「21世紀の国土のグランドデザイン」 第1部 第1章


第1部 国土計画の基本的考え方

第1章 21世紀の国土のグランドデザイン

 我々は、今、21世紀の幕開けのときを迎えようとしている。21世紀の文明の相貌はいまだ判然とはしないものの、人類社会が新世紀にふさわしい新しい文明を生み出し、明るい未来を切り拓くことが強く期待されている。

 経済面での欧米諸国へのキャッチアップを終えた地球社会のフロントランナーの一員として、環境、資源の有限性が強く意識される21世紀において求めるものは、経済的な豊かさとともに精神的な豊かさを味わうことができる、ゆとりと美しさに満ちた暮らしを実現することである。このため、豊かな生活の源泉である経済社会の活力を維持しながら、その恵みによって人間を癒すものである自然を保全し回復するとともに、人間の行うあらゆる活動に豊かな充実感と生きる意味を与えるものである文化を創造し、人々に多様な暮らしの選択可能性を提供することのできる国土の構想が求められる。この計画においては、これを21世紀の国土のグランドデザインとして提示する。


次頁「第1節 国土をめぐる諸状況の大転換」へ
目次へ
「21世紀の国土のグランドデザイン」トップページへ