国土交通省
 祓川(はらいがわ)水系伊良原(いらはら)ダム建設事業に係る
 環境影響評価書に対する国土交通大臣意見の提出について

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平成17年3月11日
<問い合わせ先>
河川局河川環境課

(内線35442)

TEL:03-5253-8111(代表)


 

  国土交通省は、祓川水系伊良原ダム建設事業に係る環境影響評価書について、環境影響評価法第24条の規定に基づき、事業者である福岡県に対して別紙に示した国土交通大臣意見を提出した。


【別 紙】

祓川水系伊良原ダム建設事業に係る環境影響評価書
に対する国土交通大臣意見

  祓川水系伊良原ダム建設事業は、祓川水系祓川に伊良原ダムを建設することにより、祓川沿川の水害の防除、同沿川の既得用水の補給等流水の正常な機能の維持並びに福岡県田川地区及び京築地区の水道用水を供給するものである。

  本事業については、付替道路等の改変面積を極力減少させる等、環境影響の低減に向けた取り組みが見られるところであるが、より一層の環境保全の見地から、以下の意見を述べるものである。

T.送付された環境影響評価書についての国土交通大臣意見は、以下のとおりである。

  1.  環境保全措置の実施にあたっては、環境保全技術の開発の進展等に鑑み、実行可能な範囲内で新技術を取り入れること。

  2.  事後調査等の実施に当たっては、その結果が保全対象動植物の生態に関する科学的知見の基礎資料として活用できるよう実行可能な範囲内で配慮すること。

  3.  今後、事業実施に伴い必要となる環境に関する調査及び対策等については、内容及び費用を公表すること。

U.環境大臣意見を踏まえた国土交通大臣意見は、以下のとおりである。

  1. コキクガシラコウモリについて
      コキクガシラコウモリの環境保全措置として行う掘削坑については、コキクガシラコウモリの生態を踏まえ、地質や周辺の植生、洞窟の形状及び気温・湿度等の生息条件に配慮しつつ、適切に整備するとともに、ねぐらとして確認された横抗が全て消失することから事後調査を行うこと。また、その旨を評価書に記載すること。

  2. カエル類等について
      支川の流入する貯水池の緩傾斜部及び貯水池上端部周辺にカエル類等の環境保全措置として整備する湿地については、土砂の堆積及び植物の繁茂等により湿地環境が遷移するおそれがあることから、湿地が保全対象種の生息環境として維持されるよう、必要に応じて適切な管理を行うこと。また、その旨を評価書に記載すること。

  3. ダム下流の生態系について
      ダム下流の河川流況の平準化及び流出土砂の減少等により、ダム下流河川においては河岸の水際より高い位置における植物の生育環境の変化やダム直下の一部区間での生息環境の変化が想定されることから、ダムの管理にあたってはダム下流部への影響を低減する措置を検討すること。


(参考)

 祓川水系伊良原ダム建設事業は、祓川水系祓川の福岡県京都郡犀川町大字下伊良原地先に多目的ダムである伊良原ダムを建設するものです。
 伊良原ダム建設事業の目的、諸元等は、次のとおりです。

◇目的
・洪水調節
  伊良原ダム地点の計画高水流量510m3/sのうち390m3/sの洪水調節を行い、祓川沿川地域の水害を軽減する。

・流水の正常な機能の維持
  祓川沿川の既得用水の補給等、流水の正常な機能の維持と増進を図る。

・新規利水
  田川地域、京築地域の水道用水として、0.428m3/sの取水が可能となるよう補給する。

◇ダムの諸元等
     位置 :福岡県京都郡犀川町下伊良原地先
     集水面積:36.8km2
     総貯留量:約2,870万m3
     貯水面積:122ha
     堤高 :83m
     堤頂長 :340m


◇伊良原ダムの位置

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