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 平成16年度における国土交通省の「公共事業コスト構造改革」
 実施状況について

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平成17年9月30日
<問い合わせ先>
大臣官房技術調査課
(内線22353)
公共事業調査室
(内線24294)

TEL:03-5253-8111(代表)


 

 平成12年9月に公共工事コスト縮減対策関係閣僚会議において、平成12年度以降の政府の新たな「公共工事コスト縮減対策に関する新行動指針」が策定され、国土交通省においても平成13年3月に新行動指針を踏まえた「公共工事コスト縮減対策に関する新行動計画」を策定しました。
 平成15年度からは、新行動指針及び新行動計画に加え、公共事業のすべてのプロセスをコストの観点から見直す、「コスト構造改革」に取り組むこととし、平成15年3月に、事業のスピードアップ、計画・設計から管理までの各段階における最適化、調達の最適化を見直しのポイントとした「国土交通省公共事業コスト構造改革プログラム」を策定しました。
 コスト構造改革の数値目標として、従来の工事コストの縮減に加え、規格の見直しによる工事コストの縮減、事業のスピードアップによる事業便益の早期発現、将来の維持管理費の縮減をも評価する「総合コスト縮減率」を設定し、平成15年度から5年間で、平成14年度の標準的な公共事業コストと比較して、15%の総合コスト縮減率を達成することとしています。
 新行動指針および国土交通省公共事業コスト構造改革プログラムでは、「実施状況については、具体的施策の着実な推進を図る観点から、適切にフォローアップし、その結果を公表する。」こととしており、今回、平成16年度の実施状況をとりまとめ、報告するものです。
 平成16年度においては、総合的なコスト縮減の視点に立ち、技術活用システムの再編・強化等による新技術活用の促進、地域の実情に適合した規格への見直しの促進、設計アドバイザーを活用した設計VEの実施、及びユニットプライス型積算方式導入に向けた試行等、様々な施策を実施しました。また、国土交通省・関係公団等の平成16年度の総合コスト縮減率は、7.3%(物価の下落等を除く)となりました。


  1. これまでの経緯
     公共工事コスト縮減対策については、平成9年4月4日に策定された「公共工事コスト縮減対策に関する行動指針」に基づき、同行動指針の対象期間である平成9年度から11年度までの3年間、各省庁が一致協力して施策を推進し、一定の成果を得てきました。
     また、平成12年9月1日には、公共工事コスト縮減対策関係閣僚会議において、平成12年度以降の新たな「公共工事コスト縮減対策に関する新行動指針」が策定され、これを踏まえ、平成13年1月6日の省庁再編に伴い、運輸省、建設省及び北海道開発庁において策定した新行動計画を統合し、平成13年3月30日に国土交通省におけるコスト縮減のための具体的施策を盛り込んだ新行動計画を策定しました。
     さらに、平成15年3月31日には、新行動指針だけでは、限界があることから、新行動指針を維持継続することに加え、公共事業のすべてのプロセスをコストの観点から見直す「コスト構造改革」に取組むこととし、国土交通省は、「国土交通省公共事業コスト構造改革プログラム」を策定し、1事業のスピードアップ、2計画・設計から管理までの各段階における最適化、3調達の最適化 を見直しのポイントとし、各施策を実施しているところです。

  2. コスト縮減の取り組みの成果

    (1)平成16年度コスト縮減取組み実績
     1)公共工事コスト縮減対策に関する新行動指針 (詳細は別紙−1)

    • 実施施策
       30施策 170項目(全項目数 174項目)
    • 行動指針の項目をより具体化した行動計画の実施施策
       30施策 304項目(全項目数 312項目)

     2)国土交通省公共事業コスト構造改革プログラム (詳細は別紙−2)

    • 実施施策
       34施策 (全施策数 34施策)

    (2)平成16年度総合コスト縮減率 (詳細は別紙−3)

     数値目標は、公共事業のすべてのプロセスをコストの観点から見直す「コスト構造改革」の取り組みを適切に評価するため、従来からの工事コストの縮減に加え、規格の見直しによるコストの縮減、事業のスピードアップが図られることによる便益の向上、将来の維持管理費の縮減をも評価する「総合コスト縮減率」を設定し、平成15年度から5年間で、平成14年度における標準的な公共事業のコストを基準として、15%の総合コスト縮減率を達成することを目標としています。
     平成16年度の総合コスト縮減率は、国土交通省・関係公団等合計で7.3%、政府全体(全府省・全公団等)で6.9%の低減となりました。また、企業物価、労務費等の下落を考慮した総合コスト縮減率は、国土交通省・関係公団等合計で8.3%、政府全体(全府省・全公団等)で7.9%の低減となりました。

    • 国土交通省・関係公団等の平成16年度実績

       総合コスト縮減率等       :縮減率:7.3% 縮減額: 2,924億円
       物価の下落等を含めた縮減率等:縮減率:8.3% 縮減額: 3,289億円

       

    • 全府省・全公団等の平成16年度実績

       総合コスト縮減率等        :縮減率:6.9% 縮減額: 3,355億円
       物価の下落等を含めた縮減率等:縮減率:7.9% 縮減額: 3,800億円

     なお、これらの縮減額は、社会資本整備の推進に充当し、公共事業全体の進捗を図っています。

    (3)平成16年度公共事業コスト構造改革取り組み事例 (詳細は別紙−4)

     1)公共工事コスト縮減対策に関する新行動指針

       工事コストの低減

    • 調整池整備における他事業連携によるコスト縮減(1計画手法の見直し)
      • 真田・北金目地区真田1号調整池整備工事に当たり、他機関(他事業者、管理者)連携による調整池の一体化により、護岸工等の大幅な削減をすることで約121百万円のコスト縮減。(都市再生機構)

       

    • 高剛性の建物形状と直接基礎の採用によりコスト縮減(3設計方法の見直し)
      • 鉄骨トラス梁の採用による屋根の軽量化と、外周に高剛性のRC壁を配することによる建物全体の剛性向上により、不同沈下を防止し、直接基礎(布基礎)を可能とし、約10%のコスト縮減。

       

    • 鋼殻の構造改革によるコスト縮減(3設計方法の見直し)
      • 北九州港(洞海地区)新若戸道路において、海底トンネルの沈埋函製作における鋼殻(中壁・隔壁)の構造を見直すことによる施工時の簡素化により、工事費を削減(縮減率約4%)。

       

    • 取水設備形式の変更による工事コストの縮減(3設計方法の見直し)
      • 取水設備工事において、形式を直線多段式ゲート・鉛直配置から、直線多重式ゲート・斜樋形式へ変更することで、ゲート構造を簡略化し、約28%のコスト縮減。(水資源機構)

       

    • 鋼橋の鋼けたとPC床版の合成作用を考慮した設計法の導入(3設計方法の見直し)
      • 鋼橋において、鋼げたとPC床版の合成作用を考慮して、車両等の荷重を受持つ設計法を採用することにより、使用する鋼材を少なくすることが可能となり、工事コストが約3%縮減。(日本道路公団)

       

    • 砂防ソイルセメント工法の技術開発・推進によるコスト縮減(4技術開発の推進)
      • 砂防設備の施工において、従来のコンクリートによる施工に代わり砂防ソイルセメント工法を採用することにより建設発生土の抑制・有効活用が可能となり、環境への負荷を軽減するとともに、施工の合理化による建設コストの縮減を図る。

       

    • シックリフト工法による施工手間の軽減(4技術開発の推進)
      • 大阪国際空港のB誘導路の舗装路面補修において、従来の工法に替えてシックリフト工法による補修を行い耐久性の向上を図るとともに、約3%のコスト縮減。

       

    • ハイブリット舗装の採用によりコスト縮減(4技術開発の推進)
      • 新しいトンネル内表層用混合物を開発することで、サービスレベルと耐久性を落とさずにアスファルト部分を2層から1層に削減し、約10%のコスト縮減。(日本道路公団)

       ライフサイクルコストの低減(施設の品質の向上)

    • 長寿命化塗装によるライフサイクルコストの低減(施設の耐久性の向上)
      • ダム管理施設の塗装工事において、耐水性・耐候性の高い塗料を使用することにより、塗膜の寿命が延び、塗替塗装の間隔を延伸。 

       工事における社会的コストの低減

    • 水産系副産物を利活用したコスト縮減(工事におけるリサイクルの推進)
      • 防波堤工事におけるケーソン中詰材の一部に、通常使用される砂より安価なホタテ貝殻を利用することで、ホタテ貝漁業を主産業とする地域社会の課題解決に寄与するとともに、工事コストを低減。

    2)国土交通省公共事業コスト構造改革プログラム

       事業のスピードアップ

    • プレハブ式下水処理場(POD)の採用によるコスト縮減【2】事業の重点化・集中化
      • 従来の現場打ち施工方法を見直し、工場製作されたプレキャスト部材や汎用品を用いた処理場である「プレハブ式下水処理場(POD)」を採用することで、施工期間を3年から2年に短縮するとともに建設費を約10%縮減。

       計画・設計から管理までの各段階における最適化

    • インターチェンジ形状の見直しによるコスト縮減(【1】計画・設計の見直し)
      • 一般国道101号浪岡五所川原道路五所川原ICにおいて、走行上支障のない範囲で、簡易なインターチェンジ型式へ見直すことで、約58%のコスト縮減。

    • 歩道幅員の見直しによるコスト縮減 (【1】計画・設計の見直し)
      • 足助バイパス建設事業において、地域の実情に併せた歩道幅員の設計を行うことで、工事費を約25%縮減。

    • 設計アドバイザーを活用した設計VEの実施 (【1】計画・設計の見直し)
      • 設計VEを実施するにあたり、設計技術者・有識者等から設計アドバイザーを公募し、コスト縮減等に関する技術的な提案・アドバイスを得ることにより、民間技術力の活用を促進し更なるコスト縮減を図った。

    • 公共工事における新技術活用システム(【2】新技術の活用)
      • 民間で開発された優れた技術の公共工事への活用を促進するため、技術の適切な評価、技術情報への一般への提供等、技術活用に関する取組を総合的に行う。

    • 流木・伐採木の一般への配布(【3】管理の見直し)
      • 河川管理上支障となる、雑木林の間伐材や流木は、従来、処理施設に運搬して処分していたが、一般の希望者に無償で配布することにより、運搬、処分費のコストを縮減

    • 既設公営住宅の全面的改善(【3】管理の見直し)
      • 公営住宅の建て替えに際し、躯体を残し内装・設備等を更新することで既存ストックを有効活用し、工事コストを縮減。

       調達の最適化

    • 施工数量を評価指標とする総合評価落札方式の試行(【1】入札・契約の見直し)
      • 予め発注者が予定価格(事前公表を前提)・標準施工数量・工期・仕様を明示した上で、入札参加者に価格及び施工可能な数量を入札させ、予定価格の範囲内かつ標準施工数量以上の範囲で、『施工数量(得点)/入札価格』が最も高い者を契約の相手方にする総合評価落札方式の試行を実施。(水資源機構)

    • ユニットプライス型積算方式の試行(【2】積算の見直し)
      • ユニットプライス型積算方式の導入に向け、制度設計を実施し、舗装工について試行を実施。

    (4)平成16年度フォローアップにおけるコスト縮減率の高い事務所について(詳細は別紙−5)

     平成16年度フォローアップにおけるコスト縮減率の高い事務所について、別紙−5にて紹介します。


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