第4節 4つの国土軸の展望各地域の潜在的な可能性を踏まえ、国土軸としての発展方向及び近隣諸国との交流をはじめとする国際交流の姿を展望すれば、それぞれ、次のようなものとなろう。 「北東国土軸」には、自然と共存できる適正な規模を有する21世紀型の都市集積と中小都市とを含む都市のネットワークと豊かな森林に覆われた山脈、広大な流域を持つ河川とそれらに沿った盆地が形作る自然のネットワークが重層的に形成されていく。また、アジア・太平洋地域や北方圏との交流を深めていくが、なかでも、広大な北海道には北方圏に重点をおいた国際交流拠点が形成されていくこととなる。 「日本海国土軸」には、歴史と伝統に富んだ都市のネットワークと降雪量が多い山地や河川、沿岸に連なる中小平野等からなる自然のネットワークが重層的に形成されていく。また、日本海を取り巻く朝鮮半島、中国北東部、ロシア沿海州との間で、日本海の環境保全のための国際協力を進めるとともに、経済面、文化面での交流を深めることを通じて環日本海交流を推進する地域となっていく。 「太平洋新国土軸」には、海洋性を生かした開発と環境保全を両立させた先進的な都市のネットワークと黒潮洗う半島、島しょから内海にかけて温暖な気候によって育まれた自然のネットワークが重層的に形成されていく。また、急速に発展するアジア・太平洋地域との交流を深めていくが、なかでも、その地理的、歴史的特性から沖縄に重要な国際交流拠点が形成されていくこととなる。 「西日本国土軸」には、都市的色彩を強く保った集積地帯と内湾、内海とそこに注ぎ込む河川、人工林や農地等の二次的自然を適切に管理した周辺地域が連携した、より魅力的な居住地域が形成されていく。また、アジア・太平洋地域に数ヵ所形成されていくとみられる世界的メガロポリスとの間で競争しつつ、役割分担していくこととなる。 |
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