平成18年7月3日 |
<問い合わせ先> |
都市・地域整備局 |
街路課 |
(内線32812) |
市街地整備課 |
(内線32712) |
TEL:03-5253-8111(代表)
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−中間取りまとめの概要−
- 背景
平成17年6月30日に国土交通大臣より社会資本整備審議会に対して「新しい時代の都市計画はいかにあるべきか。」についての諮問がなされた。
その中の具体的な検討課題の一つである「持続可能な都市を構築するための都市・生活インフラの整備の推進方策」のうち、都市交通施策や市街地整備のあり方と整備推進方策を専門的に検討するため、都市計画部会に都市交通・市街地整備小委員会が設置された。
同小委員会において、本年3月16日以降3回の審議を経てとりまとめたものである。
- 中間とりまとめの概要
- (1)位置づけ
- 本中間とりまとめは、都市交通・市街地の現状と課題を踏まえ、拡散型都市構造に起因する諸問題に対して、集約型都市構造を選択する都市圏における都市像とその実現に向けた戦略的な取組みの方向性、国としての支援の考え方、今後検討すべき課題を示したものである。
- (2)拡散型から集約型都市構造への転換
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- 1)拡散型都市構造を放置した場合の問題
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- 生活に支障を来す高齢者等の増大
今後本格化する少子・超高齢社会において、日常の買物や通院に際して、自動車の運転ができなくなることにより、不自由な生活を強いる高齢者等の増大
- 中心市街地の一層の衰退
広域的な都市機能の無秩序な拡散した立地は、中心市街地の一層の衰退を招くばかりか、「まち」の質の低下と防災、防犯、子育て環境など、多様な問題を増大
- 環境負荷の高まり
都市機能が拡散、散在することで、自動車利用の一層の高まりや移動距離の増大などによるCO2 排出量の増加が環境への負荷がより高まる懸念
- 都市財政の圧迫
都市施設の維持管理、福祉施策等の行政コストの増大を招く恐れ
- 2)目指すべき都市像(集約型都市構造)の姿
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- 都市圏内の中心市街地及び駅周辺等を都市機能の集約を促進する拠点(集約拠点)と都市圏内のその他の地域を結ぶ公共交通を軸としたアクセシビリティを確保し、
- 集約拠点について、市街地整備を行うことにより、居住、交流等の各種機能の集積を図り、
- その他の地域においては、市街地の密度を高めることなく、また、密度が低下し空
洞化する市街地については、自然・田園環境の再生にも取り組む。
- (3)集約型都市構造の実現に向けた戦略的取組
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- 1)多様な主体及び施策の連携による「総力線」へ
- 目指すべき都市像、あるいは生活像を実現するためには、土地利用、都市交通、福祉施策を始めとする多様な分野、公民を問わない施策が、ひとつの目標を共有して展開される、いわば「総力戦」としての取り組みへ。
- 2)都市交通施策と市街地整備の役割と連携の方向
- 都市交通施策と市街地整備は、集約型都市構造に基づく都市像を実現するための「土台」となる環境と条件を整えることが役割であり、また、集約拠点等を結ぶ公共交通の整備や集約拠点における市街地整備が密接に連携。
- 3)都市交通施策の戦略的な取組のあり方
- 公共交通は、集約型都市構造の実現にとって必要不可欠なものであり、交通事業として成立するか否かのみによって存廃や導入の有無等が決定されることは適切ではないと考えられるため、「市場への働きかけ(適切な公的関与)」を行い、公共交通機関の適正な利用が図られるよう総合的な支援が必要。
- (例えば)
- バス専用レーン設置やLRTの導入など、道路空間を公共交通で優先的に利用
- 交通事業者のみの負担で採算性を確保されないものの、公益性が高い路線については、効率性を確保しつつ、公益の範囲で税その他による財政支援や地域による支援等を行い整備・運営を成立。
- (4)これからの都市交通施策のあり方
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- 1)基本的な考え方
- これまで、わが国の都市交通施策は、自動車交通に対応する道路整備を中心に進められてきたが、今後は、「どこでも、だれでも、自由に、使いやすく」という考え方に基づき、都市全体をユニバーサルデザイン化することを目指す。
- 2)集約型都市構造を実現するための「都市交通戦略」の確立
- 都市交通は、市街地の構造や土地利用と相互に密接に関係しており、目指すべき都市像を実現するためには、多岐にわたる関係者・担い手を連携させ、地方公共団体(特に市町村)が中心となった協議会において、将来の都市像や都市交通のサービスレベルを明確にした上で、必要となる都市交通施策や、実施プログラム等を内容とする「都市交通戦略」を策定。
- それに基づいて関係者がそれぞれの責任のもとに総合的に施策を推進するとともに、国がこうした取組を総合的・一体的に支援。
- (主要な取組テーマ)
- 歩行者空間の意義とその復権
都市内においては、自動車を優先させた道路整備から、面的に各階層の道路が担うべき役割を明確にし、生活道路の使い方も視野に歩行者優先の道路整備へ転換。
- 公共交通の再生
公共交通を都市交通戦略において「都市の装置」と位置づけ、市街地整備や交通管理施策と連携し、ハード・ソフト両面からの再生を図る。
- 道路整備の重点化「選択と集中」
渋滞対策、歩行者等のための空間の実現に効果の大きい環状道路等へ投資を集中。
- (5)これからの市街地整備施策のあり方
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- 1)集約型都市構造を目指した戦略的取組
- 主要な駅等において、居住機能を含む多様な都市機能を集積させた拠点的市街地を形成する。また、徒歩、自転車交通圏内に各種都市機能を配置し、歩いて暮らせる生活圏の形成を図る。
- 2)負の遺産の解消と新しい価値の創造
- 既成市街地については、基盤整備が遅れた環境水準の低い市街地も広範に存在しており、環境改善を同時に進める。また、今後、人口減少に伴い、既成市街地、郊外部にかかわらず、歯抜け状に市街地密度が低下していくことも予想されることから、農地や低未利用地を活用して、環境の劣化を防ぎ、新しい時代に対応した市街地空間の形成と環境改善を進める必要がある。
- その際、「都市美空間」、「安全で安心な都市の構築医」、「省エネルギー・省資源型都市の形成」等を目標としていく。
- 今後の予定
「都市交通・市街地整備小委員会」において引き続き審議を行い、平成18年度内を目途に最終とりまとめを行う予定。
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