3. | 近年における観光をめぐる現状及び課題 |
○ | 「まち」の再活性化ニーズの増大(均一化した「まち」の表情への反省) |
・ | 我が国においては、「まち」の表情は均一化する傾向にあり、国民ニーズの多様化、高質化に十分に応えられていないため、観光によるまちづくりの推進が求められている。
(課題) | → | 関係者の合意形成や人材育成、組織づくり、計画的な事業推進等 |
| → | マイカーによる渋滞の発生やまちづくりと一体となった街路整備
・水辺整備等、観光情報の収集・提供システムの整備等
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○ | 観光分野におけるIT化ニーズの増大 |
・ | カーナビゲーションや携帯端末等を通じた公共交通機関関連情報を含めた観光情報を電子地図と組み合わせた形での提供、
インターネット上での交通機関や宿泊の予約・決済等ネット社会の進展に伴う観光分野での利便性向上については、社会的な期待が非常に大きい状況にある。
(課題) | → | 新技術を活用したリアルタイムの情報提供 |
| → | 電子商取引に関しての利用者保護の仕組みづくり |
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○ | 高齢者等が「気軽」に旅行できる環境整備ニーズの高まり |
・ | 高齢者、障害者や訪日外国人旅行者等の人々が安心して「気軽」に旅行できる環境の整備ニーズが高まっている。
(課題) | → | 公共交通機関・宿泊施設や観光施設等のバリアフリー化
| | → | バリアフリー施設についての情報発信 |
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○ | 環境保全・向上の必要性の増大 |
・ | 経済的な視点からの開発が先行し、貴重な資源を傷めたり、定住環境を悪化させる等の事象が生じかねないが、
国民の環境意識が高まってきている中、自然環境や文化財・文化遺産を良く保存していくことが重要である。
(課題) | → | マイカーによる渋滞の発生が環境汚染につながる場合があること
| | → | 地域で対応しきれない過度な観光客が来訪する場合があること |
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○ | 訪日外国人旅行者数の伸び悩み |
・ | 訪日外国人旅行者数は、日本人海外旅行者数1,640万人の約4分の1である440万人、世界36位と極めて低水準であるため、積極的に訪日外国人旅行者数の増加に取り組む必要がある。
(課題) | → | 効率的な訪日促進キャンペーン、外国人の多様な関心に応える旅行商品やサービス等の提供 |
| → | 近隣諸国との広域連携による外客誘致活動にあたっての関係機関等の連携 |
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○ | 観光のもつ魅力の相対的低下 |
・ | 余暇時間の過ごし方や消費行動が多様化する中で、観光以外の多様な楽しみ方のメニューが増え、観光の魅力が相対的に低下してきている。
(課題) | → | 魅力ある「まち」についての情報収集・提供システムが不十分であること
| | → | 新しいツーリズムへの対応が不十分であること |
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○ | 国民生活の変化に対応した観光産業の変革の遅れ |
・ | 国民の旅行ニーズの多様化・個性化の傾向が顕著になってきており、新しいツーリズムの展開に対する期待も高まっている。
(課題) | → | 団体客対象の旅行を中心に形成された現在の国内旅行システムの改善 |
| → | 観光サービスに携わる人材の育成、観光に関する総合的な研究を行う体制・システムの整備 |
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○ | 長期滞在型旅行の伸び悩み |
・ | ゆとりや快適さがより一層重要視されるようになる中、旅行需要が大きく増加していることからも、連続休暇の拡大へのニーズが高まっている。
(課題) | → | 長期滞在型旅行に適した魅力的な旅行商品やサービスの提供
| | → | 年次有給休暇の取得率の低さ、学校における休暇取得の困難さ |
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○ | 国民の日常的、基本的マナーやホスピタリティ意識の不十分さ |
・ | 観光交流においては接する人同士のマナーは極めて大きな意味・役割がある。
(課題) | → | 国民全体の日常的、基本的マナー、観光客としてのマナーについての社会的取組み
| | → | 地域の人々の交流意識が低いこと |
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| ○ | 国民ニーズに適合した「企業改革」 |
| | −旅行会社による取組み− |
| | → | 企画力のある専門性の高いコンサルティング機能の充実 |
| | −宿泊施設経営者等による取組み− |
| | → | 空室在庫管理、イールドマネジメントの強化、コスト管理の徹底、サービス内容の充実 |
| | −旅行会社及び宿泊施設経営者等の連携− |
| | → | 観光産業全体の意識改革、「企業改革」のための共同での取組み |
| ○ | 観光産業の社会経済への貢献の大きさに関する積極的PRとその組織的推進b> |
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→ |
観光産業の市場規模、経済波及効果についての定量的分析 |
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民間事業者等の積極的な連携と戦略的な取組み、組織化による一体的推進 |
| ○ | 優秀な人材の確保・育成のための総合的取組み |
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→ | 関係者が連携した観光学に関する研究の充実 |
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総合的、効率的な人材育成をめざした産官学の連携ネットワークの構築 |
| ○ | 新しいツーリズムへの対応 |
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地方自治体やNPO等の新しいツーリズムの創造・定着に対する取組みの支援 |
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新しいツーリズムについて適切かつ安全に案内できる人材の育成、組織化 |