鉄道事故調査に関する意見
平成12年7月31日
事故調査検討会
座長 井口 雅一
(背景)
当事故調査検討会は、本年3月8日に営団日比谷線中目黒駅構内において発生した列車脱線衝突事故について、その脱線の原因を明らかにするための調査検討をこれまで精力的に行ってきたところであり、6月27日には調査検討結果の中間取りまとめを行ったところである。
当事故調査検討会としては、今後、さらに脱線の原因について検討を深めるとともに、事故の再発防止のための具体的な安全対策に関する検討を行い、さらなる研究の取組みが必要な課題についても整理を行った上で、今秋を目途に最終報告を取りまとめるべく、現在鋭意検討を進めているところである。
このように、今回の事故調査は、現体制のもとで概ね滞りなく行われているところであるが、今後、どのような事故の発生形態、条件においても適切な事故調査を行っていくためには、今回の事故調査の経験を踏まえ、事故調査体制について一層の充実を図ることが必要であると考える。
このため、以下のとおり「鉄道事故調査に関する意見」として、取りまとめたので提出する。
(鉄道事故調査に関する意見)
今回の事故調査の経験を踏まえれば、今後、事故調査のより一層の充実を図るため、以下のように取り組むことが必要である。
1.
事故発生時の即応性の確保、事故調査に関するノウハウやデータの蓄積及び事故調査の継続性の確保が必要である。このため、専門技術的な立場から事故 調査を実施することができる常設・専門の調査体制を整備し、再発防止策が講じられる体系を構築すること。
2.
1に掲げる事故調査を円滑に遂行するために、報告徴収、物件の留置等を可能とすること。
3.
鉄道事故に関する基礎的研究を推進すること。
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