平成18年2月8日 |
<問い合わせ先> |
航空局 |
技術部航空機安全課 |
(内線50220) |
管制保安部管制技術課 |
(内線51403) |
TEL:03-5253-8111(代表) |
- 現行の航空保安用レーダー(SSR:二次監視レーダー)は、過密空域において管制卓のレーダー画面に架空の標的(ゴースト)が発生する等の問題点があることから、精度が高く情報伝達量も多い「モードS」型に移行することがICAO(国際民間航空機関)で提唱された。
我が国においても、羽田再拡張等による航空交通量の増大に対応するため、国際標準に基づくモードSへの移行を順次進めてきた。
- 現在、我が国の管制空域の多くは複数のレーダーでカバーされているが、平成17年2月の中部国際空港開港に伴うモードS型レーダーの新設により、同空港周辺にモードSのみでカバーする空域が生じたところ、同年3月にモードSに正常な応答をしない航空機が、ごく稀に発見された。(17年3月〜平成18年1月における発生率は0.026%程度)
具体的には、レーダー画面に航空機の位置情報(一次レーダー情報)は表示されるが、便名・飛行高度等の情報(二次レーダー情報)が正常に表示されない現象が生じている。該当機については、2系統ある自動応答装置(トランスポンダ)を管制官の要請で切り替え、二次レーダー情報を正常に表示させること等により、航空交通の安全を損なう事態には至っていない。
- 本件に関し、航空局は、レーダー側に異常が認められないこと、欧州諸国でも同様の問題が生じていること等から、米国ロックウェルコリンズ社製の特定の自動応答装置(トランスポンダ)が経年劣化により正常な電波を発信できなくなるという不具合が原因であると判断して、該当機の運航者に個別に改善を指導してきた。
- これによりレーダー画面に現れる反応異常は減少しつつあったが、昨年末以降、航空路監視レーダーのデータ解析を強化したところ、従来型レーダーに正常に応答するためレーダー画面への異常は生じないがモードS型レーダーに正常に応答していない航空機があり、それが減少する傾向が見られないことから、今般、下記の措置を講ずることとした。
記
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内外の航空運送事業者に対し、該当する自動応答装置(トランスポンダ)について(前回検査時に正常であっても)精密点検など必要な措置を講じた上、18年5月末日までに措置内容を回答するよう求めるとともに、同趣旨の航空情報(サーキュラー)を発出する。 |
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の回答やデータ解析により、航空機運航者の対応が確認されるまでの間、モードS型の二次監視レーダーのみでカバーされる航空路の空域について、従来モードに戻して運用する。 |
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米国連邦航空局(FAA)に対し、ロックウェルコリンズ社への改善指導を要請する。 |
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ICAO等の国際会議の場で、各国に対し、自国エアラインに対する指導徹底を要請するとともに、国際的な取組みを働き掛ける。 |
なお、本件については、航空機無線局の電波の監視や質の是正を所管する総務省が、該当する航空運送事業者及び当該航空機の運航国(電気通信主管庁)に対し、改善を指導・要請しているところ。
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