港湾運送事業の効率化やサービスの向上が我が国の港における喫緊の課題であることに鑑み、規制緩和を行うのと同時に、以下のような方策をとることによって、効率化やサービスの向上を一層促進すべきである。
「港湾運送事業の将来像」において指摘したように港湾運送事業の集約・協業化等による規模拡大、体力強化や、効率化のための作業の共同化等を図ることが急がれるところから、以下のような方策をとるべきである。
日曜荷役、夜間荷役は、外航コンテナ船を中心に実施されているところであるが、それ以外の部分においては、必ずしも円滑な取組が行われていない面もある。
日曜荷役、夜間荷役に関しては、基本的に労働者の交代制が取られていない現状の下、その実施のために必要となる時間外手当等の追加的労働コストをどのように負担するか、また、労働者の労働条件の悪化防止をどのように図るか等解決が困難な点があるのは事実である。
ただ、港湾運送事業のサービス改善のためには、船社、荷主等港湾ユーザーのニーズがある場合には、労使双方が柔軟にその実現のための条件を探っていくという対応も必要になってくるものと思われる。
特に、地球環境問題からその利用が促されているRORO船等のモーダルシフト船並びに全体の荷役量の増加や国内主要ハブ港の活性化に役立つ内航フィーダー船に係る日曜荷役や夜間荷役など弾力的な荷役の実施に向けての取組が重要であると考える。
また、その際には、必要な荷役量が継続して存在することが前提であるが、荷役量に応じて交代制の導入も検討されるべきであると考える。
また、日曜荷役や夜間荷役の割増料金の問題に関しては、休日や夜間の労働者の割増賃金を料金体系の中でどのように織り込んでいくかという問題と考えるが、必要に応じ、港湾運送事業者と船社、荷主間でフラット料金など柔軟な料金制度の導入の可能性を探っていくことも必要と考える。
さらに、夜間荷役の実施に関しては、必要に応じ、港湾労働者の待機、購買、飲食等のための施設整備や通勤手段の確保も重要と考える。
また、コンテナヤードのゲートのオープン時間の弾力的運用も望まれるところである。
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