てるため,「MICHINOEKI(道の駅)ガイドライン」の作
成を進めており(世界銀行が日本の「村おこし」ノウハウを活かしてガイドラインを作成す るのは初めて)、今回のセミナーにおける議論についてもガイドラインに反映される。ま た、世界銀行は、ガイドラインの作成にともない、ケニア及び中国における「MICHINOEKI」 のパイロットスタディも実施している(本セミナーで報告予定)。
- 今回のセミナーには、アジア、アフリカの10ヶ国から道路整備や地方開発を担当する政 府職員等15名が研修生として参加する予定。愛媛県の3つの「道の駅」を実際に視察する とともに、その成功の秘訣、効果や取り組み手法について、地域住民との意見交換も行 われる。なお、初日のセッションと最終日のレセプションは一般聴衆の参加も可能。
- 新ODA大綱では、我が国の経験と知見の活用を基本方針の一つに掲げるとともに、国 民各層の広範な参加を目指しているが、今回のセミナーでは愛媛県の地域住民が「村お こし」のノウハウを直接提供することになっており、地方自治体、市民レベルの草の根交 流を促すことも期待されている。
*1 道の駅:「道の駅」は道路利用者に快適な休憩を提供するとともに道路情報や観光・医療情報などの情報発信を行い、地域連携の拠点となる施設である。「道の駅」は地域の自主的な取り組みと発意に基づき、道路管理者と市町村等が協力して設置するものであり、道路管理者が駐車場、トイレ等を整備し、市町村等が文化教養施設、観光レクレーション施設、休憩施設などの地域振興施設を整備している。
*2 タイでは全国20村を対象に手工芸品の生産・販売促進と周辺観光地との連携を図ることで地域住民の所得向上をめざす「観光促進のための産業村開発事業」を実施している。国際協力銀行はこの活動の場となるコミュニティーセンター建設を円借款で支援する他、そのコンセプトが「道の駅」に類似していることに着目し、日本の「道の駅」実施者の知見をタイで「産業村」事業に取り組む住民に紹介し、運営改善のアドバイスを行っている。
Seminar on MICHINOEKI
MICHINOEKIセミナー
−道路インフラを活用した地元主体の地域振興をめざして−
- 趣旨
近年、開発途上国における地域開発事業は、中央政府主導によるトップダウン型手法とともに、地域のポテンシャルを生かしたボトムアップ型手法の積極的活用の必要性が指摘されている。ボトムアップ型手法として、Community Driven Development (CDD)という手法が注目され始めている。CDDはNGOや地元企業、地方政府などといった組織、及びそれらがパートナーシップを組んで、主体的に地元の開発を行っていくやり方である。
道路インフラの中にも、CDDを促進するインフラはいくつか存在している。それは、より多くの輸送を可能にするHighwayネットワークを補完し、旅客や貨物を地域の隅々にまで行き渡らせるRural Roadや、道路ユーザーと地域住民が経済的文化的に交流し得る空間、すなわちMICHINOEKIなどである。このMICHINOEKIは、ドライバーに休息を与え、公共サービスを提供するだけでなく、market placeや集会場の提供を行うことによって周辺地域の活性化に貢献し、産業の活性化や女性のエンパワメントに効果があると期待されるインフラである。
ボトムアップ型手法の積極的活用がいわれる一つの背景には、大規模な開発が必ずしも地元住民に対して便益をもたらさないのではないか、場合によっては逆の効果を生むのではないかという指摘がある。MICHINOEKIというインフラ、そして、MICHINOEKIを通じたさまざまな活動はこういった問題の解決の一つの糸口となる。
このような背景を踏まえ、国際協力銀行は、2001年よりタイ王国において日本のMICHINOEKIを様々な機会をとらえて紹介しており 、またMICHINOEKI実践者の協力を得て既往案件にそのコンセプト、経験を取り入れ、案件の早期効果発現に取り組んでいる。一方、世界銀行は、ケニア、中国においてmichinoekiの導入に関するパイロットスタディを実施するとともにMICHINOEKI導入の指針を示すべく、「道の駅ガイドライン」を作成している。
今回のセミナーではこのような直接的に地域経済や社会に効果をもたらすMICHINOEKIのような道路インフラに着目し、日本での整備状況や成功の秘訣、そしてその効果や取り組み手法について報告し意見交換を行うと同時に、MICHINOEKIを通じたCDDのあり方についても議論しその有効性について理解を深めることを通じて途上国におけるより効果的なCDD事業の形成に貢献することを目的とする。
1 2001年6月に岐阜県と連携して実施した「タイ王国における『道の駅』適用可能性調査」、2003年1月にタイで開催した「国民参加型援助促進セミナー」等
- 開催時期
平成16年2月17日(火)〜2月20日(金)
- 開催場所
セミナー: 東京、愛媛県吉海町
現地視察: 愛媛県肱川町、内子町、双海町
- 内容・期間
(1)4日間
(2)行程
2月17日(火) :東京セミナー
及び東京−愛媛間の移動
2月18日(水) :愛媛県現地視察
2月19日(木) :しまなみ海道セミナー 及び愛媛−東京間の移動
2月20日(金) :東京セミナー
(ラップ・アップ等)
- 主催
世界銀行:The World Bank(WB)
国際協力銀行:Japan Bank for International Cooperation (JBIC)
国土交通省:Ministry of Land, Infrastructure and Transport of Japan(MLIT)
- 協賛
愛媛県吉海町
Seminar on MICHINOEKI
プログラム(暫定版)
Day1(2月17日(火)): 東京セミナー(道の駅とその周辺)<一般公開>
場所:国際協力銀行本店9階講堂
- オープニング・セッション(主催者挨拶)(9:00-10:00)
- 開会の辞
世界銀行 駐日次席特別代表 トム・ツイ
世界銀行 インフラ局長 マリボンヌ・プレシ・フレサール
国際協力銀行 プロジェクト開発部長 種田 博
国土交通省道路局国道・防災課長 中島 威夫
- セッション1:開発途上国におけるMICHINOEKIの取組みについて(仮)(10:00-12:20)
- 日本のMICHINOEKIと地域への貢献
国土交通省 道路局国道・防災課 道路保全企画官 安藤淳
- MICHINOEKIのこれまでの取り組みについて(仮)
国際協力銀行 開発第1部第1班課長 杵渕 正巳
プロジェクト開発部技術顧問 鹿野 和子
開発第1部第1班 柏木 聖子
- 発展途上国におけるMICHINOEKIの導入のについて(MICHINOEKIガイドライン)
世界銀行 運輸セクター シニアトランスポートスペシャリスト 横田 敏幸
Day2(2月18日(水)):道の駅視察(現地ワークショップ)<一般非公開>
道の駅「清流の里ひじかわ」→「内子フレッシュパークからり」→「ふたみ」
- 道の駅「清流の里ひじかわ」(10:30-11:30頃)
- 農山村振興型道の駅紹介、施設視察
駅長 二宮 賢一郎
肱川町産業課長 森 吉満
川上商工会指導員 山田 晴夫
- 道の駅「内子フレッシュパークからり」(13:00-14:50頃)
- 農山村振興型道の駅紹介
(地域の発展とともに歩むMICHINOEKI)
- 道の駅施設視察
支配人 久保 義雄
直販所運営協議会会長 野田 文子
- 道の駅「ふたみ」(15:40-17:00)
- 都市近郊型道の駅紹介(双海町役場2F 第一会議室にて)
夕日をテーマとしたまちづくりと道の駅の役割
(夕日を観光資源としたイベントや博物館や時刻表等)
各施設での運営 等
双海町町長 上田 稔
前駅長(双海町教育委員会委員長) 若松 進一
- 道の駅施設視察
Day3(2月19日(木)):しまなみ海道セミナー〜意見交換<一般公開>
場所:吉海町 町民会館大ホール
- オープニング・セッション (9:00-9:10)
- セッション1:四国におけるMICHINOEKI〜地域との共生(9:10-11:25)
- MICHINOEKIにおける自然環境を活かした地域整備
四国地区「道の駅」連絡会会長
「瀬戸町農業公園」駅長 井上 善一
- MICHINOEKIの広域的連携の取り組みについて
四国地区「道の駅」連絡会理事・情報広報部会長
「小豆島ふるさと村」駅長 陶山 哲夫
- 観光目的地の広域化を可能とするMICHINOEKI
(財)松野町観光公社 森の国ホテル営業マネージャー 隅田 深雪
- セッション2:MICHINOEKIの開発途上地域への適用(11:25-12:05)
- MICHINOEKIを開発途上地域へ:世銀によるケーススタディ
三菱総合研究所シニアコンサルタント 石里 宏
スィロップ・プランナーズ マネージング・コンサルタント シルベスター・O・カスク
- セッション3:ディスカッション・セッション:参加各国の村おこしの現状(13:00-14:00)
モデレーター:国土交通省四国地方整備局松山河川国道事務所長 平井 節生
Day4(2月20日(金)): MICHINOEKIの今後の発展〜
参加者によるディスカッション<一般非公開(懇親会のみ公開)>
場所:国際協力銀行本店8階ABルーム
- セッション1:講演(9:00-10:00)
- 日本の「道の駅」の評価と開発途上国への示唆
東京大学工学系研究科教授 森地 茂
- セッション2*:ディスカッション・セッション(10:20-12:20)
「日本と開発途上国の整備/管理方法、得られる効果の違い」(仮)
モデレーター:国際協力銀行開発第1部第1班課長 杵渕 正巳
開発途上国からの参加者 (各自5〜10分程度)
*セミナーで学んだことを踏まえて途上国におけるMICHINOEKIの展開等について発表
- セッション3:ラップ・アップ(12:20-12:30)
- 主催者からの講評
世界銀行 インフラ局長 マリボンヌ・・プレシ・フレサール
- 懇親会(国際協力銀行本店9階講堂)(12:30-14:00)
終了 14:00

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