国土交通省
 駐車場管理規程例の策定について
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平成17年1月26日
<問い合わせ先>
都市・地域整備局街路課
(内線32832)

電話:03-5253-8111(代表)


 

 駐車場に自動車を放置したまま、特に連絡もなく駐車場を利用している人が車両を引き取りに現れない、もしくは引き取りを拒否するという、いわゆる長期滞留車の問題が顕在化してきています。
 長期滞留車問題に対処するためには、駐車場事業者と駐車場利用者との間の契約(管理規程)において長期滞留車の取り扱いを明確にしておくことが必要であると考えられます。
 そこで、国土交通省では、社団法人全日本駐車協会等の協力を得て、適切なルールに則った駐車場運営と駐車場利用者の利益の保護に資する目的で、個々の駐車場の管理規程を定める際の参考となる雛形である「駐車場管理規程例」を策定し、地方公共団体へ通知することとしましたのでお知らせします。

 

【参考】駐車場法(昭和32年法律第106号)抜粋
 (管理規程)
第13条 路外駐車場管理者は、路外駐車場の供用を開始しようとするときは、あらかじめその業務の運営の基本となるべき管理規程を定め、これを当該路外駐車場の供用開始後十日以内に都道府県知事に届け出なければならない。


国都街第  64 号
平成17年1月26日

各都道府県駐車場担当部局長
各政令指定市駐車場担当部局長
各中核市駐車場担当部局長      あて
各特例市駐車場担当部局長

 

国土交通省都市・地域整備局
      街路課長 松谷 春敏

 

 

  「駐車場管理規程例」の策定について(技術的助言)

 標記について、社団法人全日本駐車協会及び財団法人東京都道路整備保全公社の協力を得て、駐車場の管理運営の適正化及び利用者の保護を図るため、駐車場管理規程を定める際の参考となるよう別添のとおり「駐車場管理規程例」を定めたので、下記の事項に留意の上、管内の路外駐車場管理者への周知をお願いする。

  1. 管理規程例を策定した背景
     駐車場に車両を放置したまま、特に連絡もなく利用者が車両を引き取りに現れない、若しくは引き取りを拒否するという、いわゆる長期滞留車の問題が顕在化してきており、駐車場の収益圧迫の要因となるだけでなく、他の利用者への迷惑要因ともなっている。
     今般、自動車リサイクル法が本格施行され、既存の車両についても廃車若しくは最初の車検時にリサイクル料金の負担を求められることになり、これを避けようとする所有者が駐車場に自動車を放置する行動も考えられる。
     一方、駐車場管理者の中には、長期滞留車に対し、駐車場法16条(善管注意挙証義務)の規定の存在ゆえに、長期滞留車に対して車両の移動を含め何らの措置を講ずることもできないと理解している向きも一部にある。加えて、法的に担保されていない限り、車両を廃棄することは刑法犯(器物損壊)に該当するものと理解されている向きもある。
     このような状況の中、駐車場管理の現場では、極めて長期にわたり引き取りの見込みのない車両が保管されていたり、反対に、駐車場管理者において車両返却等の十分な努力がなされないまま車両が廃棄等されている事例もあるものと推測される。
     この管理規程例は、駐車場事業者と利用者との間の契約において長期滞留車の取り扱いを明確にしておくことが、長期滞留車問題対処のために必要かつ十分な事項であるとの認識のもと、個々の駐車場の管理規程を定める際に参考となる雛形を定めることにより、適切なルールに則った駐車場運営を促すとともに、駐車場利用者の利益の保護に資することを目的としている。
     なお、この管理規程例は、上述のとおり各駐車場事業者が管理規程を定める際の参考として策定されたものであり、各駐車場において実際に管理規程を定めるにあたっては、駐車場法13条2項に列記された必要的事項以外については、各駐車場の管理運営の状況に応じて追加、削除若しくは変更して適用すべきことは当然である。

  2. 駐車場管理規程の制定及び変更にあたっての留意事項等

    〔駐車場利用者への明示等〕
     管理規程が有効となる前提条件として、駐車場利用者が容易に認識できるよう管理規程を明示しておくこと。特に、利用者から連絡のないまま長期に置かれている車両は、管理規程により処分されることがある旨については、駐車券等にも明示しておくことが望ましい。
     なお、駐車場法第12条に基づくいわゆる届出駐車場について、管理規程を変更した場合は、同法第13条4項により、変更から10日以内に都道府県知事等への届出が必要であるので注意されたい。

    〔警察への照会〕
     長期滞留車については、盗難車両等事件性を帯びた車両である可能性もあるので、管理規程に基づく手続と並行して、車両の特徴等について管轄の警察署に照会しておくことが望ましい。その際、警察から何らかの指示があれば、当然それに従うこと。

    〔車両の売却処分〕
     この管理規程例では、長期滞留車は最終的に売却処分、廃棄処分等がなされることになるが、軽自動車以外の自動車については、道路運送車両法による所有権登録制度が存在するため、所有者の了解がない状態で任意に売却することは事実上不可能であることに留意する必要がある。したがって売却をする場合は、裁判所による競売(民法497条)・所有権確認の訴え等の手続きを経る必要があると考えられる。

    〔車両処分の経過の記録等〕
     管理規程に基づく長期滞留車処理を進める上で、利用者等からの疑問、苦情等に応えるため、処理経過(利用者に対して発した通知の写しや駐車場の掲示を適正に行ったことを証明する写真等を含む)は詳細に記録・保存しておくことが必要である。
     また、長期滞留車処理に関する知見の共有を図るため、当該記録についてはプライバシーに関わる情報を除外した上で、できる限り国土交通省街路課担当まで提出いただきたい。

    〔相談窓口〕
     管理規程、長期滞留車の処理その他駐車場の管理運営に関して不明点等があれば、国土交通省街路課駐車場担当において相談を受け付ける。


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