「里浜づくり研究会」では、海辺と地域の人々との関係のあり方、密接なつながりの回復に向けた取り組みの方向性などについて、検討を進 めてきました。
2003年5月には、同研究会において、「里浜」を培い、育て、つくりだしていく運動や様々な散り組みとして、「里浜づくり」の推進が宣言され、さらに 2006年3月には、先行する事例より、参考となるヒントやアイディアをとりまとめた“「里浜づくり」のみちしるべ”が策定されました。
国土交通省としても、この宣言を真撃に受け止め、“「里浜づくり」のみちしるべ”を参考に、人々と海辺とのつながりを深め、「里浜づくり」を進めるため のソフト面、ハード面両面の各種取り組みを進めて参ります。
里浜は、一昔前は当たり前であった、多様で豊かな「海辺と人々のつながり」を現代の暮らしにかなう形で蘇らせた浜のことです。
一昔前と現在では、海辺の様相も人々の生活様式も変わっています。現在や今後の海辺と人々のつながりは、かつてのものとは異なる面があり、海辺の自然環 境の保全・再生、ビーチスポーツなどによる海辺の利用などについても踏まえながら、現代の暮らしにかなう形で新たに海辺を蘇らせることが必要です。
里浜づくりは、地域の自然と歴史を尊重し、海辺と人々とのつながりを見つめ直すことから始まります。それぞれの地域の状況や海辺と人々とのつ ながりの濃淡、内容により、里浜づくりの進め方も自ら違うはずで、時代によっても変化していくものかもしれません。マニュアル的な進め方のモデルはないの です。
このため、「地域の人々」、「行政」、「専門家」といった個々の主体が、それぞれ自分たちの海辺について、何が問題か、何が大事か、自らの暮らしと海辺 のつながりはどうあるべきかなどについて考え、議論し、活動していくことが必要です。
「里浜づくり」とは、これらを通じて、長い時間をかけて、地域の人々と海辺との固有のつながりを培い、育て、つくり出していく運動や取組みのことです。 このような各主体の営みの中で、人々は海辺を地域のコモンズ(共有空間)として意識することができると考えます。
「里浜づくり」は地域の自然と歴史を尊重し、海辺と人々とのつながりを見つめ直すことから始める必要があり、そのアプローチは様々です。里浜 づくり研究会では、先行する事例より里浜づくり活動の初期段階を中心に参考となる情報を抽出し、“「里浜づくり」のみちしるべ”をとりまとめていますが、 ここで示すヒントやアイディアがすべてではなく、地域にあった工夫が必要になります。
“里浜づくり宣言”や“「里浜づくり」のみちしるべ”を参考にして、活動を始める地域がさらに広がることを期待します。
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