国土交通省
 米国沿岸警備隊による国際港湾保安プログラム
 (International Port Security Program)の実施について

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平成16年12月14日
<問い合わせ先>
港湾局管理課
港湾保安対策室

  (内線46282、46292)

TEL:03-5253-8111(代表)

 

 平成16年12月1日(水)〜13日(月)の間、米国沿岸警備隊(USCG:United States Coast Guard)が我が国を訪問し、改正SOLAS条約に基づく我が国港湾の保安対策の取り組み状況について現地調査等を行う「国際港湾保安プログラム(International Port Security Program)」を実施しました。
 この「国際港湾保安プログラム」は、米国において2002年に成立した米国海事保安法(Maritime Transportation Security Act of 2002)に基づき、米国からの要請を受け当該国政府間との協議により実施するものです。
 我が国では、日米の港湾保安対策の実施方法の考え方について意見交換の後、苫小牧港、仙台塩釜港、名古屋港、神戸港、博多港の5港を訪問し、北米向け貨物を取り扱うコンテナターミナルを中心に、自動車輸出ターミナル、危険物埠頭や国際旅客ターミナル等を対象に現地調査が行われました。
 今回の調査の概要は、以下の通り。

  1. 実施期間:
     平成16年12月1日(水)〜13日(月)

  2. 調査行程:
    12月1日(水):港湾保安対策に係る日米両国政府による意見交換(国土交通本省)
    12月2日(木)〜3日(金):名古屋港調査
        コンテナターミナル(公共)、自動車輸出ターミナル(民間)
        危険物(LNG)埠頭(民間)、一般貨物ターミナル(公共)
    12月6日(月):苫小牧港調査
        コンテナターミナル(公共)、一般貨物ターミナル(公共)
    12月7日(火):仙台塩釜港調査
        コンテナターミナル(公共)、危険物(LNG)埠頭(公共)
    12月8日(水)〜9日(木):神戸港調査
        コンテナターミナル(民間)、国際旅客ターミナル(公共)、
        自動車輸出ターミナル(公共)
    12月10日(金):博多港調査
        コンテナターミナル(公共)、国際旅客ターミナル(公共)
    12月13日(月):「国際港湾保安プログラム」の報告等(国土交通本省)

  3. USCG調査メンバー:
    1. Joseph LoSciuto中佐(ジョセフ・ロシュート), 米国沿岸警備隊本部(リーダー)
    2. Eric J. Doucette少佐(エリック・ドゥセット), 米国沿岸警備隊本部
    3. Jung A. P. Lawrence中佐(ジャン・ローレンス), 米国沿岸警備隊 極東司令部(横田)
    4. Tiffany Danko大尉(ティファニー・ダンコー), 米国沿岸警備隊 極東司令部(横田)

  4. 調査結果:
     調査実施後の、USCG調査チームからの講評は以下の通り。

    1.  今回の国際港湾保安プログラムでは、国土交通省の港湾保安担当者及び各港湾施設の埠頭保安管理者と非常に有益な意見交換を行うことができ、関係者に感謝している。

    2.  意見交換及び現地調査を通じて、日本における改正SOLAS条約の履行状況が非常に適切であることが確認できた。「ベストプラクティス(優良な取り組み事例)」として高く評価している。

    3.  特に、改正SOLAS条約の適用にあたっての政府の政策が非常によく検討されたものであり、印象深い。特に、以下の点については他国の参考になると思われ、高く評価している。
      • 港湾施設の機能や種別(コンテナターミナル、国際旅客ターミナルなど)に応じて、リスクを適切に評価し、それに応じた保安措置を実施することで、リスク管理とそのために要するコストとのバランスが非常によい点。
      • 必要な保安水準を確保するための具体的手段について、既存設備や事業者の日常的活動をうまく生かした運用がなされている(代替措置を認めている)点。

    4.  USCGとしても、日米両国の港湾保安対策の一層の向上のため引き続き協力していきたい。

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