平成19年11月30日 |
<問い合わせ先> |
航空局技術部運航課 |
(内線50104) |
TEL:03-5253-8111(代表)
|
平成19年11月30日、航空・鉄道事故調査委員会は、平成19年4月9日富山県富山市水晶岳付近に墜落し機長及び乗客1名の計2名が死亡、乗員3名及び乗客5名の計8名が負傷したアカギヘリコプター株式会社所属JA9203機(富士ベル式204B−2型)の航空事故等3件の航空事故調査報告書及び4件の航空重大インシデント調査報告書を公表した。
これらの航空事故調査報告書等を踏まえた航空局の対応については以下のとおりである。
-
回転翼航空機による人員輸送の安全対策の徹底
-
回転翼航空機による人員輸送の安全確保について、以下の安全対策を関係団体・関係者に対し周知徹底するとともに、当省ホームページに掲載する。
また、東京航空局はアカギヘリコプター(株)に対して当該安全対策の措置状況について報告を求めるとともに、本年度内に随時監査を実施する予定である。
- 規程の遵守と安全意識の徹底
航空運送事業者にとって、乗客の生命を守ることが第一であることにかんがみ、安全運航を確保するための規程が遵守されるよう安全意識を徹底させるとともに、安全管理体制を確立すること
- 天候急変時等における離着陸地点の接地帯標識の表示
離陸操作中に視程の悪化を認識した場合は、離陸を直ちに中止して離陸地点付近にすみやかに再接地すること
また、天候が急変し易く、不意に視程悪化やホワイトアウトに陥る可能性のある環境においてやむを得ず離陸を行う場合には、離陸地点を見失わないよう、操縦席の前方に接地帯標識等の目標となるものを設置すること
- 基本的な計器による飛行技量の保持
本事故現場のような標高の高い山岳地を飛行する操縦士は、基本的な計器による飛行能力を保持させるよう普段から訓練を積み、できる限り定期的に行われる審査のなかで技量の確認を受けること
また、必要な場合は直ちに基本的な計器による飛行に切り替えて速やかにその状況から離脱できる能力を日頃から養成しておくこと
- 環境条件が厳しい地域を目的地として運航する航空機に搭乗する者の心得
航空運送事業者は、本事故のような環境条件が厳しい地域に離着陸する場合には、乗客に対して環境条件に適した装備を行うことを推奨するとともに、必要な場合には搭乗者数分の環境条件に適した装備を行うこと
- ELT(航空機用救命無線機)の装備
ELTの装備については「山岳地帯を有視界飛行方式により飛行するヘリコプターに対する航空機用救命無線機の装備について」(空航第453号、平成4年7月10日付け)により指導してきたところであるが、山岳地帯を飛行する回転翼航空機の運航者は、遭難や墜落した場合の捜索救難活動を容易にするため、所属する回転翼航空機にELTを装備すること
なお、可能な限り自動型ELTを装備すること

All Rights Reserved, Copyright (C) 2007, Ministry of Land, Infrastructure and Transport