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 羽田空港新滑走路建設工事に係る平成17年度第2回
 「技術検討委員会」議事概要について

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平成17年12月5日
<問い合わせ先>
航空局飛行場部建設課

(内線49551、49502)

TEL:03-5253-8111(代表)

関東地方整備局

 

  1. 日時

    平成17年11月24日(木) 16:30〜18:45

  2. 場所

    霞が関東京會舘シルバースタールーム

  3. 出席者

    <委 員>
    石原研而座長、井合進委員、今井五郎委員、福手勤委員、松島巖委員、
    三木千壽委員、渡邊英一委員

    <事務局> 
    小澤航空局審議官、中村関東地方整備局副局長ほか

    <関係者> 
    中尾港湾局技術参事官、広瀬国土技術政策総合研究所副所長
    小和田(独)港湾空港技術研究所理事長

  4. 議事概要

    ○小澤航空局審議官挨拶
     各委員の日頃からのご支援に対する感謝の意を表するとともに、本工事に係る技術的な観点からのご指導を引き続きお願いしたい旨の挨拶。

    ○石原委員長挨拶
     本日の委員会では、「技術提案書に関するコメント」等に対して、JV が契約締結後に、実施設計の中で検討してきた内容・結果の妥当性について確認を得たいと考えている。
     羽田再拡張事業は、高度でかつ多岐にわたる技術的な課題を含んでおり、新しい技術も採用される非常にチャレンジングなプロジェクトであり、技術検討委員会としては、これらの課題の解決を通して安全で快適な空港の実現に向けて引き続き努力をしたい。

    ○資料説明
      事務局より、資料−2に基づき、各技術検討課題についてこれまでに検討してきた結果及び今後の方針を説明。

    ○質疑応答
      (埋立/桟橋接続部関連)

    • 埋立/桟橋接続部の最適化断面において変形量が小さくなったことは示されているが、各構造部材に作用する断面力という観点で性能照査を実施しているか。
      また、断面力の照査において、常時変形と地震時変形を足し合わせたもので照査
      を実施しているか。
      → 基本設計断面と比較して最適化断面の方が各部材の断面力が小さくなることを確認している。また、所要の性能も確保している。なお、断面力の照査は、常時変形と地震時変形を足し合わせたもので照査している。

    • 鋼管矢板井筒護岸前面のSCP が高置換となったことに伴い、SCP 直下の粘性土層により大きな力がかかり、変形が増大するおそれがあるため、今後JV が実施予定の土質調査において当該粘性土層の性質を調べ、より精度の高い検討を行う必要がある。

    • 鋼管矢板井筒護岸において、隔壁が取り付く部分と隔壁と隔壁の中間の部分では鋼管矢板の変形が異なると予想されるが、これを区分して計算しているのか。
      → 井筒構造の剛性は護岸線に沿って一定と仮定して解析を行っているが、この剛性が異なるとした場合、どの程度の影響がでるかについて、今後検討する。

    • 埋立/桟橋接続部の背後に施工される軽量混合処理土については、新しい技術を大規模に大量に使用するという意味では、非常にチャレンジングな課題である。
      これに関しては各種の検討がなされており、現在の検討結果については特段の問
      題はないと考える。

    (耐震設計)
    • 施工中の常時微動及び地震観測について観測計画が示されているが、軟弱地盤中に建設される桟橋構造の固有周期を明瞭に分離するためには、地盤の固有周期についても考慮しておくことが必要と思われる。理想的には、陸側でも常時微動の同時観測を実施すると、分離がしやすいと考えられるのでご検討願いたい。
      → ご指摘頂いた内容について、今後検討する。

    (圧密沈下)
    • 埋立部の圧密問題については、今の時点で出来る検討はほとんど行われていると認識している。ただし、土質性状が良く分かっていない粘性土層があるので、今後JV が実施する土質調査において確実にチェックすることが重要である。

    (床版・鋼構造関連)
    • 今回の鋼構造物の溶接ギャップなどの溶接関連の基本的なルールについては、道路橋示方書をベースとすると考えて良いか。
      → そのとおりである。

    • 道路橋示方書は非常に厳格な基準であるので、今回の溶接の品質管理を同示方書に基づき確実に実施すれば、鋼構造については、疲労に関してそれ程厳しくはないと思う。

    • 本日の資料から、溶接について今後しっかり検討すべき箇所が確認されたので、確実に対応する必要がある。具体的には、片側からしか溶接できない部位、片側でもバッキングバーを使用しないと溶接できない部位、溶接エッジにエンドタブが付けられない部位、部材同士が直交するようなジョイント部、レグ下部のジャケットにおいて片側からしかできない溶接部等である。特に、レグ下部のジャケット部材のパイプ溶接については、ギャップ等の管理基準のレベルをどのように考えているのかについて、道路橋示方書のレベルで管理するか等も含めて十分な検討が必要である。

    • 通常、溶接部のディテールを決める際には、アズウェルドでも大丈夫なようにディテールを決めるのが基本である。グラインダー仕上げなどを前提とする場合には、さらに新たな管理項目が入ってくるので、その管理をどのようにするかということも十分検討しなければならなくなる。今回の構造物で、グラインディングで仕上げしなければならないということに違和感を感じる。

    • 疲労で気になるようなジョイント部は、UIT(超音波打撃処理法)が入らないところであり、AUT(超音波自動探傷)が適用出来ない箇所である。従って、非破壊検査を用いて、一般部をいくら管理しても駄目であり、エッジのようなAUTの入らないところを如何に品質管理するかが重要である。疲労で気になるようなジョイント部のディテールをさらに詳細に見ていく必要がある。

    • 疲労の管理というのは、きちんと製造できることが第一であり、そして製作上の過誤を見落とさないような品質管理・検査が必要である。
      → ご指摘頂いた内容についてJV に正確かつ確実に伝え、より合理的な疲労照査の考え方の整理や品質管理を定めた施工計画書の作成を進めたい。

    • 桟橋ジャケット構造において、ブレース材が3次元的になっているので、2方向の地震動加振を実施し、斜め方向部材に対する検討を行うことも忘れないで欲しい。

    • ブレース材の自由長が随分長いので、タイダルフォース等に対する振動についても十分注意する必要がある。
      → ご指摘頂いた内容について、今後検討する。

    • UFC 床版(超高強度繊維補強コンクリートプレキャスト床版)において、パネル同士の接合部の構造については構造上の弱点となる可能性があるので、詳細な検討が必要である。
      → ご指摘頂いた内容について、今後検討する。

    (ステンレスライニングの補修について)

    • 本日の資料においては、鋭敏化のことばかりが記述されているが、ここに示されたデータ以外のデータもあるように聞いているので、ステンレスライニングの補修に係る熱影響部については腐食しないという表現の方が良い。

    (維持管理関連)

    • 本日の資料に記載されている維持管理のフィロソフィーについては、よく記述されているように思うが、詳細については更に具体的に検討する必要がある。例えば、どのように重要度を差別化するのか、予防保全における閾値について平均的なものを管理するのか、あるいは最低値を管理するのか、イージーモニタリングということが大きな特徴ではあるが、いかにして計測データを迅速に送って集中管理するのか、これらの点を具体的に検討しないといけない。維持管理のフィロソフィーとしては美しいが、実際これを実行するときは、それぞれ相当な検討が必要であると感じる。

    • 維持管理のシナリオによって維持管理の費用は大きく影響を受けるため、どのようなシナリオで行くかを検討することも重要。また、本日の資料にも記述されているが、維持管理については人材の配置転換等があるので、講習会等を実施し、最低限、人材の教育をきちんとやるということが重要。

    • ローリングリーフ継手など機械的なところについては、普通の部分と違って敏感に腐食等の影響を受けるので、特に留意が必要である。

    • 本日の資料に記述されている維持管理体系の考え方については、維持管理の重要なフィロソフィーについて、おおよそ網羅されていると考えられる。ただし、予防保全の対象の選定や点検の重点化を考慮すると、ある箇所でトラブルがあった場合に全体にどのような影響を及ぼすかというリスク評価をフィロソフィーの中に入れてシナリオを検討すると、さらに良いものになると思う。

    • D 滑走路の維持管理に係る基本的なコンセプトとして、インテリジェント化、すなわち、飛行場全体をインテリジェント化して、かなりの部分のメンテナンスは最新の知見を適用し、可能な限り無人で管理していくというコンセプトも入れておいた方が良いと思う。これにより、維持管理全体のコストは落ちると思う。

    • インテリジェント化に関連して、ステンレスライニングの部分の点検について、今は貝殻を人力で落として点検するという方法以外に点検方法がないので仕方ないが、100 年後も人力で貝殻を落として点検しているというのは如何かと思うので、新しい技術を開発したり、進歩させたりというような検討も進めていくべきと思う。

    (総括)

    • 本日、事務局から説明を頂いたJV 側の検討状況について、技術検討委員会として確認した。また、いくつかの点について、コメントをしたので、本日のコメントに基づいて、残された課題については今後さらに検討を進めて頂きたい。

    ○中村関東地方整備局副局長閉会挨拶
      契約以来、JV がこれまでに検討してきた結果及び当面の検討方針について、大筋において技術検討委員会のご理解、ご了解を頂いたと考えているが、本日頂いたご指摘事項については、その内容をJV に伝え、さらに検討を深めたいと考えている。
      引き続き、ご指導をお願いしたい。


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