国土交通省河川局渇水対策本部設置について

平成１７年６月３日

＜問い合わせ先＞

河川局河川計画課

河川情報対策室

　　(内線35392、35394)

TEL：03-5253-8111（代表）

国土交通省は、平成１７年６月３日に、国土交通省河川局渇水対策本部を設置しました。

　６月２日は、各地で雨が降りましたが、今年は、４月から５月にかけて西日本を中心に少雨が続いていることから、渇水となり、取水制限が行われている河川があります。今般、四国地方整備局（平成１７年５月２６日設置）に続き、本日、中部地方整備局において渇水対策本部が設置されたため、国土交通省河川局渇水対策本部を設置しました。本日以降、全国渇水状況についてとりまとめ、発表します。

　今後とも雨が降らない状況が続いた場合、ダムからの補給が厳しくなることから、さらに取水制限を強化する必要があります。限られた水資源を有効に活用するため、節水にご協力をお願いします。なお、全国の渇水情報については、河川局ホームページ（http://www.mlit.go.jp/river/saigai/kassui/indexh17.html）に掲載しています。

　本日１５時３０分に国土交通省河川局渇水対策本部の看板を河川局長室入り口に設置します。

＊取水制限：河川から水を取ることを制限すること　

（別紙）

全国の渇水状況について

１　四国地方　那賀川水系那賀川において、４月２６日から取水制限
　　　　　　　　　吉野川水系銅山川において、５月２７日から取水制限

　四国地方那賀川水系那賀川では、上流域における４月、５月の２ヶ月間の総降雨量が２１２㎜（平年値の約４０％）と少雨が続いています。長安口ダム及び小見野々ダムのこの時期に必要とする利水確保容量約４２，５５７千ｍ３のところ、４月２５日には約２０，４２０千ｍ３まで減少しました。このため、那賀川利水者会議は、４月２６日９時から農業用水及び工業用水を１５％カットする取水制限を開始しました。その後も、段階的な取水制限率の引き上げを行ってきましたが、５月３０日には長安口ダム及び小見野々ダムの利水確保容量の約２５％の約１０，４２０千ｍ３まで減少したため、５月３１日９時からは農業用水及び工業用水を４０％カットする取水制限にまで至っています。これら一連の取水制限により、工業界では、５月２７日時点で、総額約６億４千万円（出荷額ベース）の被害が出ています。
　また、四国地方吉野川水系銅山川では、上流域における４月、５月の２ヶ月間の総降雨量が１６４㎜（平年値の約４６％）と少雨が続いています。富郷ダム、柳瀬ダム及び新宮ダムのこの時期に必要とする利水確保容量約６２，２０８千ｍ３のところ、５月２６日にはその
６０％を切り、３７，１３１千ｍ３まで減少しました。このため、銅山川渇水調整協議会は、５月２７日０時から工業用水を２０％カットする取水制限を開始しています。これにより、四国中央市の製紙工場では、リサイクル水の利用率を上げて操業が行われています。

２　中部地方　宮川水系宮川において、５月１８日から取水制限
　　　　　　　　　　　櫛田川水系櫛田川において、５月２０日から取水制限
　　　　　　　　　　　矢作川水系矢作川において、６月　３日から取水制限

　中部地方宮川水系宮川と隣接する櫛田川水系櫛田川では、ダムの上流域における４月、５月（３１日現在）の２ヶ月間の総降雨量が約１００ｍｍ～約１２０ｍｍ（平年比３０％程度）と少雨が続いています。宮川ダムの利水確保容量約５４，４００千ｍ３のところ、５月１７日には約９，９７０千ｍ３（貯水率１８％）まで減少したため、宮川渇水調整協議会は、５月１８日から農業用水を４０％カットする取水制限を開始し、さらに５月３１日からは４５％に取水制限を強化しています。蓮ダムについては利水確保容量約２８，４００千ｍ３のところ、５月１９日には約４，３００千ｍ３（貯水率１５％）まで減少しました。このため、櫛田川渇水調整協議会は、５月２０日から農業用水を４０％以上カットする取水制限、さらに２６日からは工業用水について２０％カット、一部水道用水について１０％をカットする取水制限を開始しています。
　また、中部地方矢作川水系矢作川では、上流域における４月、５月（３１日現在）の２ヶ月間の総降雨量が１４４㎜（平年比３５％程度）と少雨が続いています。矢作ダムの利水確保容量約５０，０００千ｍ３のところ、６月１日には、約２３，５００千ｍ３（貯水率４７％）まで減少しました。このため、矢作川水利調整協議会は、６月３日９時から水道用水を１０％、工業用水を３０％、農業用水を２０％カットする取水制限を開始しています。今後とも雨が降らない状況が続き、給水制限に入った場合、愛知県６市６町が影響を受けることになります。　

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