I　基本的な考え方

　本報告は、「２１世紀初頭における総合的な交通政策の基本的方向について」（諮問第２０号）を検討するにあたり、その検討の前提となる旅客・貨物に係る２０１０年の輸送需要等を予測することを目的とするものである。
　本報告では、２０１０年における輸送需要を次のような基本的な考え方のもとに行っている。

（１）	２１世紀初頭における経済社会情勢の変化を展望しつつ、２０１０年度時点での具体的な経済社会フレーム等の前提条件を設定して、輸送需要予測を行った。
（２）	長期的な経済社会情勢は、先行き不透明な部分があるため、輸送需要予測の前提条件である経済成長率等について複数の代替案を設定し、輸送需要は幅を持たせて予測を行った。
（３）	本予測は、現時点までの輸送需要に関する統計データ、経済社会情勢に関する統計データ、政府の見通し等に基づいて行っている。したがって、情報化の進展が輸送に及ぼす影響等現時点における輸送需要に関する統計データに現れていないものについて考慮した予測とはなっていない。