国土交通省
 中高層共同住宅標準管理規約の改正について
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平成16年1月23日
<問い合わせ先>
住宅局住宅総合整備課
マンション管理対策室
(内線39363)
TEL:03-5253-8111(代表)

 

1.中高層共同住宅標準管理規約とは

 多くの住民が一棟の建物を区分して所有しているマンションにおいて、住民が長い間にわたり快適な生活をおくるためには、住民の間でマンションの維持、管理や生活の基本的ルール(管理規約)を定める必要があります。
 国土交通省は、管理規約の標準モデルとして、中高層共同住宅標準管理規約(以下「標準管理規約」という。)を定め、その周知を図ってきているところです。

2.標準管理規約の改正の検討過程

 マンションに関しては、平成13年8月にマンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下「適正化法」という。)、平成14年12月にマンションの建替えの円滑化等に関する法律(以下「円滑化法」という。)が施行されたほか、平成15年6月には建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という。)の一部改正が施行され、法制度の充実が図られています。また、現行の標準管理規約は平成9年に改正されたものですが、それ以降のマンションを取り巻く情勢も変化してきています。このような状況に対応するため、標準管理規約の改正に関する検討を行ってきたところです。
 改正に当たっては、有識者、実務家から構成されるマンション標準管理規約検討委員会(委員長:丸山英気千葉大学教授)(資料1参照)において、平成15年5月から平成16年1月まで、7回にわたり検討をしていただきました。平成15年10月には、改正概要案についてパブリックコメントを実施(資料2参照)しました。
 このたび、マンション標準管理規約検討委員会における検討とパブリックコメントで寄せられた意見を踏まえ、改正標準管理規約を策定しました。

3.標準管理規約改正のポイント(資料3参照)

  1. マンションに関する法制度の充実を踏まえた改正
    (1)標準管理規約の名称及び位置付けの改正
     1適正化法及び円滑化法の制定など、分譲の中高層共同住宅を指す法令用語として「マンション」の用語が定着している状況にかんがみ、「中高層共同住宅標準管理規約」を「マンション標準管理規約」と変更しました。
     2管理組合はマンションを適正に管理するよう努め、国は情報提供等に努めなければならない旨の適正化法の規定を踏まえ、標準管理規約を、管理組合が各マンションの実態に応じて、管理規約を制定、変更する際の参考という位置付けとし、その旨をコメントに記載(コメント全般関係)しました。

    (2)マンション管理における専門的知識を有する者の活用に関する規定の新設
     適正化法の規定を踏まえ、管理組合は、マンション管理士その他マンション管理に関する各分野の専門的知識を有する者に対し、管理組合の運営その他マンション管理に関し、相談したり、助言、指導その他の援助を求めたりすることができる旨を規定(単棟型第34条等)するとともに、そのための費用を管理費の支出事項として規定(単棟型第27条第9号等)しました。

    (3)建替えに関する規定の整備
     1円滑化法の制定及び区分所有法の改正を踏まえ、建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査に関する業務を、管理組合の業務として追加(単棟型第32条第4号等)するとともに、そのための費用を修繕積立金から取り崩すことができる事項として追加(単棟型第28条第1項第4号等)しました。
     2さらに、建替えに係る合意の後も、建替組合の設立認可等までの間は、管理組合消滅時に建替え不参加者に帰属する修繕積立金相当額を除いた額を限度として、建替えに係る計画、設計に必要な事項の費用を修繕積立金から取り崩すことができる旨を規定(単棟型第28条第2項等)しました。

    (4)決議要件や電子化に関する規定の整備
     1改正区分所有法の規定を踏まえ、敷地及び共用部分の変更に関し、普通決議で実施可能な範囲を「その形状又は効用の著しい変更を伴わないもの」と規定(単棟型第47条第3項第2号等)するとともに、普通決議で実施可能な工事例、特別決議を必要とする工事例をコメントに記載(単棟型コメント第47条関係5)しました。
     2改正区分所有法の規定を踏まえ、電磁的記録による議事録作成や電磁的方法による決議等に関し、管理組合における電磁的方法が利用可能な場合、利用可能ではない場合に分けて規定を整備(単棟型第49条・第50条等)しました。

  2. マンションを取り巻く情勢の変化を踏まえた改正
    (1)新しい管理組合業務の追加
    1修繕等の履歴情報の整理及び管理
     
    マンションの適正管理には適時適切に修繕を行うことが必要であることを踏まえ、工事施工業者や修繕の費用、個所、時期等修繕に係る履歴情報を整理して後に参照できるよう管理し、今後の修繕を円滑に行うため、修繕等の履歴情報の整理及び管理等(単棟型第32条第6号等)を管理組合の業務として規定しました。

    2コミュニティ形成
     
    コミュニティー形成は、日常的なトラブルの未然防止や大規模修繕工事等の円滑な実施などに資するものであることから、管理組合の業務として、地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成(単棟型第32条第15号等)を規定しました。

    (2)未納管理費の請求に関する規定の充実
     管理費はマンションの維持、管理の財源でありその滞納は適正管理を脅かす問題であることにかんがみ、滞納問題に適時適切に対応できるよう、共用部分の管理に関する事項は、原則総会決議で決するところ、未納の管理費等の請求に関しては、理事会決議により、理事長が、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行することができる旨を規定(単棟型第60条第3項等)しました。

    (3)環境問題、防犯問題への対応の充実
     窓ガラス等の開口部に関する工事であって、防犯、防音又は断熱等の住宅の性能の向上等に資するものについては、管理組合がその責任と負担において計画修繕として実施するものとし、管理組合が速やかに工事を実施できない場合は、区分所有者の責任と負担で実施することについて細則を定める旨を規定(単棟型第22条等)しました。

    (4)コメントの充実等
     最近のマンションにおける設備状況を踏まえ、インターネット通信設備、オートロック設備、宅配ボックス等を共用部分として規定するとともに、給排水管の共用部分の範囲をより詳細に規定しました(単棟型別表第2等)。また、ペット飼育を認めない場合、容認する場合のそれぞれの規約案文例をコメントに記載(単棟型コメント第18条関係3等)するなど、コメントの充実を図りました。

    (備考)「3.標準管理規約の改正のポイント」は単棟型、団地型、複合用途型の共通事項です。

4.標準管理規約の活用

 国土交通省は、改正したマンション標準管理規約を、住宅局長名又は総合政策局長と住宅局長の連名で、都道府県、政令指定都市及び関係団体に対し、本日付で通知しました。また、国土交通省ホームページ上で公表します。
 標準管理規約は、管理組合が、各マンションの実態に応じて、管理規約を制定、変更する際の参考であり、マンションの管理の適正化の推進に関する法律により、マンションの適正管理に努めることが求められている管理組合に活用され、マンションにおける良好な居住環境が確保されることが期待されます。


〔関係資料〕

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