平成18年10月3日 |
<問い合わせ先> |
土地・水資源局地価調査課 |
(内線30362、30323)
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TEL:03-5253-8111(代表)
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第3回「不動産の証券化に係る鑑定評価とデユー・ディリジェンスのあり方に関する検討委員会」が平成18年10月2日(月)に開催されました。
議事要旨は以下のとおりです。
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デュー・デリジェンスとは、投資家が投資判断を行うに当たって必要となる調査全般を指し、対象不動産に関する法的調査、経済的調査、物理的調査を包括するものですが、本検討委員会では特に鑑定評価とエンジニアリング・レポートに焦点をあてます。 |
<委員等>
座長 |
緒方瑞穂 |
不動産鑑定評価部会長・(株)緒方不動産鑑定事務所代表取締役 |
委員 |
磯尾隆光 |
(株)谷澤総合鑑定所東京事務所副所長 |
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北山慶 |
ムーディーズ・ジャパン(株)代表取締役 <欠席> |
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楠浩一 |
(株)竹中工務店FM部デユー・ディリジェンス担当副部長 |
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角南基亮 |
アジア航測(株)土壌・水環境事業部長 |
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野口咲也 |
あおぞら銀行信用リスク管理部鑑定部長 |
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野村修也 |
中央大学法科大学院教授 |
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町山公孝 |
(株)イーアールエス専務取締役 |
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松村徹 |
(株)ニッセイ基礎研究所金融研究部門不動産投資分析チーム上席主任研究員
<欠席> |
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山下誠之 |
(財)日本不動産研究所東東京支所兼研究部参事 |
専門委員 |
廣田裕二 |
「アスベストと鑑定評価に係る検討委員会」座長
(財)日本不動産研究所環境プロジェクト室長 |
<第3回委員会の主な内容>
- 議事
(1)不動産鑑定評価部会の開催についての報告
(2)これまでの議論のまとめ
(3)質疑・討論
- 第3回検討委員会の位置づけ
- 過去2回の検討委員会の議論を踏まえ、主な論点を整理するとともに、今後不動産鑑定評価部会の議論とも連携させながら、さらに検討を進めていくことを確認。
- 今後の進め方等について、各委員から意見を聴取
- 委員からの主な指摘事項等
- 証券化対象業務における鑑定評価を中心とするデユー・ディリジェンスの適正性の向上を議論するにあたっては、鑑定士と依頼者のみの関係を考えているだけではだめで、投資家や依頼者も視野に入れて検討する必要がある。
- 鑑定評価を行うにあたって他の専門家の資料が十分には得られないなど、いろいろな制約条件のある中で、不動産鑑定士がすべての責任を負って鑑定評価を行うことは無理。特に土壌汚染問題やアスベストの問題等については、実務等で判断に迷う局面もあることから、対応方針を整理していく必要がある。
- 証券化対象不動産に係る鑑定評価は、不特定多数の者に影響を及ぼす可能性があることなどから、通常の鑑定よりも厳しい対応が求められる。このため、一般の鑑定評価基準とは別に特別な基準のようなものを検討することはよいと思うが、単に、専門家である鑑定士の責任の範囲を限定するものにとどまらないように十分留意すべきである。また、実務の現状をベースに責任の範囲を考えることは適切ではない。
- 基準のようなものも大事だが、それが最低基準にならないようにしなければならない。また、倫理面も大事である。
- 不動産鑑定士がエンジニアリングレポートの読み方、使い方に十分精通していないというならば、エンジニアリングサポート作成者が、鑑定士の理解を深めることに対して協力するのは当然のことである。
- エンジニアリングレポートにせよ、鑑定評価書にせよ、どうしても使う方の自己責任の問題は残る。使った数字の根拠等を明確にしておくことは重要だ。
- 例えば、エンジニアリングレポートにアスベストの除去費用を明記できないかとよく指摘されるが、除去費用の相場が安定しないと明記できないというような限界もある。
- 証券化といっても、Jリートもあれば私募ファンドもある。検討する範囲を明確にする必要がある。
- 証券化対象不動産の鑑定業務は、短期間に大量の業務を受注することから、複数の鑑定士で対応することも多く、通常の鑑定評価とは違った対応が求められるという視点が重要。この際、鑑定業者の対応も重要となるが、複数の鑑定士の役割分担や統括的に見ている鑑定士の位置づけが重要となる。また、鑑定業者と鑑定士のコンフリクトが発生する場合についても検討する必要がある。
<今後の検討の進め方>
次回委員会は11月中旬以降に予定しております。詳細が決まり次第、お知らせ致します。

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