国土交通省
結び
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(1 )我が国の交通システムは、未だ解決すべき課題も多く抱えているものの、今や世界第2位の地位となった巨大な経済大国の日々の活動を支えるまでに成長した。ここでは、厳しい自然条件を克服するために世界の最先端の技術を駆使した交通インフラが随所に展開されており、また、自動車交通が大きく発達する中で、稠密な居住、四方を海で囲まれた地形条件等に対応して鉄道や海運が重要な役割を果たす交通システムを実現している。
 今後、環境等の面での制約がますます強まる中、より自由で快適なモビリティへの要請との調和を図りつつ、我が国の経済社会の中でこの交通システムをどのように維持・改善していくのか。当審議会は、この問題に答えるため、これまでの我が国の交通システムを振り返り、21世紀に向けて大きく変化する経済社会情勢を見通し、「経済社会の変革に対応するとともに変革を促すモビリティの革新」という目標に沿って、新しい時代に相応しい交通システムを確立していくための基本的な考え方を提起した。これについて広く国民の議論を喚起したい。
 なお、様々な技術革新が予想される21世紀には、交通分野においても、技術開発は、諸課題の抜本的な解決や革新的なサービスの提供を実現する大きな可能性を有している。このため、本文で具体的に指摘した事項に加え、広く高速化、省エネルギー化、低公害化、空間の高度利用等に資する技術の開発と実用化を進め、交通システムの高度化に寄与していくことは、モビリティの革新を図る上で極めて重要であることを付言しておきたい。
 
(2 )本答申に掲げられた政策の実現のためには、関係省庁や地方公共団体との連携が不可欠である。21世紀の到来に合わせ、平成13年1月には、運輸省、建設省、国土庁及び北海道開発庁が統合されて国土交通省が発足する。総合的な交通体系の整備を担当することとされた同省を中心に、警察その他の関係機関の協力のもと、本答申に掲げられた政策が強力に推進されることを期待する。
 また、これらの政策には、中長期にわたる取り組みを要するものも多い。このため、当審議会の機能を引き継ぐものとして国土交通省に新たに設置される交通政策審議会が、本答申の実施状況に関するフォローアップを行うことを期待する。

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