国土交通省 Ministry of Land, Infrastructure and Transport Japan
SAS対応マニュアル「「睡眠時無呼吸症候群」に注意しましょう!」を見直しました!


 

 

 


 SAS対応マニュアル
 「「睡眠時無呼吸症候群」に注意しましょう!」
 を見直しました!

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平成19年6月1日
<問い合わせ先>
自動車交通局
 総務課安全監査室

(内線41176)

TEL:03-5253-8111


 

  1. 経緯
     平成15年2月26日、山陽新幹線の運転士が居眠り状態となり、自動運転制御装置により停止するという事件が発生しましたが、その後の検査で当該運転士は「睡眠時無呼吸症候群」(Sleep Apnea Syndrome。以下「SAS」という。)であると診断され、陸海空の交通機関に共通する問題であることが明らかとなりました。
     このため、自動車交通局においては、同年3月18日、事業者・運転者向けの平易なマニュアル「「睡眠時無呼吸症候群」に注意しましょう!」を定め、同マニュアルを活用してSASの周知に努め、早期発見・早期治療を促してきたところです。
     当該マニュアルも作成後4年を経過し、また、近年の研究では、中等度〜重度のSASに罹患している場合でも、日中に強い眠気を感じない人が多くいることがわかってきたため、今般、当該マニュアルを一部改訂して別添のとおり定め、本日、関係団体あて通知しました。

  2. 主な改訂の概要
    (1)
     近年の研究で、中等度〜重度のSASに罹患している場合でも、日中に強い眠気を感じない人が多くいることが判明しているため、日中に強い眠気を感じない人であっても、スクリーニング検査注を受けて、睡眠中の呼吸障害の程度を客観的に把握することが重要であることを明記しました。
     注:SASの早期発見を目的に、より多くの人を対象として、SASの確定診断のための精密検査が必要かどうかを客観的に把握するために行う簡易な検査。
    (2)
     スクリーニング検査の方法として、従来からのパルスオキシメトリ法(指先に付けたセンサにより、睡眠中の動脈血の酸素量をモニタリングし、睡眠中の無呼吸や低呼吸に伴う酸素量の低下回数から呼吸障害の程度を客観的に把握する検査。)に加え、新たにフローセンサ法(鼻と口の先に付けたセンサにより、睡眠中の気流状態をモニタリングし、睡眠中の無呼吸や低呼吸の程度を客観的に把握する検査。)を紹介しました。
    (3)
     従前、マニュアル本文中に記載していた「病的な眠気の程度を調べる自己判断テスト」(Epworthの眠気テスト)については、当該テストのみでSAS患者の絞り込みを行うという不適切な使われ方をされるおそれを少なくするため、マニュアルの末尾に参考として記載しました。
    (4)
     SASの診断とCPAP(シーパップ/経鼻持続陽圧呼吸療法。睡眠中に鼻にマスクをつけ、空気を持続的に送り込むことで喉の奥を押し広げて無呼吸を防ぐ治療。)による治療に対応している医療機関が増加していることから、日本睡眠学会及び社団法人全日本トラック協会のホームページに掲載されている「医療機関等の一覧」のアドレスを記載しました。

  3. 通知の概要
    (1)
     マニュアルを活用し、SASの早期発見・早期治療の重要性について、運転者、運行管理者及び人事・労務担当者等全ての関係者に周知すること。
    (2)
     SASの早期発見のため、日中に強い眠気を感じない運転者も簡易なスクリーニング検査を受診するよう努めること。
    (3)
     スクリーニング検査でSASの確定診断のための精密検査が必要と判断された場合には、精密検査を受けるとともに、SASと診断された場合には、適切な治療を受けるよう当該運転者を指導すること。
    (4)
     SASと判明したからといって乗務からはずすなどの差別的な扱いをしないこと。不利な扱いを避けるためにSASであることを隠し、治療を受けないで運転業務を続けることが最も危険な状態であることを理解すること。
    (5)
     SAS以外にも、居眠り運転や眠気に起因した漫然運転と関連した様々な病気があることが知られており、原因不明の過度な眠気がある場合には、これらの早期発見・早期治療の観点からも、専門医療機関への受診が重要であることを理解すること。

  4. 国土交通省の今後の対応
    (1)
     独立行政法人自動車事故対策機構が実施する運行管理者等指導講習等において、スクリーニング検査により睡眠中の呼吸障害の程度を客観的に把握することの重要性を周知徹底します。
    (2)
     国土交通省のホームページに当該マニュアルを掲載するとともに、運送事業者における先進的な取組事例を紹介し、SASの早期発見・早期治療を啓発していきます。


     参考として筑波大学における眠気の自覚等と睡眠呼吸障害の有病率に係る調査結果を掲載しましたが、調査対象のトラック運転者5,247人のうち、129人(2.5%)に重度の睡眠呼吸障害がみられました。


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