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不動産鑑定評価基準等の改正について〜証券化対象不動産の鑑定評価に関する基準の明確化等〜

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 不動産鑑定評価基準等の改正について
 〜証券化対象不動産の鑑定評価に関する基準の明確化等〜

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平成19年4月2日
<問い合わせ先>
土地・水資源局地価調査課
(内線30364、30323)
TEL 03-5253-8111(代表)

 

今回の改正の背景とポイント

今回の改正に関する検討経緯

(参考)不動産鑑定評価基準の制定等の経緯
  • 不動産鑑定評価の拠り所となる統一的基準であり不当鑑定の判断根拠
  • 「不動産の鑑定評価に関する法律」成立直後の昭和39年に策定された「不動産の鑑定評価基準」、昭和40年の「宅地見込地の鑑定評価基準」、昭和41年の「賃料の鑑定評価基準」を昭和44年に一本化。その後、平成2年と平成14年にも改正

証券化対象不動産の範囲

(ポイント)
  1. 証券化スキームに着目し、該当する不動産に対する鑑定評価について依頼のあった場合は、依頼者を問わず証券化対象不動産として鑑定評価を実施
  2. 見込み段階のものから、従前に鑑定評価を行ったものの再評価までを含む
  3. 証券化対象不動産として鑑定評価を行った場合は、鑑定評価報告書にその旨を記載

■ 資産の流動化に関する法律に規定する資産の流動化並びに投資信託及び投資法人に関する法律に規定する投資信託に係る不動産取引並びに同法に規定する投資法人が行う不動産取引
■ 不動産特定共同事業法に規定する不動産特定共同事業契約に係る不動産取引
■ 金融商品取引法第2条第1項第5号(社債券)、第9号(株券又は新株予約証券)(専ら不動産取引を行うことを目的として設置された株式会社(会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第2条第1項の規定により株式会社として存続する有限会社を含む。)に係るものに限る。)、第14号(受益証券発行信託の受益証券)及び第16号(抵当証券)に規定する有価証券並びに同条第2項第1号(信託受益権)、第3号(合名会社若しくは合資会社の社員権又は合同会社の社員権)及び第5号(いわゆる集団投資スキーム持分)の規定により有価証券とみなされる権利の債務の履行等を主たる目的として収益又は利益を生ずる不動産取引

処理計画の策定に当たっての確認

(ポイント)
  1. 不動産鑑定士は、鑑定評価の依頼目的・背景、想定される証券化スキーム、依頼者と証券化関係者の関係等を把握する必要
  2. 証券化対象不動産の鑑定評価は、複数物件が短期間で依頼されることも多いことから、あらかじめ依頼者に対し、不動産鑑定士が鑑定評価の一環として必要事項を確認し、それを踏まえて処理計画を策定・変更

※ なお、証券化対象不動産の実地調査については、今回の改正において、依頼者(依頼者 が指定したものを含む。)の立会いの下、対象不動産の内覧の実施を含めた実地調査を行 わなければならない。

エンジニアリング・レポートの取扱いと不動産鑑定士が行う調査について

(ポイント)
  1. 証券化対象不動産の鑑定評価に当たり、不動産鑑定士は依頼者に対し当該鑑定評価に必要なエンジニアリング・レポートの提出を求め、その内容を分析・判断し活用
  2. 鑑定評価におけるエンジニアリング・レポートの活用に当たっては、不動産鑑定士が主体的に責任を持って判断
  3. エンジニアリング・レポートの提出がない場合や内容が不十分と判断する場合は、不動産鑑定士による調査等を実施し、内容や適切と判断した理由を鑑定評価報告書に記載

(鑑定評価報告書における記載事項)
■ エンジニアリング・レポートの基本的属性
  • エンジニアリング・レポートの作成者の名称等
  • エンジニアリング・レポートの調査が行われた日及び作成された日
■ エンジニアリング・レポートの入手経緯、対応方針等
  • 入手先(氏名及び職業等)
  • 入手した日
  • エンジニアリング・レポートの作成者からの説明の有無等
  • 入手したエンジニアリング・レポートについて鑑定評価を行う上での対応方針等
■ 次に掲げる専門性の高い個別的要因に関する調査について、エンジニアリング・レポートを活用するか又は不動産鑑定士の調査を実施(不動産鑑定士が他の専門家へ調査を依頼する場合を含む。)するかの別
■ それぞれの場合についての内容、根拠等
  • 公法上及び私法上の規制、制約等(法令遵守状況調査を含む。)
  • 修繕計画 ・再調達価格 ・有害な物質(アスベスト等)に係る建物環境
  • 土壌汚染 ・地震リスク ・耐震性 ・地下埋設物

○エンジニアリング・レポートの提出がない場合等の例

※エンジニアリング・レポートとは
建築物、設備等及び環境に関する専門的知識を有する者が行った証券化対象不動産の状況に関する調査報告書のことであり、鑑定評価の依頼者が別途専門家に作成を依頼したものを、不動産鑑定士が依頼者から提供されることが多い。

DCF法の適用等について

(ポイント)
  1. 証券化対象不動産の収益価格を求めるに当たっては、DCF法を適用
  2. 鑑定評価報告書の記載において、DCF法に活用した数値(賃料などの収益やプロパティマネジメントフィーなどの費用の額、最終還元利回り、割引率、資本的支出など)等の妥当性の判断根拠や積算内訳、DCF法の適用過程や相互の整合性を明確化
  3. 不動産鑑定士によりばらつきのあったDCF法の収益費用項目の統一と項目の定義の明確化

(収益費用項目)
(運営収益)
■貸室賃料収入
■共益費収入
■水道光熱費収入
■駐車場収入
■その他収入
■空室等損失
■貸倒れ損失
 (運営費用)
■維持管理費
■水道光熱費
■修繕費
■プロパティマネジメントフィー
■テナント募集費用等
■公租公課
■損害保険料
■その他費用
 ■(運営純収益)=(運営収益)−(運営費用)
  ■(純収益)=(運営純収益)+(一時金の運用益)−(資本的支出)

DCF法とは

今後のスケジュール

○ 平成18年度内 不動産鑑定評価基準等の改正案の決定

(周知期間の対応)

○ 関係方面への周知徹底(平成19年4月〜6月)

○ 投資不動産鑑定評価基準等検討小委員会において「証券化対象不動産の鑑定評価に係るモニタリングのあり方」を検討(平成19年4月〜)

○ 実務のフォローアップに着手(平成19年4月〜)

(新基準施行後の対応)

○ 平成19年7月
 改正不動産鑑定評価基準等の施行
 証券化対象不動産の鑑定評価に係るモニタリングの実施

○ 改正不動産鑑定評価基準の施行後は、年1回程度の不動産鑑定評価基準のフォローアップを行い、必要に応じて適宜見直し

※全文については、(別添1)、(別添2)参照のこと


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