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 〜屋上緑化空間は近年どの程度創出されているか〜
 全国屋上緑化施工面積調査について
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平成17年6月30日
<問い合わせ先>
都市・地域整備局
公園緑地課緑地環境推進室

(内線32972)

TEL:03-5253-8111(代表)


 

1. 発表の趣旨

 近年、都市におけるヒートアイランド現象の緩和、美しくうるおいある都市空間の形成、都市の自然的空間の創出など、幅広い観点から屋上緑化が実施されています。
 屋上緑化空間が全国にどの程度創出されているかは明らかではありませんが、このたび、最近(平成12年〜16年の5年間)の屋上緑化空間の創出状況の大まかな把握を行うために、屋上緑化の実施に関連する主な企業等を対象に、近年の施工面積の実績をおたずねするアンケート調査を行いました。
 本調査結果は、全ての屋上緑化を捕捉したものではありませんが、近年のおおむねの傾向をとらえるうえではある程度の参考になるものと思われます。
 その結果を以下にご報告いたします。

2. 調査の実施概要

1調査方法   :郵便調査法(インターネット利用による調査票のダウンロード、メールでの返送も可能とした)
2調査対象企業:全国の造園建設会社、総合建設会社(ゼネコンなど)、屋上緑化関連資材販売・施工会社(メーカーなど)計249社
3調査実施期間:平成16年12月〜平成17年1月
4調査対象物件:平成12年(2000年)1月1日〜平成16年(2004年)12月31日
 (平成12年〜16年の過去5年間)に竣工した屋上緑化空間

5回答回収状況:調査回収149社(調査対象249社に対し、回答率約60%)

3. 調査結果の概要(要約)

(1) 報告された屋上緑化面積

 調査で報告された屋上緑化面積は、平成12年〜16年の5年間合計で約78haで、施工年が最近になるほど多い結果となりました。(表−1)
                       表−1調査で報告された屋上緑化面積(全国、施工年別)                    単位:

施工年 平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成12〜16年合計
屋上緑化面積 8.5 10.3 18.1 18.8 22.3 78.0

(2)都道府県別の報告面積

 調査で報告された屋上緑化面積(平成12年〜16年合計)が合計5ha以上であった都府県は、下の5都府県でした。
 (報告面積の多い順)
1東京都(約23.7ha)、2神奈川県(約8.4ha)、3大阪府(約7.4ha)、 4愛知県(約6.0ha)、5兵庫県(約5.1ha)

 合計5ha未満1ha以上であった府県は、下の7都府県でした。
 (報告面積の多い順)
6埼玉県(約3.0ha)、7福岡県(約2.8ha)、8静岡県(約2.6ha)、9千葉県(約2.0ha)、10宮城県(約1.9ha)、11京都府(約1.5ha)、12岐阜県(約1.0ha)

4. 調査の結果(詳細)

1回収状況:回収149社(調査対象249社に対し、回答率59.8%)

2屋上緑化施工面積(平成12年〜16年分、以下同様)
 平成12年から16年の5年間に施工が報告された屋上緑化は、合計3,280件約78ha(779,895)uでした。
報告された施工面積は、施工年が最近であるほど多くなっており、平成12年分は約8.5ha(85,296u)であったものが、平成16年分は約22ha(222,668u)と、5年間で2.5倍以上の増加となっています。

  各年別全国屋上緑化施工面積

3都道府県別屋上緑化施工面積
 報告された5年間の施工面積の合計が1ha(10,000u)を超えた都府県は12ありました。
 このうち東京都が5年間合計で約24ha(237,040u)と全体の約3割を占め、次いで神奈川県、大阪府、愛知県、兵庫県、等の順となっています。

都道府県別屋上緑化施工面積

 

4緑化内容の別
 5年間の累計でみると、複合型の植栽(中高木などを含めて様々な植栽が組み合わされているもの)が約34%セダム主体の植栽(全体、または主要な部分がセダム植栽であるもの)が約34%芝生主体の植栽(全体、または主要な部分が芝生植栽である者)が約21%となっています。
 また、平成12年の施工面積と平成16年の施工面積を比較すると、芝生は約9倍、セダムは約4倍の伸びとなっています。

主な植裁と施工面積

植裁の種類に見られる変化

5建物用途使途別
 住宅系が2割以上と一番多く、教育文化施設等の公共的な施設がそれに続きます。また、商業施設における屋上緑化の伸びが大きくなっています。
 (平成12年約0.9ha(906u)→平成16年約2.8ha(27,836u))

建物用途使途別屋上緑化施工面積

各年別建物用途使途別屋上緑化施工面積

平成 セダム主体 複合 芝生主体 その他草本主体 低木主体 コケ主体 不明 合計
12年 14,188 21,806 5,282 4,756 9,042 120 55,194u
25.7% 39.5% 9.6% 8.6% 16.4% 0% 0.2%
  
16年 57,755 50,613 48,040 11,222 8,956 708 4,728 182,022u
31.7% 27.8% 26.4% 6.2% 4.9% 0.4% 2.6%

植栽の種類について回答いただけた分についての集計ですので、上記の表の数値合計は、屋上緑化施工面積の各年合計とは一致しません。

6建築構造の別
 本項目については、構造不明、未記入が回答の約4割を占めていましたが、回答されたものについて集計した結果は以下のとおりです。
 鉄骨鉄筋コンクリート造と鉄筋コンクリート造が4分の3を占めていました。土の重さや植物の重さが大きい低木植栽や複合植栽がこれらの構造には多く、一方軽量と推定される芝生やセダムは、鉄骨造でも同面積程度の施工がなされています。

5. 参考資料 

  1. 調査対象企業
    区分 対象社数 対象の選び方
    造園建設会社 124社 造園建設業関連の全国組織加盟各社の中から、売上規模上位の会社
    総合建設会社
    (ゼネコンなど)
    100社 全国建設業者売上上位の会社、及び、各都道府県の売上上位会社
    屋上緑化関連資材販売・施工会社
    (メーカーなど) 

    25社

    業界展示会等への参加実績や業界ヒアリングによる

    合計 

    249社  

     上記抽出については、(財)都市緑化技術開発機構 特殊緑化共同研究会における情報等を参考としました。

  2. 調査対象物件(詳細)
    1竣工時期
     平成12年(2000年)1月1日〜平成16年(2004年)12月31日(5年間)に竣工したもの

    2屋上緑地の範囲
     建築物の屋上に施工された緑地で、ルーフバルコニーやベランダの床面に施工されたものを含みます。なお、安定的に設置しているものであれば、プランター等の容器(容量が概ね100リットル以上)を利用して緑化したものを含みます。
     ここで建築物とは、建築基準法による「建築物」、「特殊建築物」、および「簡易な構造の建築物」を指しています。

  3. 結果の回収状況
     調査票の発送249通に対し、回収は149通で、回収率は、59.8%。区分毎の内訳は、以下のとおりでした。
    区分 発送数 回収数 回収率(%)
    造園建設会社 124  73  58.8
    総合建設会社 100 58 58.0
    屋上緑化関連資材販売・施工会社 25 18 72.0
    合計 249 149 59.8

  4. 調査協力企業リスト
    今回の調査にご協力いただいた企業は以下のとおりです。 ご協力ありがとうございました。

    調査協力企業リスト

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