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まえがき

 平成10年3月に閣議決定された「21世紀の国土のグランドデザイン」では、国土計画の理念の明確化、地方分権等の諸改革への対応、指針性の充実等により、21世紀に向けた新たな要請にこたえ得る国土計画体系の確立を目指すこととされた。
 このため、平成11年1月に国土審議会に政策部会(部会長:中村英夫武蔵工業大学教授)が設置され、同部会の国土計画体系専門委員会(委員長:星野進保総合開発研究機構前理事長)を中心に調査審議を進め、平成12年6月には「『21世紀の国土計画のあり方』審議経過報告」を取りまとめるとともに、これに対する各界からの意見を聴取してきた。また同審議経過報告において、全国総合開発計画及び国土利用計画全国計画を国土の利用、開発及び保全に関する一つの基本計画として統合的に示すことを提示したことを受け、平成12年9月に土地政策審議会に計画部会(部会長:小澤紀美子東京学芸大学教授)が設置され、国土計画のあり方に関する調査審議を両部会合同で進めてきた。 以上のような調査審議を経て、本日、これまでの審議を総括し、「21世紀の国土計画のあり方」に関する報告として取りまとめた。

 審議に当たっては、これまでの国土計画に関する評価を踏まえつつ、IT(情報技術)革命を伴ったグローバル化の進展、人口減少・高齢化の進行、地球環境問題等、我が国が直面する様々な課題に的確に対応できる21世紀の新たな国土計画のあり方を検討することとした。
 特に、国から地方公共団体への権限の委譲や、地方税財源の充実・確保など地方公共団体の自主・自立に関する取組が進展する中、国土計画においても、地方分権時代にふさわしい計画体系を構築することを目指した。
 また、財政状況が逼迫し、投資余力の減少が見込まれる中、各般にわたる公共事業を一層重点的、効率的に進めることが求められている状況に鑑み、地域間連携の促進、国土基盤整備への国土計画の指針性の充実等により、こうした要請にこたえ得る国土計画体系の確立を目指した。

 今回の報告では、このような認識の下、構築されるべき新たな国土計画体系の基本方向を示すとともに、今後の新たな制度の確立に当たって検討すべき課題を広い範囲にわたって指摘した。平成13年1月以降の新体制の下では、一つの基本計画を統合的に示す等の本報告の考え方を踏まえ、また、中央省庁等改革の基本理念に則り、関係方面の密接な連携の下、新たな制度の確立に向けた審議が一層深められることを期待する。
 また、こうした新たな国土計画体系の明確化等の検討と合わせ、時代の要請に応える観点から、各種の地域振興計画等の国土計画に関連する諸計画や、関係法制度のあり方についての検討が行われることを期待する。地方公共団体の国土計画をめぐる制度についても、そのあり方についての検討がなされることを期待する。

平成12年11月16日
国土審議会政策部会
土地政策審議会計画部会

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