地方振興

紀伊地域

地域の概況等

 紀伊地域(以下、「本地域」といいます。)は、紀伊半島を東西に走る「中央構造線」の外帯に属し、三重、奈良、和歌山3県の15市33町9村により構成され、関西圏と名古屋圏の2大都市圏に近く、その全域が直線距離にして、大阪から150km圏、名古屋から250km圏に含まれる地域です。面積は約10,038k㎡、国土の2.7%、人口は約123万人、総人口の1.0%を占めています。本地域の中央部には、台高、大峰、伯母子の急峻な3つの山脈が南北に走り、山岳地帯は200mから1,800mの高度であり、山地を流れる紀の川水系、新宮川水系、宮川水系等により、河川は深いV字谷を形成しています。また、平地は、伊勢平野と紀の川河口部以外では、主要河川流域に僅かに見られる程度で、人口の大半は、これら河川沿いの平野や臨海部の都市に集中し、内陸山間部では極めて人口が希薄な地域が多くなっています。海岸線は、一部を除き、ほとんどが沈降海岸独特の複雑な形状をなし、断崖絶壁が多く、自然景観に優れているとともに、天然の良港を形成しています。
 気候は、西部の瀬戸内型、東部の東海型、南部の南海型に分類されますが、黒潮の影響を受けて年間を通じて比較的温暖であり、年平均気温は、潮岬で17.1°C(平成26年)となっています。また、本地域は多雨地帯に属し、年間降水量は極めて多く、尾鷲市では年間降水量3,692mm(平成17年~26年の平均)、日照時間の長さは全国有数で、潮岬で年間2,233時間(平成17年~26年の平均)です。
 このような地形と気候から、動植物相にも特性があり、多様性のある自然環境を形成し、伊勢志摩国立公園、吉野熊野国立公園、室生赤目青山国定公園、高野龍神国定公園をはじめとする、多くの自然公園を有しており、広く国民に観光の場を提供するとともに、生物研究などの学術研究の宝庫ともなっています。
 一方、水産資源にも恵まれ、漁労文化のストックも多く、尾鷲、那智勝浦等を拠点とする、かつお、まぐろ漁や、海岸部の地形的特性を利用した、まだい、はまち等の養殖も盛んです。さらに、歴史、文化的条件からみると、古代国家の成立以来、東京遷都まで都が置かれた畿内の外縁部にあたる本地域は、古くから文化・情報の発信基地であり、また 、日本人の精神的ふるさととして、伊勢、吉野・大峯、熊野、高野など多くの信仰の聖地を有しています。また、世界遺産登録されている「紀伊山地の霊場と参詣道」は広大な範囲にまたがる歴史的資産と、人々と自然の関わりの中で培われた文化的景観が高く評価されたものであり、国内外から紀伊半島地域に対する関心が高まっています。

お問い合わせ先

国土交通省国土政策局 地方振興課 半島振興室
電話 :(03)5253-8111(内線29554)
ファックス :(03)5253-1588

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