上下水道

給水栓の製品の一部における不具合の発生について

事務連絡
平成12年10月2日       

各都道府県水道行政担当部局   
各水道事業者担当部局     御中
厚生労働省健康局水道課

給水栓の製品の一部における不具合の発生について

 標記について、給水栓(台所用シングルレバー混合栓)の製品の一部において、吐水時に黒い異物が混入する不具合が発生することがあることについて、情報提供いたします。  なお、本件について、不具合が発生した場合には、当該製品の製造会社が速やかに対応することとなりますので、ご理解、ご協力をお願い申し上げます。

1.不具合の概要
  台所用シングルレバー混合栓について、給水ホースの内層部において使用しているエチレンプロピレンジエンゴム(略称EPDMゴム。水道用ゴムのJIS規格K6353に適合)の一部が粒状になって黒い異物として流出するもの。   なお、当該製品の製造会社によると、当該製品の製造数に対する本件の苦情発生率は約0.06%とのことである。

2.EPDMの特徴
  EPDMは、主構造がエチレン・プロピレン共重合体構造であり、耐老化性、耐オゾン性、極性液体に対する抵抗性、電気的性質がよい等の特徴がある。我が国においては、水道配管、バルブ、水栓金具、浄水器、食洗機など水まわりの器具の連結ホース、ライニング材、パッキン、ペットボトルのキャップのシールパッキン等においてEPDMゴムが幅広く用いられている。

3.発生原因
  EPDMゴムの表面が劣化し、剥離することにより起こるものであるが、劣化の原因として、以下のような要因のいくつか又は全てが重なった条件下で発生する。 (1)製造要因
   製造上のバラツキによる表層の荒れ等 (2)使用環境要因
 (1) 水中の残留塩素
 (2) 流速(水圧)、使用頻度
 (3) ホースのキンク(折れ曲がり)
 (4) 水温
 (5) 水中の電気伝導率と迷走電流の影響
  ※ 迷走電流:電車、高圧線、家庭内の各種電気製品(電子レンジ等)から発生するノイズにより誘発された微弱電流

4.人体への影響
  当該製品の製造会社が行った試験結果によると、EPDMゴムを胃液に近い濃度及び胃液の10倍の濃度の塩酸溶液に浸漬し、比重変化及び外観変化について測定したが、いずれについても浸漬前後で変化が見られなかったとのことである。

    

(連絡先)  
                厚生省水道環境部水道整備課給水装置係  
TEL:03-3595-2368(ダイヤルイン)
FAX:03-3503-7963    

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