国土交通省 Ministry of Land, Infrastructure and Transport Japan
エレベーター等における強度の低い鋼材使用の実態調査結果について


 

 




 エレベーター等における強度の低い鋼材使用の実態調査結果について
ラインBack to Home

平成19年9月7日
<問い合わせ先>
住宅局建築指導課
(内線39515)
TEL:03-5253-8111(代表)

 

 国土交通省では、(社)日本エレベータ協会を通じて、エレベーター又はエスカレーターを製造している会員企業において、本来予定していた鋼材よりも強度の低い鋼材を使用したエレベーター又はエスカレーターがないかどうかについての実態調査を要請していたところです。
 今般9月5日に、同協会、(株)日立製作所及び三菱電機(株)より、SS400材を予定していたのに対し強度の低いSPHC材を構造材に使用したエレベーターについての調査報告がありました。

 
本実態調査は、フジテック(株)製のエレベーター及びエスカレーターにおいて、同様の問題が判明したことをきっかけとして行ったもの。フジテック(株)、(株)日立製作所及び三菱電機(株)製を除く他のエレベーター及びエスカレーターについては強度の低い鋼材の使用はなかったとの報告を受けた。
SPHC材の強度は、SS400材の3分の2程度
構造材:建築基準法上、所要の強度計算により強度を確保することが義務付けられている部材

  1. (株)日立製作所が(株)内原電機製作所に委託して製造したエレベーター
    (1)   エレベーターの製造者
        (株)日立製作所(東京都千代田区)
    (2)   エレベーターの製造委託先(当該鋼材の購入を含む。)
        (株)内原電機製作所(茨城県水戸市)
        ※(株)内原製作所は(社)エレベータ協会の会員企業である。
    (3)   強度の低い鋼材の購入先
        (株)スズヤス(東京都中央区)
        ※ 以上3社の関係については別紙1参照
    (4)   対象エレベーター
        エレベーターの種類
        油圧式エレベーター(荷物用)
        製造期間及び台数
        1999年11月〜2007年6月に製造した256台
        SS400材の予定に対しSPHC材が構造材として使用された部位かごの下枠(プーリビーム、ベース)、かご床版(床補強材)
        ※ 別紙2の図を参照
      強度の検証結果
        再度強度計算を行った結果、建築基準法に定める基準に対し強度が不足しているエレベーターはなかったとの報告を受けた。
         

  2. 三菱電機(株)が(株)内原電機製作所に委託して製造したエレベーター
    (1)   エレベーターの製造者
        三菱電機(株)(東京都千代田区)
    (2)   エレベーターの製造委託先(当該鋼材の購入を含む。)
        (株)内原電機製作所
    (3)   強度の低い鋼材の購入先
        (株)スズヤス
        ※ 以上3社の関係については別紙3参照
    (4)   対象エレベーター
        エレベーターの種類
        油圧式エレベーター(人荷用、荷物用)
        製造期間及び台数
        2003年7月〜2007年2月に製造した59台
        SS400材の予定に対しSPHC材が構造材として使用された部位かごの下枠(プーリビーム、ベース)、かご床版(床補強材)
        ※ 別紙2の図を参照
        強度の検証結果
        再度強度計算を行った結果、建築基準法に定める基準に対し強度が不足しているエレベーターはなかったとの報告を受けた。

  3. 三菱電機(株)が一部の構造材の製造を外部に委託して製造したエレベーター
    (1)   エレベーターの製造者
        三菱電機(株)
    (2)   強度の低い鋼材を使用した構造材の製造委託先
        名古屋精密工業(株) (愛知県小牧市)(委託先)、(株)古田鉄工(岐阜県加茂郡坂祝町)(再委託先(当該鋼材の購入を含む。))
    (3)   強度の低い鋼材の購入先
         (株)丸杉(岐阜県岐阜市)
        ※ 以上4社の関係については別紙4参照
    (4)   対象エレベーター
      エレベーターの種類
        ロープ式エレベーター(乗用、人荷用、荷物用)
      製造期間及び台数
        2003年8月〜2007年7月に製造した1177台
      SS400材の予定に対しSPHC材が構造材として使用された部位おもり返し車支持梁
        ※ 別紙5の図を参照
      強度の検証結果
        再度強度計算を行った結果、建築基準法に定める基準に対し強度が不足しているエレベーターはなかったとの報告を受けた。
      三菱電機(株)から、上記のほか、外部に製造委託した一部の補助材(建築基準法上、所要の強度計算が義務付けられていない補助的な部材)にSS400に代えてSPHCが使用されたエレベーター及びエスカレーターがあったが、強度上問題はないとの報告を受けた。

  4. 国土交通省としての対応
    (1)    強度の低い鋼材が構造材に使用された(株)日立製作所製及び三菱電機(株)製のエレベーターについて、建築基準法第12条第5項の規定に基づき両社から報告を求め、建築基準法に定める基準に対し強度上問題がないことを確認するよう、都道府県を通じて当該エレベーターの所在地の特定行政庁に要請する。
         
       特定行政庁において、建築基準法に定める基準に対し強度が不足していることが確認された場合は、当該エレベーターの所有者等に対し、是正計画の提出及びそれに基づく是正措置の実施を求めるとともに、是正措置が講じられるまでの間、積載量の制限等により安全対策を講じるよう指導
         
    (2)    当該エレベーターの製造者である(株)日立製作所及び三菱電機(株)に対し、強度の低い鋼材が使用されたことについて厳重に注意するとともに、原因の究明及び再発防止策をとりまとめ、国土交通省に提出するよう求める。また、当該エレベーターや構造材の製造委託先企業、鋼材納入企業に対しても、原因の究明及び再発防止策をとりまとめ、国土交通省に提出するよう求める。(以上経済産業省と連携して実施)
         
    (3)    今回の実態調査は、(社)日本エレベータ協会を通じて、エレベーター等を製造している会員企業に対し、原則として当該企業が直接購入している鋼材を対象に実施したところであるが、今般、エレベーターや構造材の製造委託先企業が購入した鋼材に問題のあった案件が判明したことから、再度、会員企業製のエレベーター等における製造委託先企業が購入した鋼材についても実態調査を行うよう要請する。


 PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Acrobat Readerが必要です。右のアイコンをクリックしてAcrobat Readerをダウンロードしてください(無償)。
 Acrobat Readerをダウンロードしても、PDFファイルが正常に表示されない場合はこちらをご参照下さい。

アクロバットリーダーホームページへ
(ダウンロード)

ライン
All Rights Reserved, Copyright (C) 2007, Ministry of Land, Infrastructure and Transport