国土交通省
 送電線等の調査結果と今後の航空安全対策について
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平成16年5月19日
<問い合わせ先>
航空局管制保安部保安企画課
航行視覚援助業務室

(内線51173)

航空局技術部運航課

(内線50124)

TEL:03-5253-8111(代表)


 

 

  1. 経 緯
     平成16年3月7日、長野県南木曽町で取材飛行中のヘリコプタ−が墜落し、搭乗者4名が死亡した航空事故の原因については、航空・鉄道事故調査委員会において調査中であるが、当該事故の重大性に鑑み、各電力会社等に対し、地表又は水面からの高さが150m以上となる送電線等であって、鉄道、高速自動車国道、主要な一般国道、主要な河川本流(源流部を除く。)(以下、「鉄道等」という。)を横断するものについて、4月15日までに航空障害標識の設置状況を報告するよう求めたところであり、今般この報告結果も踏まえ、以下の安全対策を講ずることとした。

  2. 各電力会社等からの報告結果
    (1)9電力会社、電源開発及びJR東日本から、合計140件の報告を受けた。
    1 主要鉄道、主要河川及び主要道路の上(平成16年3月7日発生の事故に係わる長野県南木曽町の物件に類似)並びに主要鉄道または高速道路の上を横断する150m以上の高さの送電線等・・・・10件
    2 その他(上記@以外の鉄道、主要河川または主要道路)の上を横断する150m以上の高さの送電線等の物件 ・・・・・・70件
    3 150m以上の高さの送電線等で免除されている物件数 ・・  60件
    ※ 沖縄電力には鉄道等を横断する150m以上の物件は無い旨報告あり。

    (2)上記以外の河川支流等を横断する150m以上の高さの物件並びに150m未満60m以上の物件は、現在、電力会社等で調査中であり、今後順次報告を受ける予定である。

  3. 安全対策の概要
    (1)航空障害標識設置計画策定の指導
     報告された各物件の内、上記2.(1)1に該当する10件の送電線等は、航空機の有視界飛行の際の地上目標として最も使われやすい箇所を横断するものであるため、航空障害標識の設置が緊急に必要な物件と判断し、5月末までに提出を求めた設置計画の策定にあたり第1優先として計画を策定するよう指導した。

    (2)送電線等の航空障害標識のあり方検討会の設置
    1 上記2.(1).2に該当する70件については、その中に地理的条件等により当該物件への航空障害標識設置が不要と判断されうる物件が含まれる可能性があることから、設置すべき物件の特定のためには運航者側の意見も確認する必要がある。
    2 一方、高さ60m未満の低い鉄塔が付属する送電線自体に昼間障害標識が設置できない場合、鉄塔側に昼間障害標識を設置する等の代替方策が必要であるが、低い鉄塔では周囲の樹木等により十分な視認性が得られない可能性があることから代替標示の許容範囲を検討する必要がある。
    3 また、従来の判断基準では設置不要となる可能性の高い、山間部に位置する送電線の高さが高さ60m以上150m未満の物件の一部についても、安全確保の観点から設置についての検討が望ましいとする要望もある。
     以上のことから、「送電線等の航空障害標識のあり方検討会」を設置して、運航者等の意見・要望も踏まえた諸基準の精査を行うこととする。(別添参照)
     なお、運航者意見・要望等の集約過程において、上記1の70件の内、優先すべき物件の評価・選定を行い、当該物件については設置計画の策定を第2優先として指導する。
     優先指導する送電線等以外については、「検討会」の結論に基づき必要な箇所について設置を指導又は要請することとする。

    (3)情報提供窓口の設置
     運航者が飛行計画を策定するにあたり、飛行経路上の山間部の谷間等の航空障害物件情報(位置、高さ等)を入手できるよう、各電力会社等において送電線等の情報提供窓口が設置されたため、平成16年5月17日、その活用を図るよう関係団体を通じて各運航者へ周知した。
     なお、送電線等の航空障害物件情報の提供方法については、引き続き上記検討会においても検討を行う。

        


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